第500話 エリアボスの元へ
ふふーん! 水中を駆けながら、色々な魚を食べまくって移動中! 結構な数を食べて、結構な距離を移動してきた! その上での感想だけど……。
「……こう、魚ばっか食べてると飽きてきますねー。満腹感もないですし……」
色々と勢いよく食べてきたけど……何も特に味付けがないんだよねー。馴染みがある味の方が少ないし、なんか飽きてきた! というか、普通のお刺身が食べたくなってきた!
咲夜 : 盛大に食いまくってたのに!?
サツキ : でも、その気持ちは分かる気がする! 刺身醤油とワサビが欲しくなる!
富岳 : 味は再現されてはいるが、不完全なものではあるからな。というか、モンエボで魚を食うと無性にリアルで刺身が食いたくなる。
ミナト : それは分かる! 今日は流石にもう作っちゃってるから無理だけど、明日のご飯はお刺身にしようかな?
神楽 : 魚1匹、丸ごと買って捌こうかなー?
「あ、確かに食べたくなるのは分かります! 私も普通のお刺身が食べたい気分ですし!」
今日の晩ご飯がお刺身なんて事は……流石にないかなー? お刺身とは少し違うけど、少し前にお寿司を食べたばっかだしね。生魚という意味では近いものではある! ……やっぱり別物な気はする?
G : モンエボのあるある話だなー。オンライン版なら多少の調理は出来るけど、それでもリアルの料理には及ばないし。
いなり寿司 : 調味料や調理道具の有無が大きいからな。まぁそれでも料理として仕上げる人がいるのは凄いが。
「おー! オンライン版だと調理が出来るんですか! ……どうやるんですかねー?」
少なくとも、私はライオンで調理が出来る気はしないよ!? リアルで全く料理が出来ない訳じゃないけど、モンエボで料理をするのはどう考えても難しいよね!?
火が使えれば焼けるみたいではあるけど……シンプルに焼いただけだとね……? せめて、塩くらいは欲しい!
「……なんだか魚の塩焼きが食べたくなってきました!」
魚の種類にもよるけど、塩焼きなら今日の晩ご飯で出てきても不思議じゃないよ! ……まぁメニューは知らないけど!
咲夜 : 塩は一体どこから出てきた!?
サツキ : 連想してたら出てきたんだと思うよ! そして、今日の私の晩ご飯は鮭の塩焼きだー!
「あ、鮭の塩焼き、いいですね!」
湖の中で食べた魚の中に、鮭っぽい味のもいた気がする! えーと、あれはなんだっけ? 確か……ニジマスだったかな?
神楽 : よーし、晩ご飯のメニューを決めかねてたけど、魚を焼いちゃおう! 冷凍してた鮭の切り身があったはず!
ミナト : あはは、まぁ今は晩ご飯時だし、そういう話題にもなってくるよね。
富岳 : 今からスーパーに行けば、まだ売ってるか?
神奈月 : 店によってはあるんじゃ?
ミツルギ : そろそろ値引きシールが貼られる頃合いじゃね?
富岳 : 確かにそういう頃合いか……。ふむ……配信が終わってから買いに行ってみるか。
イガイガ : しっかりと見てはいくんだなー。
富岳 : まぁな。
「あはは、富岳さん、視聴を優先でありがとうございます! まぁあんまりご飯の話題ばっかりしてるとお腹が空くので、今はこれくらいにしておきましょう!」
配信が始まってから30分以上は過ぎてるけど、まだ19時にはなってないもんね! 魚を色々食べながらではあったけど結構進んできたし、胃袋のストック分も十分!
「あ、そういえば魚って一般生物ですけど、結構HPの回復量は多いんですね?」
食べながら気付いてた事ではあるけど、何気に結構な回復量なんだよねー! かなり大きい魚は避けてたけど、それでも1匹で50くらいは回復してた! 他の一般生物だとこんなに回復してなかったはずだもん!
ミツルギ : 魚はアイテム化が難しい上に、水中で手に入る回復アイテムも限られるからな。普通にそうやって食べるように調整されてるぞ。
咲夜 : 水棲種族は、肉食が可能な種族なら一般生物の魚を食べて回復するのが常套手段!
ヤツメウナギ : そういう仕様だから、他よりは回復しやすくはなっているぞ。
ミナト : 大きな魚ほど、回復量は多い感じだねー!
真実とは何か : それが真実である!
「あ、そんな気はしてましたけど、やっぱりそうなんですね!」
そっか、そっか! 今は私のライオンが水中で活動出来るようになっているから、その仕様の恩恵を受けられてる状態になるんだね! うふふ、水中での回復手段はこれなんだ!
