第435話 襲ってきたオオカミ
オオカミからの獅哮衝波に似た攻撃は、なんとか回避! あれを受けてたらどれだけのダメージがあったのか分からないけど、危険なだけだから試したくはないよね!
「とりあえず、オオカミの情報を確認しに行きましょう! えーと、オオカミは……この赤い印ですね!」
マップの表示の中で、1体だけ動きがあるのが多分オオカミ! まだ威嚇の赤い表示も出てるし、それが出てる方向でもあるもん!
「オオカミは……なんか距離を取ってる感じです?」
もう逃げる敵は逃げ切った後なのか、そもそも反応自体はほぼないよね。全然動いてない反応が離れて3つくらいあるけど、これは動かない木かな?
ミツルギ : あー、距離を取ってるって事は近付かれたくない系統の進化か? いや、実際見てみないと微妙なとこ?
富岳 : 近接攻撃には乏しい可能性はあるが……まぁそこは、弱点分析の内容を見てみないと何とも言えないか。
ミナト : 一応、内容は把握したけど、サクラちゃん、今その情報は必要?
「それって、さっき少しだけ姿が見えた時に確認したんですかねー!? その辺は自分で確認しに行くので、聞かないでおきます!」
相変わらずサラッととんでもない事をしてるよね、ミナトさん!? 確かに何の種族かは分かるくらいに見てはいたけど、看破の情報は私は全然見れてなかったよ!?
咲夜 : さて、今ので看破の情報を確認出来た人? 俺はさっぱり!
イガイガ : オオカミだってくらいしか分からなかった……。
富岳 : 一応どの系統の進化かとエリアボスかどうかは見れたが、それ以上は流石に時間が短すぎて分からん。
チャガ : 俺も同じようなもんだ。
こんにゃく : 今の一瞬で、それだけ確認出来るだけでも凄いもんだ。……ミナトさんは別格過ぎる!
ミナト : え、そう?
「あはは、確かにそんな感じですねー。それにしても、中々距離が縮まらないんですけど!?」
うがー! どんどん離されてる訳じゃないから移動速度は極端には変わらないんだろうけど、だからこそ距離が縮まってない気がするよ!?
そういう風に逃げるのなら、いっそこっちも獅哮衝波で……って、今はまだ再使用時間の真っ最中!? 3段階目で使ったから、再使用時間が地味に長いよ!
「情報は聞かないとは言いましたけど、ちょっと訂正で、エリアボスかどうかだけ教えてもらってもいいですかねー!? もし、エリアボスならここで『大根』を使おうかと思います!」
大根は再使用時間の半減の効果だし、今みたいな時にこそ有効だよね! 普通の敵相手に使うのは勿体ないけど、エリアボス相手なら使う価値はあるはず!
水無月 : あの再使用時間の半減効果って、残ってる再使用時間を半分にするの? それとも最大値の半分が無くなるの? それ次第で、結構状況が変わる気がするよ?
「あ、確かにそれはそうですね! そこも教えていただけると助かります!」
水無月さんが気にした部分って、何気に大事だった! 最大値から半減なら、もう半分は過ぎてるからすぐに使えるようになるけど、ここから半減なら効果は薄めだもん! そこは大事!
それにしても折角、薙ぎ倒している木の道があるのに、オオカミを追いかけて普通に森の中を駆け回ってる状況なのはなんでー!? ぐぬぬ、このオオカミの動き、地味に嫌い!
金金金 : 逃げに徹するオオカミにイラつく狐っ娘アバター。それで、実際に大根の効果の仕様はどっち?
ミツルギ : 最大値から半減の方だな。まぁ大根1本丸かじりする必要があるから、手間がかかる分だけの効果はあるぞ。
G : 現時点の再使用時間を半分に減らすって効果のものもあるにはあるが……まぁそれはサクラちゃんが見つけた時の話だな!
ミナト : 今回のオオカミ、エリアボスだよー! それ以上の情報は伏せておくね?
「あ、今の状態のを半減にするアイテムもあるんですか。まぁそれは今はいいとして、エリアボスで確定なら大根を食べちゃいますね! ミナトさん、情報ありがとうございます!」
という事で、一旦ストップ! 大急ぎで大根を取り出して……うぅ、小振りな大根ではあるけど、生で1本丸かじりじゃないと効果が出ないんだよね……。
レンコンの時にも思ったけど、微妙にこの手の大きめのアイテムは食べるのが大変だよね。でも、今は食べるしかない! 距離を詰めるのに疾走を使うとややこしい事になりそうだし、エリアボスが相手なら使うだけの価値はあるはず! えーい、ガブっといっちゃえ!
