第499話 湖の南に向かって
ふふーん、さてと後回しになってた『胃袋拡大Ⅲ』の解放をやっていこー! 昨日のサイコロタイムで決めた事が今日になるとは思わなかったけど、ちゃんとやっておかないとね!
「それじゃサクッと解放しちゃいますねー! その後、胃袋のストック分も用意しないといけないです!」
さっきのブラックバスとの戦闘でHPは減っちゃってるし、そもそも昨日の実況外のプレイでストック分を使い切ってたのに、補充を忘れてた!
咲夜 : 湖の中なら、一般生物の魚を食うのが早い!
金金金 : ん? 捕まえるのは難しいって話じゃなかったか?
「確かにそうですよね? 食べられるんです?」
一般生物の魚ならあちこちで大量に泳いでるから、食べられるなら変にアイテムを使うよりは楽な気はするけど……あれー?
咲夜 : それ、アイテム化しようとした場合だから!
ミツルギ : 普通の状態ならそのまま魚を食べるのは難しいけど、水の適応進化をしてればそうでもないぞ。
いなり寿司 : 流石にアイテム化の条件の生け取りはそれでも難しいけどな。
富岳 : ただ単に追いかけてそのまま食べるのなら、今の状況ならそう難しくもない。『水化』を使えば移動速度も上がるから、より楽になるぞ。
金金金 : あー、なるほど。
「生け取りにしないつもりなら、普通に食べられるんですか! それは良い事を聞きました! 後でやってみましょう!」
そっか、そっか! そのまま食べるなら、そんなに難しくはないんだね! うん、そう言われてみれば、確かに普通に追いつけそうな気はする! まぁそれは後でやってみるとして、今はこれなのです!
「さてと、それじゃ『胃袋拡大Ⅲ』を解放していきましょう!」
という事で、生命のスキルツリーを表示! えーと、第11段階のスキルになるから、必要な進化ポイントは40! 今の進化ポイントは46あるから、問題なし!
<『生命』第11段階:スキル『胃袋拡大Ⅲ』を解放しました>
残り進化ポイントは6になったけど、まぁまた戦ってる間に溜まってくるから大丈夫!
サツキ : 『胃袋拡大Ⅲ』の解放完了!
水無月 : これで回復のストック分が増えたね!
「ふっふっふ、1.5倍のHPになったようなものですからね! さーて、エリアボスのワニの元へ向かいつつ、一般生物の魚を食べ漁りましょう! 『水化』!」
今日の分のサイコロタイムも何かやらないとだし、何度も殺してきたワニを仕留め返すのです! 目指せ、エリアの南側!
うふふ、水中を駆けられるのって不思議な感じだけど、これはこれで楽しいよねー!
金金金 : サクラちゃん、水の中を駆け出した! ほんと、水中での移動が速いもんだなー。
神楽 : 昨日の夜は、陸で変な滑り方をしてたのにねー!
イガイガ : 陸地で使う意味はないのに……それをやるのがサクラちゃんらしいとこだよなー。
神奈月 : 実況外のプレイで地味に水面から水中に入ってなかったのは、少しハラハラしたけどな。
G : ……まさか、水中への入り方が分かってなかったとは思わなかった。
「あれ、普通は分からなくないです!? わざわざ倒れるような形にして初めて分かったんですけど!? あ、食べれそうです! えいや!」
ガブっと近くにいた小さなブラックバスを食べて……。
「あ、なんか刺身を食べてる感じがします……?」
味の事は気にしてなかったけど、コリッとした歯応えがあって、淡白な感じだけど……なんか醤油とワサビが欲しいなー。あ、ワサビの方は持ってるような? んー、でもそれは違う気がする!
ミナト : ブラックバスって、元々食用で日本に入ってきてる魚だしねー。まぁモンエボの中、日本じゃないけど。
富岳 : ブラックバスの味を再現してるらしいが、リアルではその辺の池や川にいるのは絶対に刺身で食うなよ?
G : 川魚は基本的に寄生虫が多いから、生はアウトだと思っていいぞ!
「あ、それはおじいちゃんに聞いた事がある気がします! というか、ブラックバスって食用だったんですか!」
なんでブラックバスの刺身の味が再現されているのかは謎だけど……まぁゲーム内なら寄生虫とか関係ないから、その辺の他の魚もどんどん食べちゃえー!
「あ、ナマズを発見です! えいや!」
ガブっと噛んで、そのまま食べる! 敵を攻撃してる時はそうでもないんだけど、こうやって食べる時は普通に食べてる感覚があるのが不思議だよねー!
「あ、ナマズは鯛みたいな感じですね! これはこれで、結構ありですかねー?」
ちょっと泥臭さを感じはするけど……なんか妙なとこまで味覚で再現してるよね! ナマズの刺身なんて、どこかにあるのかな?
こんにゃく : そういえば、前に旅行に行った時にナマズの刺身を出す店ってあったなー。
サツキ : ブラックバスも、刺身は流石に食べた事はないけど、フライなら食べた事あるよ! あれ、普通に美味しい!
神楽 : 調理方法さえしっかりすれば、ちゃんと食べられるからねー! 泥抜き、大事! あ、生で食べられるように処理してるヤツだから、その辺のナマズで刺身は真似しちゃ駄目だから!
「わっ!? ナマズの刺身やブラックバスのフライが食べられる場所があるんですか!? ……という事は、この味ってどこかの試食データだったりします?」
全部が全部じゃないけど、こういう味がするやつって宣伝も兼ねて味データが提供されてたりするもん! ……ちょっと気になる?
ミツルギ : 他の魚の味に置き換わってる時もあるけど、確かナマズは提供があったはず?
ミナト : その辺は図鑑を見れば分かるよー! 味データの提供があればそこに出典が書いてるから! ナマズの場合は、普通に取り扱ってるお店の宣伝も入ってたかな。
「おぉ、そうなんですか!」
全然見た事ない図鑑だけど、そんな情報も載ってるんだ!? むしろ、川魚よりも海の魚とかの方が味は豊富そうな気がする!
神奈月 : 食用といえば、ザリガニ辺りも食用で持ち込まれたものだよな?
ミナト : そうなるよ! 火が扱えれば、色々と焼いて楽しめるんだけど……それは結構手間だからねー。
サツキ : ザリガニは、オマール海老の小っちゃい版!
G : 味は普通のエビに近い。ちなみに、バッタもエビに近い。
サツキ : 昆虫食の話題は止めてー!?
「あはは、そういえば前にもそんな話をしてましたっけ! あ、ザリガニ発見です! 折角なんで食べてみましょうか!」
結構深いところだけど、なんか普通にいたー! という事でガブっとね! 初めだけ殻の硬さはあったけど、そこを噛み砕けばその後は普通に食べてる感じに変わった! あ、確かにエビの刺身を食べてる感じの味!
「ザリガニ、中々美味しいですね! ……バッタ、この味に近いんですか」
一般生物でのHPの回復量って大した量ではないけど、魚の回復量は結構多いね! ふっふっふ、これならこうやって色々と食べながら移動するのは意外と面白いのかも?
森や草原でも一般生物のバッタはいるし……味がこれに近いなら、普通にありな気がしてきた。あ、でもあっちは回復量は少ないよね……。
金金金 : 悩み始める狐っ娘アバター。まぁ虫の敵でも躊躇なく口に含められるんだから、味が普通の範疇なら、躊躇なく食いそうだな。
サツキ : サクラちゃん、それは止めよ? 食べるものなら、ほら、普通に果物とかキノコとか、そういうのがあるじゃない?
いなり寿司 : むしろ、見てる側のサツキさんが必死に止めている……。別にサツキさんに食えって言ってる訳じゃないんだけどなー。
「あはは、まぁ虫を食べるのは緊急時以外は止めておきましょうか。食べるのだけに専念してると時間がかかりそうですし!」
今は移動しながら見つけたのを食べていってるだけだから問題ないけど、陸地で今と同じ事をするのは難しい気がする! ふふーん、本当にあっさりと魚は食べられるものって事を実感するよ!
サツキ : それでお願いします!
水無月 : サツキさんが必死だー!?
真実とは何か : 苦手なものは苦手。それが真実である。
富岳 : ま、そういう事だろうな。……サクラちゃんの躊躇の無さもすごいが。
G : くっ、流石は俺の天敵のタイプだな!
咲夜 : だろうなー!?
「あはは、まぁそういう事もありますよ! さーて、まだ胃袋のストックは一杯になってないので、この調子で色々と食べながら進んでいきましょう!」
フナとかコイとかワカサギとか、色々な魚は泳いでるもんね! HPの最大値が増えてるから食べる量は多いけど、一般生物の魚はかなり回復してる方だよね! 水中だと、こうやって食べて回復するのが前提になってる気がする!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます