第456話 湖から陸地へ
湖エリアは今までと勝手が違い過ぎるし、一旦陸へと撤退! 泳いでいきたい気持ちもあるけど、それは今は飲み込んでおくのです!
「わわっ!? 割と近くに索敵に反応です!? 水中ですか!?」
わー!? 姿は見えないけど、見えるくらいの距離に何かいるのは確定だー!? ワニやカバがいるっぽいし、その辺は要注意!
とりあえず今は脚が着かない場所だから、脚が着く場所まで移動の為に回れ、右!
サツキ : 近場に敵発見! 急いで逃げろー!
水無月 : 逃げろー!
「はい! そのつもりです!」
万が一にでも、雷への適応進化を失う訳にはいかないもん! 水中じゃまともに戦える気がしないし――
「わっ!? 後ろ脚が、何かに噛みつかれました!?」
索敵に反応があった敵以外にも、他にも敵がいたっぽい! うがー! さっき水中を覗き込んでた時にはそんなに近くには敵はいなかったのに、いつの間にすぐ近くに来たの!?
「ぎゃー!? 水中に引きずり込まれるんですけど!?」
わー!? 待って、待って、待って! 必死で水面近くで水をかいても、その場所に留まれないよ!? というか、ライオンの脚に噛みつける水中の生物って限られませんかねー!?
ミナト : あらら、ちょっと危ないかも? んー、これは完全に気付かなかったなー。
いなり寿司 : 完全な死角からだと、流石にミナトさんでも厳しいか。
ミツルギ : ライオンの脚を噛みつける敵となると……ワニの可能性が高いか。
咲夜 : 姿が見えないから、何とも言えん!
富岳 : 真後ろから死角を狙われたら、どうしようもないからな。
「やっぱりこれってワニの仕業ですかねー!? わわっ!? 完全に水中に!?」
ぎゃー!? 水面がどんどん遠ざかっていくよ!? まだ窒息にはなってないけど、そうなるのも時間の問題だよね!?
うぅ、全然振り払えないし、凄まじい勢いでHPは減っているし……最低でも、その姿だけでも拝んでやるもん! いざとなれば、悪足掻きで縄張りと放電の連発で陸へと逃げ切るのさー! そのつもりで、後ろ脚の方を向いてみる!
「って、エリアボスじゃないですか!? Lv30の雄健なワニ!?」
待って、待って、待って! エリアを切り替えてすぐに出てきてもおかしくないけど、何もこのタイミングで出てこなくても良いんじゃないですかねー!?
咲夜 : あ、ご愁傷様です。
神奈月 : まさかの、エリアボスのご登場。こりゃきつい。
金金金 : 窒息も始まったか。
こんにゃく : これは下手に悪足掻きするより、あっさりと倒された方が早いか?
イガイガ : そうだろうなー。下手に何かしても、まず倒せないだろ。
ミツルギ : 悪足掻き自体は可能だけど、まぁ状況はどんどん悪くなるか。
「……悪足掻き、するだけしてみましょうか!」
もう窒息にもなって、凄まじい勢いでHPが減ってるけど、どうせ死ぬなら無駄になるとしてもやるだけやってやるのですよ!
というか、もう死ぬならこれでも良いよね! マップの解放、やっちゃえー!
サツキ : サクラちゃん、悪足掻き開始!
水無月 : ファイト!
G : さて、どういう手段で悪足掻きをしていくのか!?
「マップの解放も兼ねてこれです! 『縄張り』!」
<規定以上の範囲を把握しましたので【マップ】が解放されました>
どうせ死ぬのは回避出来そうにないし、それなら元々死ぬ可能性が遥かに高いこれをやっちゃえ! ついでに『畏怖の気迫』もオンで! ……わー、色々と魚やらカメやら集まってきた。
「後は死ぬまで、連発です! 『放電』『放電』『放電』『放電』『放電』『放――」
<サクラ【巧妙なライオン【雷】】が死亡しました>
<死亡した為、リスポーンとなります。リスポーンの手段を選んでください>
あ、1体も倒せないまま、ワニに噛みつかれたダメージと窒息での急激なHP減少であっという間に死んじゃった……。むぅ、1体くらいは倒したかったけど、流石に威力が散らばり過ぎて無理だったっぽい?
「えーと、1回や2回くらいじゃ適応進化にはなりませんし、今回はランダムリスポーンで!」
どこに出るかは、その時の運次第だからね! これでどこかの陸地に出ればいいけど、もし駄目なら潜って自分で窒息にして、『緑茶の深林』に設置してる再誕の道標でリスポーンすればいいや!
富岳 : あっけなく1回目の死亡だが、まぁマップの解放が出来たならいいか。
いなり寿司 : あの状況からの悪足掻きとしては、悪くはない成果だな。
G : さて、問題はどこに出るか?
「あ、湖の中ではありますけど、脚が着く場所には出ましたね! とりあえず、見えている陸地を目指します!」
具体的に今どの辺に来たかは、気にしない! ともかく、また何かに水中に引きずり込まれないように、陸地へ急げー! ……どうしても水中だと、水の抵抗で移動速度は落ちるよねー。
むぅ……スキルが色々と再使用時間に入っちゃってるし、この状況は不安! ともかく、陸地へ急ぐしかないのですよ!
ミナト : サクラちゃん、再誕の道標はどこに設置したのかに関わらず、1回使えば1時間は使えないところは要注意ね! 陸地の近くに出たのなら、今のはランダムリスポーンで正解!
「……あ、そういえばそんな制限があったんでした!?」
完全にその制限、忘れ切ってた!? そっか、無制限で再誕の道標でのリスポーンは不可能だったんだっけ。
そういう意味では、本当にさっきのはランダムリスポーンにして、湖のど真ん中に放り出されなくて良かった!
金金金 : なるほど、今ので使ってしまっていたら……ランダムリスポーンで湖の中から抜け出す手段をいきなり失ってた訳か。
ミツルギ : まぁ1時間は、下手に死ねない状況にはなってたからな。
水無月 : そういえば、進化階位で適応進化に必要な回数って変わるの? オフライン版では必要な回数が増えるとは聞いたけど。
ミツルギ : 増えるぞー。一応、ネタバレ案件にはなるが……サクラちゃん、聞いとくか?
「あ、それは聞いておきたいです! 何回まで死んでも大丈夫かの目安になりますし!」
確か、今の雷への適応進化は20回だったっけ? あれ? でも、あの時って進化先が出ただけで、そのまま即座に進化ではなかったから、そこまで気にしなくてもいいのかも?
ミツルギ : よしきた。オフライン版の方がオンライン版よりは回数は少ないけど、進化階位が上がる度に必要回数は5回追加だな。
富岳 : 成長体で20回、未成体で25回、成熟体で30回になるぞ。
咲夜 : 成熟体だと30回連続で同じ死因にしなきゃいけないから、地味に進化階位が上がれば上がるほど達成するのは難しくなる!
ヤツメウナギ : まぁ普通に30回死ぬってだけでも、『生命』を強化する適応進化は発生するんだけどな。
「あ、そういう感じになってるんですか! ……というか、雷への適応進化の時は進化先は普通に自分で選べましたし、その辺って気にする必要ってあります?」
重要な話はちゃんと聞きながらも、陸地を目指して進んでいくのさー! うぅ、また何かに襲われるのは勘弁してね!?
1時間に1回しか使えないんだし、まだ再誕の道標は使いたくないよ! せめて、湖エリアの陸地に設置出来る状況になってからお願いします!
こんにゃく : 全部が全部そうではないぞ? 連続で同じ死因で死ぬ必要があるやつは任意になるけど、条件が死亡だけのやつは30回死ねば自動で進化だ。
富岳 : 水への適応進化は水中内での死亡30回が条件で、自動で発生する類いだな。意図的に狙わないと無理なやつは任意、そうでないやつは強制だと覚えておくといい。
チャガ : サクラちゃんの場合は、あと28回までなら水中で死んでもセーフ。水中は狙わなくても発生しやすいからな。
G : そこまで行ったら、その時点で他のエリアに設置した再誕の道標でリスポーンして回数リセットはすべきだぞ。
ミナト : そうしないと、雷への適応進化が上書きされて消えちゃうからねー。
「それ、危険ですね!? ……気を付けるようにしておきます!」
窒息で死んでいく早さを考えたら、割と冗談になってない内容だー!? 適応進化でも、任意で出来るものと強制的になるものって違いがあるんだね。
その辺を考えると、さっきは再誕の道標を選ばなくて本当に良かった気がする! ぐぬぬ……やっぱり、ライオンで湖の中を進もうと思うのは無謀なのかな?
「ふぅ、なんとか陸地まで到着です! さてと、現在地はどの辺ですかねー?」
索敵も看破も切れてる状態だったから不安ではあったけど、何かに襲われる事もなく無事に陸地に戻ってきたよ! それじゃランダムリスポーンでどの辺に出たかの確認と、再誕の道標の設置をやっていこー!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます