第340話 敵の種類の確認


 うふふ、討伐時に貰える進化ポイントが増えた! これで色々と解放しやすくなるし、マップの解放も目指しつつ、敵の撃破もしていこー!


「それでは改めて出発です! 『見切り』『看破』『疾走』!」


 この辺はセットで発動する事が多いよねー! さっき見かけた『旺盛なヘビ』はどこかに隠れたのか見えなくなっちゃったけど、次の敵を探しにいこー!

 今いる辺りは草が生い茂ってる場所だから、どうも小型な種族が多いっぽい感じ! この辺は高原エリアと同じ特徴だよね!


「今いる場所はあんまり高原エリアと変わり映えがしないので、何か違う場所に出たいですねー! ちょっと見えてる森の方に向かってみましょうかねー?」


 森が見えてるのは、北の方と南の方! どっちに向かって進もうかなー? 北はあれだよね、お煎餅の丘に繋がってる部分! 南は話題に出てた山エリア! 完全に未知なのは、このまま真っすぐ進んだ更に東のエリアのみ!


サツキ : どうせなら、今日はもう初めから進む方向を決めちゃう?

咲夜 : あ、それもありか!

水無月 : 最初に決めておくのはありだね!

いなり寿司 : あー、そういうつもりで動いていくってのもありではあるな。


「なるほど、そういう手がありましたか! それは良さそうな気がします……けど、その前に敵が出てきたのでこっちが先です! 急停止からの『咆哮』です!」


 見えてきた敵は、成熟体Lv1の『頑強なアルマジロ』! 見切りには反応がないから、私からの先制攻撃がいけそう! ズサッと止まりつつ……うん、ちゃんと萎縮になってくれた!


「ふっふっふ、手早く仕留めてサイコロタイムといきましょう! 『放電』『放電』『放電』!」


 まだ距離があったから、疾走ではない状態で駆け寄りながら放電を連発! ……思ったよりも、HPの減り方が悪いね?

 うーん、『頑強な』って屈強系統なんだと思ったんだけど、このダメージの通りの悪さは違う気がする? この辺は確認しておかないといけないやつだね!


「あのー、『頑強な』は屈強系統かと思ったんですけど、実は違ったりします? 『放電』『放電』『放電』!」


 これだけ放電を当てても、まだ2割しか削れてない! 生命系統は『旺盛な』だという事は分かってるから、HPが多い訳じゃないよね? これは……多分だけど、堅牢系統?


ミツルギ : あー、これはもう言っちゃってもいいやつ?

イガイガ : サクラちゃん、ネタバレOKか!? そこを聞かないと答えようがない!


「あ、はい! 予想自体は出来てるので、そこは問題なしです! 多分、このアルマジロは堅牢系統ですよね!?」


 ここは私が自分の予想を口に出して、それに答えてもらうって形の方がいいみたい! そうじゃないと微妙にネタバレ案件になっちゃうもんね! 自分で確認していきたいって言ったんだから尚更に!


「距離は詰めましたよ! 『強牙』『噛みつき』!」


 多少知恵は上がったけど、今の萎縮がどの程度の効果時間があるかが分からないから、今のうちにともかく攻撃出来るだけ攻撃していくのさー! 予想通りの堅牢系統なら、耐久戦に持ち込まれる前に可能な限り削るのです!


ミツルギ : よし、そこまで予想出来てるなら問題ないな! その予想は大当たりだ!

イガイガ : 成熟体の堅牢系統は『頑強な』になるぞ!

金金金 : 字面的には屈強系統としても考えられるけど、確かに言葉の意味合い的に堅牢系統でも間違いはないか。

咲夜 : ここは最初に遭遇した時に、どっちか分からなくて混乱する部分だったりなー!

こんにゃく : そうそう。それぞれに遭遇したらヘルプの項目に増えてはいくんだけど、そこをスルーしたら分かりにくいやつ。

いなり寿司 : というか、サクラちゃんもその辺をスルーしまくってるけどなー!


「……え? あー!? そういえば左下に色々と通知が出るんでした!? わわっ!? 萎縮の効果がもう切れましたね!?」


 まだ噛みついたままで離せないけど、やっぱり少し咆哮での萎縮の時間が短くなってる気がする! いつの間にか存在を忘れてた通知については後回しにして、ともかく今はこのアルマジロの相手が先!


「一応、溜め無しの放電よりは近接攻撃は威力がありますよねー!」


 即座に単独で連発が出来る放電よりも、威力が低いなんて事になったら放電しか使わなくなるもんね! 強牙と噛みつきで、残り6割までは削れた! 今は噛みつきの効果が切れるのを待って――


「わわっ!? 口の中で暴れないでもらえませんかねー!?」


 うぅ! 凄い衝撃が口の中に伝わっていく!? 放せって暴れてるんだろうけど、噛みつきを使った状態だと効果が切れるまでは私の意思でも放せないから! あ、でも効果が切れた!


「放せというなら、放しますよ! でも、こうです! 『振り回し』!」


<『振り回しLv2』が『振り回しLv3』に上がりました>


 振り回しという名の、前脚での踏みつけ! 割となんでもありなこれだけど、スキルLvが上がったのは嬉しいね! いぇーい! って、呑気に考えてる場合じゃなかった!


「次々、行きますよー! 『爪撃』『連爪』! むぅ……身構えですか!」


 うがー! 露骨に一気にダメージ量が減ったんだけど! ぐぬぬ、なんだか反撃は全然受けてないけど、これはこれで厄介だよ!?


神奈月 : 今のこれ、身構えか? その割には、ダメージが入り過ぎた気もするんだけど……。

G : あー、身構えじゃなくてあっちか! 地味に見分けがつかないんだよな、あれ。

ヤツメウナギ : なるほど、頑強なアルマジロなら普通にあれを使ってくる可能性はあるな。

金金金 : あれが分からん!

神楽 : あれってなーに?


「……私もよく分かりません! これ、身構えじゃないなら何なんですかねー?」


 今このアルマジロが使ってきてるスキルが身構えじゃないのなら、ダメージ軽減効果だけじゃない可能性もあるもんね! 多分、ここで皆さんに聞けば教えてもらえるだろうけど……。


「どういう効果かは、自分で確かめます! 『放電』!」


 近くにいたら危険な気もするから、後ろに飛び退きつつ放電で攻撃! うーん? 動かなくなる前の時よりも効きは悪いけど、半分までは削れてない? 身構えならダメージ半減だし、スキルLvが上がって効果が増す事はあっても、効果が減るような事はないはずだよね。


サツキ : サクラちゃん、ファイトー!

富岳 : 自分で確かめたいのなら、そこは見守るとするか。

ミナト : それもそだねー。サクラちゃん、頑張ってー!


「はい! 動かないなら、その時間を有効に使わせてもらいます! 『獅哮衝波』!」


 身構えとは違うけど、この様子は溜めをしている様子には似てる気がするもんね! 見切りにはまだ反応はないけど、獅哮衝波なら見切りで攻撃が出るのが見えてからでも1段階目までなら動けるから回避は可能なはず!


イガイガ : おっ、これは中々良い選択じゃないか?

咲夜 : だよなー!

チャガ : サクラちゃんは、ちょいちょい本当に知らないのかと思うような動きをしてくるよな。まぁ本当に知らないんだろうなって思う事も、よくやってるが……。

神奈月 : それは確かに……。

G : サクラちゃんのあるある行動パターンだな。

こんにゃく : 今更ではあるんだろうけど、地味に不思議なサクラちゃん。


「なんか皆さん、好き勝手な事を言いまくってませんかねー!?」


 私は本当に何も知らずに、その場その場でやってるだけだもん! それを不思議と言われても困るよ!? あ、でも捉えようによっては褒められてもいるよね? うん、そう受け止めよう!


「あ、1段階目の溜めが終わり……って、アルマジロも動き出しましたね。って、なんでアルマジロに『威力上昇【Ⅰ】』なんて効果が付いてるんですかねー!?」


 うがー! 解析略化の表示に、なんでそんな効果が表示されてるの!? 多分さっきまでのスキルの影響なんだろうけど、これってどういう効果!?


「いえ、それは今気にしてる場合じゃないです! 獅哮衝波、発射!」


 アルマジロが動き出そうとしてたから、既に動けない状況になってるし、攻撃するしかない! あ、でも普通に当たって残りHPが1割くらいになったよ? これは攻撃チャーンス!


水無月 : おー! お見事!

ミツルギ : やっぱりサクラちゃんは、この手の狙いを付けるのは上手いよな。

イガイガ : サクラちゃんって、何気に対戦型の銃撃ゲームとか得意なんじゃね?

神奈月 : あー、その辺はどうなんだ? あの手のゲームは、好みも分かれるしなー。

咲夜 : なんとなく、撃たれそうになった時に意図せず転んで緊急回避成功とかいう光景が浮かんだ。

G : それはなんか容易に想像出来るなー!


「えーと、その手のゲームは全然やらないので何とも言えないですね? ともかく、今はこのまま仕留め切ります! 『放電』『放電』『放電』!」


 攻撃チャンスなのも間違いないけど、何かもの凄く嫌な予感がする! だから、今のうちに遠距離から仕留め切る!


「今度こそ身構えですかねー!? でも、それは利用させてもらいますよ! 『放電』!」


 身構えてる間は攻撃はしてこれないから、その間に溜められるだけ溜めておいて、動き出した瞬間で仕留めるのさー! 身構えが解除になる瞬間を狙って……今!


「これでトドメです! 放電、いっけー!」


<成熟体を撃破しました>

<進化ポイントを2獲得しました>


 これで無事にアルマジロの撃破完了! 結局、あの身構えっぽいけど身構えじゃなかったあのスキルの効果は、『威力上昇【Ⅰ】』って効果を得る事でいいのかな?


「自分で確認したかったんですけど、結局あのアルマジロがやってた事って何なんです? なんか強化効果は出てたのは分かるんですけど、それ以上の事がよく分かんないので、教えてもらっていいですか?」


 そこまでは分かったけど、それ以上は謎! というか、実際にどれだけの強化があったのかは攻撃を受けてみるしかなかったけど、普通に倒しちゃった!


金金金 : 不思議そうな狐っ娘アバター。で、実際にどういう効果なんだ?

ミツルギ : ぶっちゃけ、ライオンのスキルツリーにもある内容なんだけどな。


「え、そうなんです!?」


 まさかのライオンにもあるスキルだった!? え、どのスキルで、具体的にどんな効果になるんだろ!? その辺、気になるよ!?

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