第434話 威嚇する敵
なんだか、急に威嚇してきている敵が出てきた! どうも索敵の効果範囲に入ってすぐみたいだし、相手の方も『索敵』を持ってるっぽいよね!
わわっ! 近くを他の敵が素通りして、逃げていってるよ! えーと、逃げてる敵のLvは17~19……って、多分この敵はLv20だよね!?
「……これ、無理に戦わないっていうのもありですかねー?」
なんだかかなり好戦的な敵っぽいし、無理に相手しなくてもいいのかも? あ、でもエリアボスの可能性もあるし、流石にスルーはなしかな?
ミナト : ありな選択肢ではあるけど、エリアボスかどうかの確認はしておいた方がいいと思うよ?
こんにゃく : 逃げてる敵のLvを見た感じ、少なくともLv20の個体なのは間違いないしな。
G : この辺りまで移動してくると普通にそのLvの敵は出てくる範囲にはなってるから、エリアボスかは断定できないがな。
サツキ : サクラちゃん、心配なら『再誕の道標』を設置だよ!
いなり寿司 : まぁここに設置はありかもな。
イガイガ : 設置するなら、本格的な交戦に入っていない今のうちだぞ!
「あ、確かに『再誕の道標』の設置はありですね! 大急ぎでそれをやっちゃいましょう!」
今日は1個も『再誕の道標』は手に入れてないし、森林深部では既に設置済みだから上書きする事にはなるけど、万が一の状況に備えての上書き設置をしていこー!
急げ、急げー! アイテム欄を開いて、キノコ型の『再誕の道標』を使用して設置!
「わー! いちいち上書きの確認が出てくるのは面倒ですね!? ここは普通に『はい』ですよ!」
こういう確認は大事なんだろうけど、ゲーム中の時間が止まる訳じゃないんだから急いでー! チラッと見たマップでは、地味に威嚇を使ってきてる敵が近付いてきてるっぽいし!
「ちゃんと設置が始まりましたね! ふぅ、とりあえずこれで戦闘に集中出来ます!」
いつもの演出がありながらの『再誕の道標』の設置だけど、今回は見てる余裕はなさそうだしね! それにしても、逃げていく敵が多い……。
「あー! 『迅速なトカゲ』がいました! 『放電』『放電』『放電』! やった、麻痺しましたね!」
ふっふっふ、私以外の何かから逃げてる状態だったから、逃げている方向が分かりやすくて放電が当てやすかったよ! ……2発外したけど、当たった1発で麻痺は運が良いね!
ふふーん、ここで麻痺になってくれるとはラッキー! それじゃ美味しい経験値、いただきます!
「死んでもらいます! 『強牙』!」
Lv19のトカゲだから、経験値は相当美味しいはず! もしエリアボスと戦うのなら、Lv差は可能な限りない方がいいもんね! 麻痺しているトカゲに近付いてガブっと!
<成熟体を撃破しました>
<進化ポイントを2獲得しました>
<サクラ【巧妙なライオン【雷】】が成熟体:Lv18に上がりました>
<基礎ステータスが上昇します>
<進化ポイントを4獲得しました>
<サクラ【巧妙なライオン【雷】】が成熟体:Lv19に上がりました>
<基礎ステータスが上昇します>
<進化ポイントを4獲得しました>
「やった! Lv19まで上がりましたよ!」
ふっふっふ、これでこの森林深部の上限Lvだと思うLv20まであとLv1! この襲ってきてる敵がもしエリアボスなら、倒し切れればそれでLv20になるかも!
金金金 : 良いタイミングで、美味い敵が出てきたもんだな。
富岳 : 『威嚇』から逃げているから、動きが読みやすい状況なのを見落とさなかったのは良い感じだったな。まぁ当てた1発だけで麻痺を引き当てたのは、相当運が良かった。
ヤツメウナギ : 昨日の妙な運の悪さは、どこかに消えたかー!
神奈月 : 確かに、今日は全然そういう感じはしないよな。
「あはは、確かにそれはそうですねー! さーて、そろそろ姿が見えてきそうなので、気を引き締めていきましょう!」
『再誕の道標』は設置したし、予定外だけどLvも上がった! 後は、近付いてくる敵を仕留めるだけ! それにしても器用系統の可能性があるってミナトさんが言ってた割には近付いてきてるし、それほど脅威でもないのかも?
ミツルギ : あー、いや、多分これは……サクラちゃん、1ヶ所に留まるな!
ミナト : もう狙われてる可能性があるよ! 森の中で『威嚇』を使ってくる、器用系統の敵なら『獅哮衝波』の名前違いの性能のスキルを持ってる種族がいるから!
「……え? それ、溜めながら近付いてきてるって事ですかねー!?」
ぎゃー!? もしそうなら、止まってたらただの的だよ! まだ敵の姿が確認出来てないけど、もしそうなら危険だよね!? わー! 移動しまくって、狙いを付けさせないようにしないと!
