第455話 湖エリアの特徴


 いきなり湖が深くなったから驚いたけど、その辺はなんとか大丈夫だった! 湖畔からは、思ったより結構離れてるね? えーと、30メートルくら進んで、そこから急に深くなった感じ?


「さてと、ちょっと潜ってみますねー! ライオンで潜れるかどうか、分かんないですけど!」


 前脚でかいて水面まで泳いで上がってくる事は出来るし、そこまではこれまでもした事あるけど、潜っていくのはどうやるんだろ?


水無月 : ライオンって……潜れるの?

咲夜 : ぶっちゃけ、深いところにはそのままでは潜れないな!

サツキ : え、今言っちゃっていいの!?

咲夜 : あっ……!?

ミツルギ : 既に遅いよなぁ……。


「えぇ!? 潜れないんですか!? それだと、私は泳いで進んでいくしかないんです!?」


 むぅ……確かにライオンが潜るってイメージは皆無だけど! そもそもネコ科って水自体が苦手ってイメージだけど! なんだか、凄い残念だなぁ……。


金金金 : 残念そうな狐っ娘アバター。まぁ種族的な問題は仕方ないか。

いなり寿司 : 正直、ライオンに飛べと言ってるのに近い部分だしな。

富岳 : まぁ手段がない訳ではないんだが……これはちょっと手間がかかる。


「え、手段はあるんです!? ……あ、もしかして適応進化ですか?」


 具体的な手段は伏せてくれてるけど、内容的には多分そうだよね! 思いつく手段としては、これくらい!


サツキ : サクラちゃん、正解!

ミツルギ : 溺死しまくるか、水中で殺されまくるか、まぁその辺の手段で水への適応進化を発生させれば潜る事は可能になる。可能にはなるけども……。

咲夜 : 『麻痺耐性』みたいな感じで、『潜水』ってスキルが手に入るんだよな! それがあれば潜って泳げる!

いなり寿司 : ただ、それをやるには雷の適応進化を一回手放す必要があるんだよなー。

ミナト : 宝石系の何かに保存しておけば、それで良いんだけど……今、サクラちゃんは宝石系のアイテムは1個も持ってないよね?


「え? 確か琥珀がありませんでしたっけ? って、あれは『増幅石』になってたんでした!?」


 ぎゃー!? 持ってた気になってたけど、よく考えたら今は1個も持ってなかった!? 『水晶』は今の適応進化を維持する為に使っちゃったし、必要そうな時に限って持ってないとか……。

 うぅ……手段が分かっても、実行出来ないんじゃ意味がないよー! いくら何でも、宝石への保存無しで雷への適応進化を手放す訳にはいかないし……。


金金金 : しょんぼり顔の狐っアバター。まぁ気持ちは分かる。

水無月 : この場で、宝石系アイテムって手に入ったりはしないの?

チャガ : ちょっと遅れたが、こんばんは。あー、湖への進出で適応進化の悩み中ってとこか。

富岳 : そんなとこだな。宝石系のアイテムは湖底にもちょいちょいあったりするんだが……そこまで行けないのが問題だな。

G : 浅い場所でもある時はあるから、今から探すとしたらそこが無難か。もしくは、森林深部に戻って琥珀を探すかだな。


「そういう選択肢になるんですか!? ……流石に戻るのもあれなので、浅い場所で宝石を探してみる事にします!」


 折角の湖に来てるのに、水面近くを泳ぐだけとかは嫌だもん! でも、その前に……底が見えないか、頭を水に浸けてみる! えいや!


「おぉ! 魚が沢山見えますねー! というか、索敵への反応が沢山……普通に危なくないですか、ここ!?」


 私へ攻撃はしてきてないけど、ただ見向きをされてないだけっぽい気がする!? Lv21以上の敵ばっかだし、視線を遮るものが全然ないから、攻撃されたらマズいよね!?


イガイガ : 無理にでも潜れば、まぁ一気に襲われるなー。

神奈月 : 実は、いきなり深くなって沈み込んだ時が危険。意外と水面は攻撃範囲外の事が多いけど、少しでも沈めば……屈強系統や器用系統や知恵系統の襲ってきやすい敵が群がってくるぞ!

水無月 : そうなの!?


「さっき、地味に危険な状況だったんです!?」


 ぎゃー!? ついさっき、その危険な状況になってたんじゃないですかねー!? 慌てずにすぐに水面まで戻ったけど、そうしてなかったら今頃襲われまくってたのかも!?


G : ぶっちゃけ、相当危なかったぜ! 正直、俺は襲われるのを期待していた!