「あ、シャキシャキしてて甘みもあって普通に美味しいですね? ただ、ちょっと量が多いですけど!」
下の方から丸かじりしたからもっと辛みがあるかと思ったけど、意外とそうでもなかった! 場所によって甘味や辛味に違いがあったはずだけど、そういう違いは用意されてないっぽい? うん、食感も普通に食べてる時と同じ感じ!
金金金 : 普通に美味そうな表情の狐っ娘アバター。エリアボス戦の最中だという事を忘れるなよー!
神奈月 : オフライン版だと基本的に生で食べる事になるから、生食に向いた部分の味になってるんだっけ?
ミツルギ : 確かそうだったはず。
ミナト : あ、食べる為に止まったら、オオカミの方も止まったね。サクラちゃん、また攻撃を狙ってくる可能性もあるから、そこは要注意だよ!
「あ、はい! 獅子咆哮に相当する……えっと、なんでしたっけ?」
なんか少し前に話題に出て、名前は聞いた気がするけど忘れちゃった! こんなにすぐにそれを使う可能性があるオオカミがエリアボスで出てくるとは思ってなかったもん!
G : 『獅子咆哮』に相当するのは『狼の雄叫び』だな。『獅哮衝波』に相当するのは『狼叫衝波』だっけか?
富岳 : あぁ、それで合っている。この辺は単に種族の名前に合わせた同じスキルだと思っていい。
「はい、分かりました! とりあえず大根は食べ終わり……って、再使用時間を半減したいスキルを選ぶんですか!? まぁ獅哮衝波以外は再使用時間になってないので、1択ですけど……」
どのスキルに効果を反映させるかの選択が出るのって、よく考えたら当たり前だよね! うん、変に戸惑っちゃったけど、迷う余地なーし! という事で、これですぐに獅哮衝波が使えるようになったね!
サツキ : 『獅哮衝波』の使用、解禁! やっちゃえ、サクラちゃん!
「それじゃ近付きながらぶっ放しちゃいましょう! ……って、ちょっと待ってください? 今、もしかして溜めてる可能性もあるんですよね? 普通に距離を詰めるチャンスじゃないです?」
普通にすぐに溜めてぶっ放す気でしたけど、よく考えたらそれって今の状況では必要ない気もしてきた!? オオカミ、今動いてないもん!
もし溜めてる最中なら、近付いてから咆哮でキャンセルして、萎縮にするのも出来るはず!
ミツルギ : まぁ根本的にオオカミはライオンと同じで遠距離攻撃の手段が少ないからなー。今、『狼の雄叫び』の溜めの真っ最中の可能性は大いにある。
ミナト : その辺は、少し距離を詰めてみれば分かるよー!
水無月 : 絶好の攻撃チャンス!?
富岳 : 近接攻撃がどの程度出来るかにもよるが、まぁ近付くチャンスではあるな。
咲夜 : もしや、大根の使用が無駄に!?
「その可能性も出てきた気がしますけど、まぁそうなったらそうなった時です! 出し惜しみをしてる場合でもないですからね!」
エリアボス戦で使うのを躊躇ってたら、いつ使うアイテムだって話ですよ! 貴重な効果のアイテムであっても、使わなければ意味はないのさー!
「それじゃちょっと距離を詰めて……その間に、こっちを溜めておきましょうか! 『放電』!」
それに、まだ獅哮衝波の再使用時間を無くしたのが無駄になるとは限らないもんね! また距離を取られた時に、使える可能性は十分あるもん! エリアボスだから、普通の敵よりもHPは多いしね!
サツキ : サクラちゃん、反撃開始! いっけー!
水無月 : いっけー!
いなり寿司 : さて、どうなるか。おっ、オオカミは動く様子がないな?
G : こりゃ、本格的に溜めに入って動けない状況の可能性が高くなってきたな。
「どうやらそうみたいですね! 溜めが終わるまでに、見える位置まで近付きます!」
ふふーん、それまで放電を溜めておいて、見つけたら即座にぶっ放すのさー! その後、咆哮でキャンセルしちゃえ! そこからどうするかは、オオカミの弱点分析の内容を見てから考えるのです!
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