第409話 今日の配信の準備


 姉さんの暴走は収まってないけど、とりあえず時間に余裕がないという事で帰っていった。見送ってた外だと暑いから、冷房の効いている自室へ退避ー! 兄さんは見送りにはこなかったけど、まぁ何かする事もあるのかも?

 それにしても、なんだか夏休みに遊びに行くのが少し怖くなったんだけど!? 姉さん、我が家の憩いの和室みたいなとんでもないを作ったりしないよね!? 聡さんが止めてくれなきゃ、やりそうだー!?


「むぅ……もうなるようになれー!」


 もう今の時点で色々と想定外だし、あれこれ考えてもどうしようもないよ! ここは聡さんはしっかりと止めてくれる事に期待するしかない! もう今週いっぱいを乗り切れば、すぐに夏休みだし……。


「はっ!? 逆に考えたら、夏休みに入ったばかりなら、流石に姉さんでも時間が足りないかも!」


 うん、我ながら良い考え! ふっふっふ、要は姉さんに十分な作業時間を与えなければ良いだけの話だもんね! そうと決まれば、姉さんにメッセージを送ろう! 内容は『今週末から夏休みだし、すぐに遊びに行っていい?』で!

 今日が月曜だし、金曜は終業式だけだから昼には家まで帰ってこれるだろうから、そこから姉さんの住んでるマンションまで行けばいいもんね! 県外に出る事になるし、行った事はない場所だけど、住所は聞いてるから携帯端末のナビ機能と電車を使えば問題なーし!


「わっ!? もう返事が来たよ!」


 相変わらず姉さんは返信が早い! まぁ助手席に座ってるだけだから、暇なのかもしれないけどねー。とりあえず内容確認!

 えーと、『やっぱり寂しいの、美咲ちゃん!? お姉ちゃんとしてはいつでも大歓迎だけど、聡さんと相談してになるから日程に関しては少し時間を頂戴!』ってなってるね。……姉さん的にはいつでもいいんだ?


「というか、そんなに寂しがってはないよ!?」


 全く寂しさがない訳じゃないけど、そこまで劇的なものじゃなーい! どちらかというと、姉さんの暴走を防ぐ為に早めに行こうと……あれ? それなら、単純に行くのを止めればいいだけ……? うーん、まぁその辺は気にしない!


「とりあえず、『了解です!』っと!」


 そういや何日間、遊びに行くとかも決めないとねー。この辺はお父さんやお母さんとも相談が必要かも? あ、外から車が止まった音がした! これはいいタイミングで帰ってきたのかも!

 ちょっとお父さんとお母さんに、夏休みになったら姉さんの所に遊びに行っていいかきいてこよっと! 交通費は投げ銭と広告収入を使えば、なんとか行けるはず! 流石に距離があるから、家まで車で迎えに来てもらうのは悪いもんねー!


「お父さんとお母さん、ちょっと相談!」


 どこの誰とも分からない相手の所に行く訳じゃないんだし、夏休みに行くんだから駄目だと言われる事はないだろうけど、相談は大事! 勝手に決めてから言うよりも、先に相談しておいた方がいいよね!



 ◇ ◇ ◇



 ふふーん、お父さんとお母さんからの、姉さんの所へ遊びに行く許可は得た! 今はまだ14時くらいだし、ちょっと調べものー! すなわち、姉さんの住んでいるマンションまでの経路と、運賃の確認!

 えーと、予算の確認からやっていこー! 換金出来る投げ銭は……おぉ、1万円くらいはあった! でも、ここから運営さんに3割引かれるし、これで足りるかなー? よーし、それじゃ広告収入の方を……やり方が分かんないから、兄さん謹製マニュアルを見ながらやっていこー!


「……むぅ、広告収入の方は月末になって金額が確定になってからじゃないと、お金に変えられないんだ」


 広告収入の方は3割引かれる事はないみたいだけど、逆にすぐにはお金に出来ない制限があったのですよ……。というか、兄さんの謹製マニュアルによれば、広告収入の方は3割引かれないのは、元々引いた後の金額になってるからって事だったー! うん、結局運営さんにお金を取られてる部分は変わらなかったよ!


「まぁ無料で使わせてもらってるんだし、この辺は仕方ないのかな?」


 というか、そういえばこういう配信動画って基本的には無料だよね!? ゲームで基本無料は無くなったって話なのに、この辺は無料なのはなんでだろ? うーん、この3割ほど引かれるのが支えてるのかも!


「ん-、まぁいいや! さーて、次はいくらかかるか調べていこー!」


 投げ銭以外でも多少はお金は持ってるし、いざとなればお年玉貯金から出していくのですよ! 多分、姉さんが出すって言ってきそうだけど、それは今回は受け取らない方向で!



 ◇ ◇ ◇



 色々と調べてたら、姉さんの住んでいるマンションは駅からは近かった! 1回乗り換えは必要そうだけど、往復1万円でなんとか足りそう! 片道、2時間半くらい? あ、駅までの移動時間とか待ち時間を含めたらもうちょっとかも?


「あ、もう17時半を過ぎてるよ!?」


 わー!? 電車以外にもバスの料金とか、姉さんの住んでるマンションの周辺とか調べてたら、いつの間にか結構な時間が経ってた! うーん、まだ日程は確定してないから、切符を買うのはまだでいいや! 調べるのはとりあえずここまで!


 えーと、姉さんに確認してもらいならが作った湯飲みのデータを、今日はちゃんと自力で移していこうっと! サイコロ用の笊の時にもちゃんと出来たんだから、大丈夫!


「あっ! 聡さんに渡された試飲データの準備と宣伝用の物も用意しなきゃ!?」


 その辺のマニュアルは見送る前に渡してくれたもんね! 姉さんから教えてもらいなら私が湯飲みを作ってる間に、聡さんが大急ぎで作ってくれてたやつ! 配信開始してから用意してたらバタバタするから、配信前に準備しておかなきゃね!


 という事で、湯飲みをデータを読み込めるようにしてから、配信用の和室へフルダイブ開始で! まだ配信はしないように要注意!



 ◇ ◇ ◇



 仮想空間の中の、私の和室へフルダイブ完了! えーと、とりあえず湯飲みのデータを……うん、ちゃんと読み込めてるから取り出してっと! おー、ちゃんと出来てるし、和室にある立派な机には合うね!


「……これ、どこに置いておこう?」


 その辺、全然考えてなかったー!? うぅ……机の上に無造作に置いておく? 飲みかけって訳でもないのに、なんかそれは違う気がする!?


「あ、急須やおぼんも作っておくんだった!?」


 うがー! その辺の事は全然考えてなくて、完全にやらかしたのですよ!? 今から作ろうと思っても……もうそんな時間はないですよねー!? うぅ、お茶菓子入れとかもあった方が良かったのかも……。

 うぅ……姉さんの作ったあっちの和室には全部揃ってるから、こっちの和室に足りてないものを全然考えてなかったよ!? マグカップの代わりって意識しかなかったのです……。


「はっ!? この際仕方ないし、デフォルトで用意されてるので使えそうなのはないかな!?」


 そうと決まれば、大急ぎで確認だー! えーと、小物、小物っと……あ、木目のおぼんは発見! なんか木目のテクスチャを貼り付けただけな気がするけど、間に合わせだから今はこれで良し! 近いうちに作り直すのですよ!

 それで急須は……湯飲みがなかったのに、和風な急須がある訳なかったよ! 紅茶用のガラスのティーポットはあるけど、これはなんか違う!


 むぅ、別に無くても湯飲みだけあればお茶自体は飲めるし、今日はもう湯飲みはどこからともなく出現って形にしちゃう? サイコロを持ってくる時みたいに箪笥から取り出す風に見せて、実際はその場で出す感じで!


「うん、今日はそうしよう!」


 という事で、なんか作りが雑な気がするおぼんも無しで! この辺のセットは、早めに作っちゃおう! さーて、もうそんなに配信開始までの時間がないから、準備を急げー!


 次はお茶の提供先の『皐月堂』さんのホームページを見れるようにしないとね! この辺の設置手順自体は、聡さんがマニュアルにまとめてくれてるけど、やってる事はお煎餅の時にやってた事そのままだった!

 えーと、横に広げる巻き物を用意して、そこに聡さんが用意してくれた文章を貼り付けて……うん、『近日販売予定のお茶です。詳細はこちら! 提供:米菓専門店【皐月堂】』ってなってるし、ちゃんとホームページも見に行けるようになった!


 この巻き物を設置するのは、私の頭上の部分! 浮くもんね、この巻き物! あ、湯飲みは一度取り消して……ん-、別に取り消さずに普通に箪笥の中に置いておけばいいや!

 どうせ取り出すんだし、消す意味がなかったね! 消すのは手に持ってるマニュアルだねー! うん、これで問題なし!


 よーし、準備は完了! もうすぐ17時50分だから、配信開始なのですよ! 開始ボタンをポチっとね!


<配信を開始しますか?>


 えーと、今回は12回目かな? だから、【初見プレイ】Monsters Evolve part.12になるね! さてと、宣伝ありなのは初の試みだけど……『皐月堂』さんだと初と言えるのかな? というか、お茶請けとしてお煎餅が欲しい気もする!

 でも、受け取ってる試食データはお茶のだけだから、その辺は無理だよねー。うーん、そこは残念……。まぁいいや、とりあえず配信開始だー!


サクラ☆モンエボ実況配信中! #***

 18時から第12回の配信をやっていきますよー!


 配信会場はこちら!

 【初見プレイ】Monsters Evolve part.12

 URL:*tp://***


 今回は、森林深部エリアの探索からスタートです!

 ちょっとした宣伝もありですよー!


 コメント【0】拡散【0】いいね【0】


 宣伝なのは言っても良いって話だから、もう通知の段階で書いちゃうのですよ! さーて、今日も配信プレイを頑張っていこー! まぁとりあえず10分は待機だけど!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る