チャガ : 素直だな、おい!? というか、その状況になりかけてたのか。


「そういう風に私が襲われるのを期待しないでもらっていいですかねー!? あー、確かに放電を使うのは危険そうですもんね……」


 そういう期待はGさんらしいといえば、Gさんらしいけども! というか、言ってないだけでそういう期待をしてる人は他にもいそう! 今までの経験上、絶対にいるよね!?


ミナト : あはは、まぁサクラちゃんのライオンだと、湖は向いてないエリアなんだよね。放電もほぼ使えないエリアになっちゃうし。

こんにゃく : 湖エリアは他のエリアとはかなり違った場所になるもんな。ちょっと迂回ルートにはなるけど、湖畔で湖の周りをグルっと進んでスルーするか、水への適応進化を発生させて湖の中を突っ切るかの2択だぞ。


「……湖の水面近くを泳いで突っ切るのは、無理なんですかねー? 2択の中に無いのが気になるんですけど?」


 これ、微妙にネタバレ案件な気はするけど、聞いておいた方が良い気がする! 雷の適応進化は相当強いけど、それでも苦手になっちゃうエリアもあるんだね。

 んー、どちらかというとライオンが苦手としてるエリアって事になるのかな? 両方の合わせ技な気もしてきた!


「……というか、結構深いんですね。この湖」


 見たまま喋ってたけど……あ、危ない!? 窒息になりかけてるから、水の中から顔を出さないと! むぅ……潜れない事もだけど、そもそも窒息になるのも大問題かも?

 私のいる場所の下でも深さは3メートル以上はありそうだし、湖の先の方はもっと深くなってて暗くて見通せなかったくらいだもんね。……息が出来なくて、死ぬ気しかしないね?


ミツルギ : 水面を突っ切るのはおススメしないぞ。湖畔の近くにはあんまりいないが、湖の先の方に進めば水面でもがっつり襲ってくるからな。

イガイガ : まぁ湖畔や浅瀬でも、ワニとかカバとかがいるしなー。

水無月 : あ、ワニとかカバって、ここにいるんだ!?

こんにゃく : いるぞー。他には水鳥系で、サギやらペリカンやらカモとか白鳥とかもいるぞ。まぁ水鳥系は昼間の出現の方が多いけど。


「なんだか水辺特有な種族が色々出てくる感じみたいですね!? ……まだ見てないのは、単なる偶然です?」


 雑談しながら進んできてたから確認は微妙に疎かになってた気はするけど、それでも見通しは良いから、索敵どころか看破で普通に分かった気もするけどなー?


富岳 : ワニやカバは水中に潜んでたりするが、まぁさっき見える範囲にはいなかったんだろうよ。どこにでもいる程、大量にいるタイプの敵でもないしな。

ミナト : カバっぽいのはいたけどねー。少し距離があったから、言わなかったけど。まぁ波紋だけだったから、索敵には反応はなかったかもね。

咲夜 : 相変わらず見つけるのが凄いな、ミナトさん! いないと思ってたのに!?

チャガ : ……波紋で、カバとか分かるもんなのか?

G : ……さぁ?


「……あはは、まぁ戦闘になる位置にいなかったのは分かったので、それは良しとしましょう! とりあえず、これからの行動方針を決めに湖畔まで戻りますねー!」


 水面付近を突っ切って進むのも、襲ってくる敵がいるのが分かったから駄目そうなのは分かった! 陸から離れた場所で、水中に住んでる敵を相手に戦うのは無謀過ぎるもんね!


金金金 : おっ、意外と今回は慎重な行動。

ヤツメウナギ : まぁ湖エリアは、慎重に動いた方がいいからな。


「下手にランダムリスポーンになったら湖のど真ん中なんて事もありそうですし、それが繰り返されたら困りますからねー! それで雷への適応進化を無くすのは避けたいですし、とりあえず、陸地部分に再誕の道標を設置してきます!」


 今まで何度も死んできたんだし、この危険性はちゃんと分かっているのですよ! ……冗談抜きで、最大の武器を失う訳にはいかないもん!


金金金 : あー、そうか。その危険性は十分考えられるんだな。

ミツルギ : だなー。再誕の道標の設置は、可能ならやっておいた方がいい。

ミナト : 最悪、他のエリアに設置してる再誕の道標で復活って手段もあるけど、まぁ近い場所にあった方がいいからねー。


「という事で、回れ右です! 一先ず陸へ戻りましょう!」


 それほど近かった訳じゃないみたいだけど、念の為、カバには要注意で! 可能なら、再誕の道標を設置するまでは戦闘は無しでいきたいね!

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