金金金 : 慌て始める狐っ娘アバター。そうか、もう既に敵の攻撃は始まっている可能性があるのか。
イガイガ : あー、森の中で出てきてよく似ている性能を持ってる種族はあれか。確かに、この状況ならあり得るよなー。
神楽 : どんな種族なんだろ? 要はサクラちゃんの育成に近い敵って事になるよね?
水無月 : 森にはライオンはいないだろうし、ライオンに近い感じの森にいる種族って事?
チャガ : ネタバレになりかねないから、その辺はサクラちゃんが実際に確認してからだな。あくまで現段階では可能性に過ぎん。
「可能性があるなら、それ相応の対応はした方が良さそうですし……今は、これです! 『疾走』!」
薙ぎ倒した木々の上を駆け抜けていっても一直線だから、今の攻撃の避け方としては意味がないし、まともに止まれなくなるのは欠点! だけど、ちゃんと立っている木を駆け上るのなら問題ないのですよ!
ミツルギ : おっ、そういう避け方か! 確かに高低差は出るし、駆け上る木を離れた場所のに変えていけば狙いは定めにくいし、ありな手段だ!
富岳 : 直接の視認が出来ていない場合だと、高低差を無視した攻撃になりやすいからな。
サツキ : サクラちゃん、ナイス判断!
「ただの思い付きですけど、この手段は正解だったみたいですね! でも、この状況でマップでの敵の位置を確認するのが難しいんですけど!?」
木に駆け上るのに集中しないと、あっさり失敗しそうだもん! 逃げてきている敵の反応は沢山あるし、威嚇での赤い表示は出たままだよね!?
「これって攻撃の瞬間は分かるんですかねー!? 見切りの効果、出て分かります!?」
同じ赤い表示だから、威嚇を使われてると見切りの表示ってどうなるの!? そういうパターンはまだ、1度も遭遇してないから分かんない!
わわっ! そうしてる間に1本目の木を登り終わったから、違う方向にジャンプして着地! 全然別方向の木を駆け上っていくのです!
富岳 : 状況が状況だから、ネタバレは気にせずそのまま教えるぞ! 『威嚇』の発動中での『見切り』の反応は、普段よりも濃い赤で表示される。そして『獅哮衝波』みたいな広範囲攻撃だと、視界が全部真っ赤に染まると思っておけばいい!
ミツルギ : 今の大雑把な見切りだと、その表示された後ではもうほぼ回避は不可な状況だからな! その場合は耐える方に意識を切り替えろ!
「あ、はい! って、見切りに表示されてからだと避けられないんです!?」
ネタバレに関しては今は気にしないけど、サラッと嫌な情報が出てきたよ!? でも、それを気にしてる場合じゃなーい! とりあえず2本目の木を駆け上って終わったから、ジャンプして着地して、そのまま駆け抜ける!
また方向を変えて、今度は3本目の木を駆け上っていくのです! これで相手の狙いが定まってなければいいんだけど……。
ミナト : サクラちゃん、動きが止まったから攻撃が来るよ!
「えっ!? えっと、えっと!?」
ミナトさん、なんでそんなタイミングが分かるんですかねー!? でも、ここから木を駆け上る以外に手段はないよね! だったら、盛大に加速して、一気に木を駆け上るのです!
「わっ!? わわっ!? 本当に攻撃が来ました!?」
ぎゃー!? 森の木々が一直線に吹っ飛んで……駆け上ってる最中の木も吹き飛びそう!? でも、その前に大ジャーンプ! ……わぁ、上から見ると凄まじい破壊の光景!?
「なんとか、ギリギリ回避です! って、着地を忘れちゃ駄目ですよね!?」
駆け上っていた木の幹をズタボロにしながら急加速して大ジャンプしたから直撃は受けずに済んだけど、着地出来なきゃ不利な状況から戦闘になっちゃうもん!
なんとかちゃんと着地して、今の破壊の痕跡の所まで戻るのさー! ……うん、着地成功! ふっふっふ、この辺はなんだかコツを掴んだ気がするよね!
「今の攻撃、使ってたのはオオカミみたいですね! 看破の表示内容までは見る余裕はなかったですけど!」
大ジャンプしてた時に、攻撃の発生源の方は見たもんね! 森にいる、ライオンと似たような手段を持つ種族ってオオカミなんだ! まぁ似たような構成になるのは、何となく分かる気がする!
サツキ : ライオン対オオカミ、本格的に戦闘開始!
ミナト : オオカミが攻撃を仕掛けてきてるから、もう始まってはいるけどねー。
「あはは、確かにそれはそうですね! さーて、オオカミ退治の開始です!」
まだ敵の情報をちゃんと確認出来てはいないけど、なんだか私のライオンに近いような予感もするもんね! まずはちゃんと敵を見て、看破と弱点分析の内容を確認しないと! それに普通の敵か、エリアボスなのかの確認も大事!
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