咲夜 : そういや『捕食還元』の効果は全然出てない気がする?
こんにゃく : あれ、一応は一般生物相手でも効果は出るけど、すごい低確率だしなぁ……。
チャガ : 出ればラッキーくらいなもんだ。
「まぁあの辺の効果での進化ポイントの入手は、狙ってもあんまり意味がないですね!」
同じような『死亡還元』での進化ポイントの入手も、本当にたまにしかないもん! 昨日はなんか立て続けに手に入ってたけど、そういう事の方が稀!
「さーて、そうしてる間に、もう少しで湖の南側まで到着です! ……マップに赤い印が大量なんですけど、どれがエリアボスのワニですかねー?」
マップの赤い印だらけの範囲に入ったから、ここは昨日、私が縄張りを使った範囲になるはずなのですよ! でも、反応が多過ぎて、パッと見でワニがどれかが分かんない!
ミナト : んー、流石にこのままの状態で判別するのは不可能だねー。
富岳 : まぁエリアボスも、マップ上での表記は他と変わらんしな。
ミツルギ : 見分ける手段、ない訳じゃないけどな。
「おぉ! ミツルギさん、そんな手段があるんですね!? あ、でも言わないで下さいよ! その内容は自分で考えてみます!」
なんでも聞いて終わりにはしないのさー! 手段があるというのなら、それをちゃんと自分で見つけてみるのですよ!
ミツルギ : おー、頑張れ!
ミナト : まぁそんなに複雑な手段でもないけどねー。
咲夜 : ここからエリアボスを探す手段……あ、あれか!
イガイガ : 言うなよ、咲夜さん?
咲夜 : 分かってるって!
水無月 : サクラちゃん、ファイトー!
サツキ : サクラちゃん、頑張って探していこー!
「はい、そのつもりです! えーと、どういう手段が考えられますかねー? あ、とりあえず色々と切れてたのが再使用時間も過ぎてるので再発動しておきます! 『索敵』『見切り』『弱点分析』『看破』!」
水化は効果が切れて、再使用時間の経過待ち! まだ5分くらいかかりそうだけど……エリアボス戦で使えるようにしておいた方がいいのかな?
あれ自体はあんまり戦闘向きじゃないし、気にしなくていい? あ、でも距離を取るのには欲しいかも? まぁ、それはワニを見つけてから考えよー!
肝心のワニの位置は……皆さんの反応的に難しい手段ではないみたいだし、私が既に持ってる手段でもありそうだよね。今の状況はマップの上で赤い印が多いだけで、直接見ていけばすぐに分かる……あっ、そうじゃないよ!?
「この状況ってそもそも縄張りで交戦状態になったからですし、また縄張りを使えばいいだけの話ですね! 畏怖の気迫を使えば、探さなくても向こうから勝手に来てくれます!」
ふっふっふ、あのワニはLv30なんだし、威嚇の効果が出てるのと同じ状態ならそうなって当然! そもそも探す必要自体がなーい!
ミツルギ : サクラちゃん、それで正解だ!
咲夜 : 他の敵は格下ばっかだから、今なら簡単に1対1の状況は作れるぞ!
真実とは何か : それが今の真実である!
富岳 : まぁ悩むような手段でもないし、すぐに思い至ったな。敵に有利な場所でのエリアボス戦だし、『縄張り』での強化自体もかなり有益だろうよ。
「あはは、確かにそうなりますね! あ、今、水化が再使用時間待ちになってますけど……使えるようになるまで待った方がいいです? 今、『縄張り』を……って、ぎゃー!? 『縄張り』が発動しちゃったんですけど!?」
待って、待って、待って!? 今の段階で縄張りを発動しない方がいいよねって思ってたのに、なんでこのタイミングで誤発動しちゃうの!?
咲夜 : あ、誤発動をやらかした。
ヤツメウナギ : サクラちゃん、ドンマイだ!
イガイガ : 発声での発動は、こういう誤発動がたまにあるからなー。
こんにゃく : 使うかどうかを悩んでいる時に、スキル名を言ったら発動しちゃうやつ。
ミナト : 誤発動をしちゃったものは仕方ないから、すぐに意識を切り替えて! 位置次第では、すぐにエリアボスのワニがやってくるからね!
「は、はい! 分かりました!」
やっちゃったものはどうしようもないし、今出来る範囲でなんとかやっていくのです! えーと、マップを見てみれば私から離れていってる赤い印が大量で……あ、遠くの方から近付いてきてる赤い印がある!
間違いなく、この赤い印があのワニだね! よーし、ここからあのワニへのリベンジ戦を開始なのですよ! 何度も殺してくれた分、ここで返さないとね!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます