第462話 ワニとの戦闘
ワニが委縮になってる間に、陸へ急げー! 今ここで戦っても、戦いにくいだけだもん!
「急いで陸まで戻ります! わわっ!?」
慌てたら、バランスを崩しちゃったけど、なんとか転ばずに走り出せた! どうしても走る速度は水の抵抗で遅くなるけど、それでも猛ダッシュなのですよ!
ミツルギ : 慌てすぎないようにな! 水中だから、普段とは走り方が違ってくるぞ!
富岳 : 急がば回れだ。ワニを萎縮に出来ているんだから、焦らず陸地まで行く方がいい。
サツキ : 焦って転んで、朦朧になったら元も子もないもんね!
いなり寿司 : 変に背を向けずに、ちゃんとワニを視界に入れながら下がった方がいいぞ。敵がワニだけとは限らないからな。
ミナト : もうそれほど距離もないし、その方が安全かもね。
咲夜 : ここで敵が追加って可能性も否定は出来ないしな!
「朦朧も敵の追加も嫌ですね!? でも、なんとか陸地には辿り着いたのでセーフです!」
今のは確かに見ながら下がるのでも良かった気はするけど、もう辿り着いちゃったから気にしない! 敵の追加の可能性はあるけど、もう少し湖から離れとこう!
いなり寿司 : あー、まぁ無事に陸まで戻れたならいいか。
水無月 : 赤い印は増えてないし、追加の敵も大丈夫そうだね!
ヤツメウナギ : とりあえずのピンチは切り抜けたか。
サツキ : さーて、サクラちゃん! ここからワニはどうするの?
「それはもちろん、倒すまでです! 『獅哮衝波』!」
ふっふっふ、俊敏系統だから素早いワニだけど、陸地で距離を取って一気に仕留めるのですよ! 格上だから要注意だけど、それでも戦える相手なんだからスルーはなしで!
衝撃凝縮ありの獅哮衝波の溜めを開始しながら、再び回れ右! ワニをしっかりと見据えて、本格的に戦闘開始!
「って、わわっ!? このワニ、陸地でも速いんですけど!?」
ぎゃー! 待って、待って、待って! もう萎縮から回復したのは仕方ないにしても、猛烈な勢いで迫ってくるんだけど!? え、ワニってこんなに速いの!?
うん、待ち構えて弱点分析の内容を見ようと思ってたけど、これは危険! もう一度回れ右で、戦略的撤退! 逃げないよ! 距離を取るだけ!
ミナト : ワニは人が走るよりも遥かに速いからねー!
富岳 : 『迅速な』だから尚更にな! ただ、地上では長時間を走るのは無理な仕様になっているから、今は距離を取るので正解だ!
G : 確か、ワニって『地上持久力強化』ってのがあったっけ? それが無ければ、全力で走れる時間は短いはず?
ミツルギ : それは俊敏のスキルツリーにあるスキルだから、持ってない事を祈るしかないがな!
こんにゃく : 確か第10段階以降のスキルだった気がするから、持ってない可能性は十分あるぞ。まぁ持ってる可能性もあるが。
「そんなのがあるんですね!? 持ってない事を祈ります!」
陸での速さはびっくりだけど、それでも陸の種族のライオンの方に優位性はあるんだね! だったら、今は走って距離を取るのに専念するだけなのですよ!
ともかく今は湖から離れるように、可能な限り速度を上げて走るのです! 倒す為にも、今は逃げろー!
咲夜 : 距離を取るのに夢中になって、1段階目の溜めの完了で変な方向で動けないようにならないようになー!
神奈月 : あー、サクラちゃんならやりそうな事だな。
G : 咲夜さん、何故それを言ってしまう!?
「……あはは、そこは気を付けます! えっと、ワニは……まだ引き離せてないないどころか、真後ろまで迫ってません!?」
ぎゃー!? マップをチラッと見てみたけど、赤い印がすぐ後ろー!? 見えてないけど、ギリギリもギリギリだよね!?
こんにゃく : なるほど、これは昨日『移動速度強化』を取っていて正解か。
いなり寿司 : 素で俊敏が高いライオンだから、『移動速度強化』の効果を合わさってギリギリ追いつかれずに済んでる感じだな。
「昨日解放したスキルがここで役立ってるんですね!? 『移動速度強化』を解放しててよかったですよ!」
もしそれが無ければ、今頃ガブっと後ろから噛みつかれてる気がするもん! あ、でも少しずつ距離が離れ始めたっぽいね。もう少しで1段階目の溜めも終わるから……今!
「ここで方向転換です!」
急な方向転換になり過ぎないように気を付けつつ、後ろに向き直るのは上手くいった。そこで溜めが完了したし、ちゃんとワニの方を狙えるね!
「とりあえず1発目、ぶっ放します!」
凝縮率100%にして、速度が落ちた状態で迫ってくるワニに向けて撃ち放つのですよ! うふふ、ワニは近付いてきてるから射程を短くしても問題なーし! 自ら、仕留められる距離に来ればいいのさー!
ミツルギ : おっ、良い感じの狙いだな。
富岳 : この状況で凝縮率100%の威力全振りに出来るのは大きいぞ。
サツキ : やっちゃえ、サクラちゃん!
水無月 : ぶっ放せー!
「はい! 獅哮衝波、いっけー!」
私に噛みつこうと大口を開け始めたワニの口の中に向けて、思いっきり撃ち込んじゃえ! おー! 見事に吹っ飛んで、盛大に水飛沫を立てて湖の中へ戻っていったね! ……でも、今ので仕留め切るのは無理だったみたい。
「むぅ……HPは8割くらいは消し飛びましたけど、それで即死は無理ですか……」
結構な威力のはずなんだけど……あ、弱点分析を見てみたら、弱点は『器用』と『知恵』だけだった!? スキル基準では『生命』と『堅牢』も弱点にはなってるけど、ステータスは高めみたい!?
「このワニ、何気にバランスが良いんですか!? ともかく、今のうちに追撃です! 『放電』『放電』『放電』!」
すぐに湖の中から出てきて、またこっちに向かってきてる! でも、湖の中にいないなら放電でいけるのですよ! 今度距離が詰まったら、爪での連撃で出血を狙っちゃえ!
金金金 : あー、何気にバランスの良いワニか、これ。
ミツルギ : そうっぽいなー。移動速度は速いし、近接攻撃の威力も耐久性もそこそこある。
富岳 : 近接攻撃主体の構成としては、かなり良いバランスをしているな。格上で、これはちょっと辛いか。
G : 今更言っても仕方ないけど、さっきの獅哮衝波は正面から放って後ろに吹っ飛ばすよりは、斜め上から地面に叩きつけるように放った方が追加ダメージは狙えたなー。
神奈月 : ……それ、難しくね?
こんにゃく : 身動きが取れない状況になるんだし、ほぼ目の前まで来ないと無理だろ。
G : 前脚に噛みつかれてたらいけたはず! その距離くらいにはなってたしな。
咲夜 : 確かにそれはそうだけど、相当な無茶言うな!?
「本当に無茶を言いますね!? 『放電』『放電』『放電』!」
うぅ……最初に追いかけてきてた時ほどの速さはないけど、それでもかなりの勢いで迫ってきてるのは普通に怖いよ!? 放電も一応は効いてるけど、削り切るには溜め無しじゃ……。
「あ、この状況はこれがいいですね! 毒の実を使いましょう!」
ふっふっふ、これだけ動きまくっているのなら、毒がよく回るはず! ワニの攻撃が届く距離になる前に、毒の実を取り出してしっかりと狙いを付けて……。
ミツルギ : 確かにこのワニには有効な手段だな。
イガイガ : 外すなよー!
富岳 : ワニは左右への動きは良くないから、しっかりと狙えばこの状況ならそう外さないから冷静にな。
「あ、はい! 分かりました!」
冷静に、冷静に……。迫ってくるのは攻撃してくる敵じゃなくて、毒の実を当てる的!
「今です! 『投擲』! あ、やった! 成功です!」
ふふーん、毒の実がワニの頭に当たってしっかりと毒が入ったのは確認したもんね! ここから先は、ひたすら逃げるのみ!
神奈月 : 良い感じに毒が入った!
ヤツメウナギ : ここからはもう逃げるのみか。
サツキ : サクラちゃん、逃亡開始!
水無月 : 毒に任せて、逃げちゃえ!
「はい、そのつもりです! ワニは毒で死んじゃってください!」
という事で、改めて走っていくのですよ! ふっふっふ、逃げてはいるけど、これは戦略的な逃亡なのです! さぁ、追いかけてきてどんどん強くなる毒で自滅してもらいますよ!
金金金 : ほくそ笑む狐っ娘アバター。まぁこれは作戦勝ちか。
ミツルギ : ここから解毒でもされない限り、ほぼ勝ち確定だろうな。
富岳 :体表に毒を受けただけの今の状況なら水で洗い流せば回復はするが、まぁ知恵が弱点じゃないからそういう行動パターンもないだろ。
こんにゃく : 根本的に知恵系統だと毒も効きにくいから、そういう機会自体がほぼないけどな。
「え、毒の実って洗い流せばなんとかなるんです!? いえ、でも今はちゃんと追いかけてきてるので問題ないですね!」
そっか、ぶつかった毒の実が潰れて毒になってるだけだから、その部分を洗い流せば回復しちゃうんだね。まぁ今は私が湖の中へと行かなければそういう事にはならなさそうだし、問題なーし!
ふっふっふ、マップの反応を見る限りしっかりと追いかけてきてるし……って、また最初みたいに速くなってませんかねー!? わわっ!? これは余計な事を考えてないで本気で逃げないと――
<成熟体を撃破しました>
<進化ポイントを2獲得しました>
<サクラ【巧妙なライオン【雷】】が成熟体:Lv26に上がりました>
<基礎ステータスが上昇します>
<進化ポイントを4獲得しました>
あ、経験値が入ってきてLvが上がったって事はワニは毒で死んだかな? マップの反応も消えてるし、止まって大丈夫だよね?
「えっと……あ、ワニはもういませんね! 格上でしたけど、撃破完了です!」
いぇーい! やり方次第では、格上でもちゃんと倒せるんだね! ふぅ、凄い速度で迫ってくるのには焦ったけど、倒せてよかったー!
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