第357話 更なる強化


 さっきの戦闘で『衝撃凝縮』の注意点は分かったし、マップも解放になったし、どんどんとLvを上げていこー! ふっふっふ、それなりに進んできたこの場所なら、多少の無茶はしても大丈夫なはず!


「あ、夜明けが始まりましたねー! ……もう配信時間は残り30分ってとこですかー」


 思った以上に、いつもよりも全然進んでない今日の配信! まぁ色々といつもと違う事があったし、その辺は仕方ないよね。


ミツルギ : あー、もうそんな時間か。

いなり寿司 : やっぱり今日は色々とあったから、エリアボスの討伐までは厳しそうだな。

咲夜 : どう考えてもLvが足りてないしなー!


「まだ私のライオン、Lv3ですもんね。未成体の時よりもLvの区切りが下がってるとも思えないので、最低でもLv8はありそうですし!」


 Lv8刻みだったのは未成体の後半だったから、成熟体の今ならもう少し幅はありそう! 区切りが良さそうなのは、Lv10刻みかな? うーん、でも一定の法則ではないみたいだし、そこら辺は要注意!


金金金 : 成熟体からの変化が分からんが、まぁ最低でもLvは倍以上か。Lv4差程度と考えるか、倍以上と考えるか、悩ましいとこだが……。

神奈月 : 今のサクラちゃんなら今の段階にしては大量の進化ポイントを持ってる訳だし、そのくらいのLv差なら埋められるか?

ミツルギ : まぁノーマル以降なら、そのくらいのLv差は当たり前にあるからなー。ただ、Lv差がある相手と戦うなら、堅牢を上げてダメージ量を下げるか、俊敏を上げて回避しやすくしといた方が良いとは思うぞ。

富岳 : 生命のスキルツリーを解放して、被弾前提で回復していくのを優先するのもありだな。

ミナト : 全て躱しちゃえばいいんだよー!

咲夜 : ミナトさんのは現実的じゃないから、参考にはならん!

G : いや、遠距離攻撃がどんどん強くなってるサクラちゃんなら、ヒットアンドアウェイでの戦闘方法はありじゃね? 近接で全て避けようってのは、流石に無茶だが。

咲夜 : あ、そういえば確かに?


「確かにかなり遠距離攻撃が良くなってきてますもんねー!」


 でも、縄張りを使おうと思ったら、流石に遠距離だけで全てをどうにかするのは厳しいかも? 敵にだって遠距離攻撃をしてくるのはいるんだし、同時に何体か同時に相手出来るだけのHPと堅牢は欲しい!

 今までの乱戦での死因は、雷纏いの効果が切れた後に対処し切れなくなっての死亡だもんね! 元のHPや堅牢を上げてしまえば縄張りで1.5倍に強化されるんだし、雷纏いの効果時間が伸びたとはいえ、それで安全性は増すはず! 知恵系統の敵を真っ先に倒すのは、今までと何も変わらないけど!


金金金 : ん? 何かを決意したような狐っ娘アバター。何を決意した?

咲夜 : もしかして、本格的に堅牢を上げる事にしたか!?


「あ、はい! そのつもりですね! どうせならアルマジロに使われた『堅守の構え』とやらも使いたい気分です!」


 今パッと思いついたのは、雷纏いを使いながら『堅守の構え』で威力の強化! 縄張りで敵を引き寄せて、自ら麻痺されに突っ込んできてもらうのですよ!

 そこから構えてる間に受けたダメージ分の強化効果を得て、一気に殲滅! うふふ、これは出来そうな予感! その為にも、まずは『堅守の構え』自体が必要だよね!


ミツルギ : なるほど、『堅守の構え』での強化効果狙いか。

こんにゃく : 今のスキル構成を考えたら、結構面白い事になりそうな予感。

富岳 : ふむ……確かに『縄張り』とのコンボが成立する組み合わせではあるな。上手くいくかは実行する時の運次第にはなるが……。


「富岳さんが考えてる手段と同じかは分かりませんけど、私なりに考えてみたのはありますよー! という事で、実際に使えるようにやってみましょう! とりあえず『堅守の構え』まで解放しちゃいますねー!」


 何にしても、まずは『堅守の構え』がなければ成立しないもんね! 縄張りで強化するつもりだけど、耐えてる間に死なないだけのHPも必要! その辺を優先的に解放していこー!

 という事で、堅牢のスキルツリーを表示! えーと、『堅守の構え』は第7段階のスキルだから、そこまでの第4段階から第6段階までを解放していかなきゃね! ステータスの解放が多いルートだから、補いにはなるはず!


<『堅牢』第4段階:スキル『踏ん張り』を解放しました>


 進化ポイントを7使って解放なのですよ! これで残り進化ポイントは137だから、まだまだいける!

 それで、確かこのスキルは地面に足が付いていたら吹っ飛ばされにくくなるスキル! って、あれ? そうなると、あの時のってどうなるんだろ? うーん、ちょっと聞いてみよ!


「ちょっと質問なんですけど、このスキルって少し前に戦ったトカゲに脚を掬ってくるような体当たり攻撃に有効だったりします?」


 あの時は踏ん張ろうとはしたけど、耐えられなくてバランスを崩した感じだもんね。あの攻撃自体に、そういう効果があったりするのかな?


いなり寿司 : あー、あれも一応は吹き飛ばし効果だっけ?

こんにゃく : 判定としては吹き飛ばし効果だったはず?

ミツルギ : スキルとして『吹き飛ばし』を持ってれば、体当たり系の攻撃には全て判定が出るし、体勢を崩す類のものにはほぼかかってる効果だと考えていいぞ。

ミナト : 種族の大きさやスキルの威力次第で、吹き飛ばしの効果量自体が変わってくるけどね。まぁこの辺は質量的な部分での変化だから、あのサイズのトカゲにしては頑張って吹き飛ばしたものだよ。


「あ、種族の大きさの違いも影響してくるんですね! まぁ小さなトカゲに、盛大に吹っ飛ばされるとびっくりしそうですけど!」


 そっか、そっか! 大きさが影響してくるのは、よく考えたら普通に納得! トカゲがライオンに体当たりして転ばせるだけでも、とんでもない事だもん! ダメージもしっかりと受けてたし!


G : ふっ、サクラちゃん、甘いな。小型種族でも、本当に極めた体当たり攻撃はあんなもんじゃねぇ!

チャガ : まぁあれは連撃だったから控えめな部分もあったからな。小型種族でも、溜めでの体当たり攻撃なら……ライオンだろうが、容赦なく吹っ飛ぶぞ?

ミツルギ : 『踏ん張り』は高確率で吹っ飛ばし効果を防ぐけど、確定で吹っ飛ばし効果を持ってるスキルもあるからなー。その手のは防げないから注意。


「……え? そんな確定効果もあるんです? ……あはは、それは要注意ですねー」


 まさかのライオンでも吹っ飛ばされる事があるみたいだったー!? でも、それ以外は高確率で防げるようになったみたいだから、そこは気にしない! あのトカゲみたいな転ばされ方を高確率で防げるなら、それで効果としては充分なのですよ!


「さーて、それじゃ次は第5段階と第6段階のステータスの解放ですねー!」


 ふふーん、これで多少は低い堅牢を補えるはず! という事で、サクッと解放だー!


<『堅牢』第5段階:ステータス強化『堅牢+10』を解放しました>

<『堅牢』第6段階:ステータス強化『堅牢+10』を解放しました>


 第5段階の解放に進化ポイント10、第6段階の解放に進化ポイント15を使用で、残りの進化ポイントは112! 300あった進化ポイントも、もう3分の1まで減ったんだねー。

 ガッツリと使い始めたら、本当にあっという間に無くなっていくのです! ……これでもまだまだ解放出来てない部分の方が多いんだから、何を解放するかって大事!


「えっと、これで堅牢のステータスはいくつになりましたかねー?」


 ステータスとしては20増えたけど、それでもまだ足りてない気がする! とりあえずステータス画面を見てみて、今の堅牢のステータスの値を確認だー!


「おぉ! 堅牢のステータスは188まで上がりました! でも、他は200を超えてるので、まだ一番低いままですね……」


 むぅ、かなりマシにはなった気はするけど、それでもこれなんだねー。うーん、とりあえず『堅守の構え』まで解放し切ってから、残った進化ポイントで更にステータスを解放するかどうかを考えよー!

 生命のスキルツリーを解放してHPの回復用のスキルも解放したいけど、近接攻撃向けに屈強や俊敏の方も解放していきたいんだけどなー。……進化ポイント300あっても、全然足りません!


咲夜 : 他と比べると低いっていう気持ちは分かる!

ミツルギ : ライオンの堅牢は、狙っていかないと上がりにくいからなー。ライオンとして見るなら、屈強や俊敏が低すぎるとも言えるんだが……。

ミナト : 現状、種族として上がりやすいから上がってるだけだしね。解放状態としては、堅牢の方が上回ったよ?


「あ、言われてみればそうなるんですか! 確かにそうなりますよね!」


 そっか、屈強と俊敏はライオンとして伸びやすいステータスに任せたままの育ち方だもんね。うーん、そう考えると堅牢のステータスはこれくらいにして、他に回した方がいい?


「……とりあえず目的のものを先に解放しましょう!」


 他の事を悩むのはそれからで! という事で、堅牢のスキルツリーに戻って、解放だー!


<『堅牢』第7段階:スキル『堅守の構え』を解放しました>


 第7段階の解放で進化ポイントを20使って、残り進化ポイントは92! さーて、ここから残りの進化ポイントをどういう風に使っていこうかなー?

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