第345話 今すぐではないけども


 今日は進化をやったり、その後の確認とかをやってたから仕方ないけど、時間が経つのが早いのです!


「もうすぐ、今日の配信時間は半分を過ぎましたねー。むぅ、この調子で今日はこのエリアをクリア出来るのか不安になってきました……」


ミツルギ : 今回は適応進化の維持で手順が多かったのもあったし、状況的にある程度は仕方ないって。

ミナト : サクラちゃん、別にクリア期限を決めなくても問題はないんだよ?

こんにゃく : そもそもエリアごとのクリアの概念は、モンエボには特にないんだけどな。

富岳 : 倒せさえするなら、今のエリアはスルーしてどんどん次のエリアに進んで問題もないからな。

サツキ : 別にエリアボスを倒す必要はないからねー! 見つけられない事だってあるし!


「あ、そういえばそうでしたっけ!?」


 そっか、エリアボスは倒さなくても良いって話だったもんね。そういえば、エリアごとの敵のLvの区切りも変わってる可能性もあるし、変に焦って動くよりは今日はのんびり進めるのが良いのかな?


「んー、それなら今日はもう行く先だけ決めて、進化ポイント稼ぎといきましょうか! それで『弱点分析』を解放していきましょう!」


 ふふーん、今日の予定はそれで決定! 1エリアにどのくらいのLvまでの敵が出てくるかの確認もしておきたいし、今回の配信中に山麓エリアを出れなくても問題なしって事で!


ミツルギ : それで良いと思うぞー!

サツキ : 今日の方針、決定!

咲夜 : そういや、サイコロタイムは? やろうとしてて、そのままになってるような?

G : あ、そういやそうか。

水無月 : すっかり忘れてたー!?


「あはは、そういえばそうでしたねー! それじゃサイコロタイムにしましょう!」


 敵が出てきてたからすっかり忘れ去ってたよ!考えてたのは北に見えてる森か、南に見えてる森か、どっちに行くかだったよね。あっ、あの時考えてたのはそれで合ってるはずだけど、次のエリアについてじゃなかった!?


「えっと、ここから次のエリアに進むとしたら……話題に出てた南の山エリアか、東のエリアですね!」


 北はお煎餅の丘に繋がってるみたいだし、西は元々私がやってきた高原エリアだもん! 次に進むエリアとして決めるなら、この2択! 途中で死んで遠くなったり、近くなったりする可能性もあるとかは考えない!


「……そういえば、高原エリアの名前を変えてないような気もします?」


 よく考えたら、そっちもまだだったー!? むぅ、こっちも無理に変える必要もないとこだけど、ここまで全部名前を変えてきたんだから、そこもやっておきたいよね。


神奈月 : いつもやってる事で、今日は出来てない事が結構あるなー。

イガイガ : まぁ今日は進化があったからなー。

咲夜 : 今いる場所は、高原エリアと比べて極端に景色が変わらないってのもありそう?

ミナト : そこはかなり景色は違うよ!? 木の量が違うから!

富岳 : ミナトさんは、そういう話になると雰囲気が変わるよなー。流石はサファリ系プレイヤー。


「あはは、確かにそういうとこはありますよねー! えっと、とりあえず先にサイコロで進む先を決めますねー! 高原エリアの名前変更はその後で!」


 という事で、手早く和室の方へ切り替えなのですよ! ふふーん、新しいホームサーバーでの、初のサイコロタイム! まぁ体感的にはほぼ変わらないけど、ほんの少しだけ切り替えがスムーズだよね!


サツキ : 新ホームサーバーでの和室! 見た目は特に変わらない!

ミツルギ : 配信早々は、思いっきり変わってたけどなー!

ミナト : あはは、まぁそれは確かにねー。それにしても、見事にそのままだね? 前の設定、そのままコピーして移植した感じかな?


「えっと、その辺はよく分からないです? 私は何もしてないんですよねー」


 ほぼ全て兄さんがやったし、具体的に何をやったのかはさっぱり不明なのですよ! でも、今までと同じ感覚で使えてるのはありがたいよねー! 操作のデザインが前と違うのが少し違和感があるけど、それもすぐに調整するって話だったし!


「まぁその辺りの話は良く分からないので置いておいて、早速サイコロを振っていきましょう!」


 という事で、立ち上がってからいつものようにサイコロを取りに行くのです! 箪笥を開いて……って、あれ? なんだか端の方に見覚えのない封筒があるけど、こんなのは出した覚えはないよ……?

 一応サイコロを取り出して机まで戻ってきて、封筒を見てみるけど……外には何も記載はなし? 冗談抜きで、これなーに?


金金金 : なんだ、その封筒?

G : 謎な封筒、登場。

ミツルギ : うーん、なんとなく誰の仕業かは予想が出来る。

ミナト : あはは、まぁ確かにねー。


「あの……これってサツキさんの仕業ですかねー?」


 私が何かを置き忘れてそのまま……という事はないはず! 今日の配信開始前に姉さんと一緒にフルダイブしてくるまで、この和室は用意してなかったもん! 兄さんが何かをしたという可能性もあるにはあるけど、それ以上に疑わしいのは姉さんしかいないもん!

 でも、箪笥の中をチェックした時には無かったはず? ちょっとズレた位置にあったし、慌ててたから見落としちゃってたのかな?


サツキ : せめてそこは中を読んでから言って欲しかったなぁ……。

咲夜 : 犯人の自白、いただきましたー!

いなり寿司 : 中に何が書いてあるんだ?


「……なんでしょう? すみませんけど、ちょっと時間をもらいますねー!」


 姉さんが仕込んでいたのは確定したけど、その狙いが分かんないなー? 和室を見たいって言ってたのは、こういうのを仕込むためだったの?

 目的が分からないけど……とりあえず見てみようっと。姉さんから私宛なのは確定したんだし、封筒を開けて中身を確認! えっと、紙が2枚入ってる? 上にある方から見てみよっと。


「えっと……『お姉ちゃん、参上!』って、わざわざ仕込んだ上で何を書いてるんですかねー!?」


 どうしようもないくらい、しょうもない内容だった! こんなのを読ませるために変な仕込みをしないでー!? ……ちょっと怒ってもいいですかねー?


金金金 : おぉ、虚ろになっていく狐っ娘アバターの目……。うん、気持ちは分かる。

ミツルギ : まぁ……うん。これはなんと言ったらいいのやら……。

いなり寿司 : ……何をやってるんだか。

富岳 : サツキさん、悪ふざけは程々にしないと、本当に嫌われるぞ?

ミナト : サクラちゃん、気を取り直してサイコロにいこう? ね?


「……はい、そうします。サツキさん、配信が終わったら少し話しましょうねー?」


 今日の配信開始の時にミスをしたのは私の方だから、そのまま居座ろうをしたのは気にせずにいようと思ったんだけどなー。色々今日は姉さんに教わってたし……なんか、もの凄く残念な気分。


サツキ : 待って!? サクラちゃん、待って!? もう1枚の方も見て!? 1枚目の方は悪ふざけをしちゃったのは謝るから、そっちを見てー!?


「……そういえば、もう1枚ありましたね。こっちにはどんなふざけた……って、えっ!? これ、モンエボの難易度ヘルのダウンロードコンテンツのギフトコードじゃないですか!?」


 わわっ!? まさかのものだったー!? まだ難易度選択は出来ないけど、なんでこれを姉さんが用意してるの!? 難易度選択が出来るようになったら、皆さんから貰った投げ銭の中から買ってみようって思ってたんだけど!?


ミツルギ : あー、なるほど、そういうやつか。

G : まさかの難易度ヘルかー。ダウンロードコンテンツって、ギフトで送れるんだな。

ミナト : その辺はリアルでの繋がりがないと割と厳しいけど……姉妹ならどうとでもなる範囲だね。

神奈月 : 俺らじゃ無理だが、サツキさんなら出来る話か。でも、なんでまた?

サツキ : サクラちゃん、私からの投げ銭は受け取ってくれないから……。でも、難易度選択が出来るようになったら自分で買うつもりみたいだし、これくらいなら受け取ってくれるかなって……。


 むぅ……そういう風に言われて、こういう風に用意されたら怒れないよ……。ホームサーバーの買い替えにお金を出してくれたり、帰ってくる時にお土産を用意してくれたり、それだけでも相当感謝してるんだけどなぁ……。

 後で話す内容はその辺にして、今日は姉さんに思いっきり甘えてしまっても良いのかも! うん、それで決定!


「……まだ使えるのは先になりますけど、ありがたく使わせてもらいますね! サツキさん、ありがとうございます!」


 1枚目は本当に余計な事だったけど、姉さんなりのサプライズだったんだね。すぐに使えないのが残念だけど、そのうち使えるようになったら絶対にやらなきゃ!

 多分、私じゃ絶対にクリア出来ないと思うけど、それはそれでありだよね! 思う存分、死にまくる配信ってのもありなのですよ!


サツキ : やった、受け取ってくれた! サクラちゃん、これからも配信を頑張ってね! それを使える時を待ってるからねー!

いなり寿司 : なるほど、サツキさんなりの激励かー。

ミツルギ : まぁモンエボには他にダウンロードコンテンツはないもんな。あればそれでも良かったんだろうけど。

咲夜 : サクラちゃんのヘルでの死にまくりプレイ、確定?

神奈月 : まだまだ先だろうけど、それはそれで楽しみだな。


「はい、頑張っていきますよー! 死にまくりプレイ、上等じゃないですか!」


 イージーの今でも死ぬことは多いけども! でも、こういう形で姉さんから貰ったんだから、ちゃんと配信でそれはやらなきゃ駄目なのさー!

 ふっふっふ、死にまくるなんてどのゲームでもいつもの事! それが楽しみとして見られるのなら、それはそれでありだよね!


――――――

次話から隔日更新に変わって、次の更新は5日になります。

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