第298話 雷雲を目指して
ふふーん、全然考えてなかった事で一気にLvが上がったー! 天然の雷、凄まじい威力! ちょっと失敗して死んだけど、それを差し引いても充分な成果!
「さてと、それじゃまた雷雲の下に戻りましょう! このチャンス、逃す手はないですね!」
雲の中で放電してる様子は見えるし、ゴロゴロと雷が鳴ってるのが聞こえるし、まだ戦えるはず!
サツキ : やっちゃえ、サクラちゃん!
ミツルギ : 絶好に機会だし、逃すのは勿体ないな。
いなり寿司 : 今度は威嚇は使うなよー!
「はい、分かってます! それじゃ出発です! 『疾走』!」
威嚇さえ使ってなければ、もう少し余裕を持って倒しまくれたはずだもんね。今度はそうしないように気を付けて戦うのですよ!
まぁその前に雷雲の下に戻らないと意味がないから、まだ濡れていない今の場所は疾走で駆け抜けていくのさー! 看破が再使用時間の経過待ちになってるけど、今の疾走が切れた時点で再発動すればいいや!
ミナト : サクラちゃん、道中の敵はスルーでいく感じかな?
「あ、はい! いつまでも雷雲が留まってくれてるとも思えないので、敵はスルーしていきます!」
マップの解放がまだだけど、雷雲っていう目印があるもんね! 雲の中で放電しまくってるから、夜で暗くても分かりやすいのがありがたいよ! 雷雲を目指して、駆けていくのさー!
ミナト : それなら、左右のどっちかに迂回してー! 真正面、トリカブトが植わってるから!
咲夜 : あ、マジだ。
こんにゃく : また出たな、最悪の毒持ち種族!
いなり寿司 : プレイ出来ない、凶悪な毒草の1つだよな。
「わっ!? それなら迂回しないとですね!」
とりあえずミナトさんの警告に従って、右に少し回り込んでいく! 看破が使えてない状態だから警告してくれた感じかな? ミナトさん、ありがとう!
でも、それに頼りっぱなしじゃ駄目だから、早めに看破へ切り替えないとね! 再使用時間も過ぎたし、疾走の効果が切れ次第使っていこー! という事で、早く効果時間切れにする為にも急加速!
「トリカブトって、プレイ出来ない種族なんです?」
駆けながら、気になった事を聞いていこー! ちょいちょいそういう種族もいるみたいだけど、その1つなのかな?
ミツルギ : なんでか日本三大毒草のドクウツギ、ドクゼリ、トリカブトの3つは敵としては出てくるけど、操作出来る種族じゃないんだよ。
ミナト : どれも採集物としてはあるんだけどねー! というか、ドクウツギの実ならサクラちゃんも食べてた事はあるしね。
富岳 : 勝手なプレイヤーの間での予想なんだが、草花系の種族は毒を持たない状態での進化もさせられるから、あえて外してあるって推測ではあったな。
咲夜 : そうそう! 変に無害なものと勘違いしたら危ないから、危険な敵として設定してるって話!
「あー、そういう事もあるんですねー!」
確かに日本三大毒草とまで言われてるのなら、本当に危ないものだもんね。そういう所まで配慮が必要なのかって気はしてくるけど、変な勘違いをする人って実際にいるもんねー。
というか、私も食べちゃったもん、ドクウツギの実! あの時はゲームだから良かったけど、リアルだったら大惨事だー! そういう危険性を伝える為にも必要……って、あー!?
「あの毒の実を使う敵も出てくるって事ですか!?」
このパターン的にはそうなるはず! 多分、日本三大毒草の全部が敵のみとして登場するんじゃない?
イガイガ : ドクウツギは出てくるぞー。あの毒の実を投げてくるぞー!
G : ドクゼリとトリカブトは葉っぱで斬ってくるのが多いか。
チャガ : 3つとも才智でなくても絶対に毒は使ってくるから要注意だな。
ミナト : 毒草自体は他にもいるから、他は安全って事じゃないから要注意! スイセンとか、スズランとかねー。
富岳 : その辺の見分け方もあるんだが、進化に絡むネタバレ案件になるな。サクラちゃん、聞くか?
「うーん、気にはなりますけど、そこを聞くのは止めておきます!」
進化に関系してるなら、そこは聞かない方が良い気がするのさー! その内、その辺も選べるようになる気がするし、ネタバレ案件なら無理に聞く必要はなーし!
あ、そうやって走ってる間に疾走の効果が切れた! 雷雲はまだ遠いけど、看破を使って再び出発だー!
「『看破』『疾走』! まだまだ遠いですね、雷雲!」
ミナト : かなり北側にランダムリスポーンしちゃってたのかもね?
G : ミナトさんでも現在地は分からない感じか?
ミナト : あはは、こっちは南側と違って目印が更に少ないからそうなるねー。高原エリアは目印が本当に少ないから、傾斜で北側の方って事くらいしか分からないよー。昼間か、せめて夜でも晴れてたらもう少し見通せて、位置の目安も付けやすいんだけどね。
咲夜 : ミナトさんでも分からない事があるのか!?
いなり寿司 : 正直意外ではあるが、まぁよく考えたらそうだよな。
真実とは何か : 何もかもを把握しているのが当然というのは、真実ではない!
ミナト : そりゃそうだよ! みんな、私を何だと思ってるの!?
「まぁそれはそうですよねー!」
ミナトさんは色々と凄いけど、何でも知ってる完璧超人ではないって事だよね。頼りがいはあるけど、その辺を間違って接したら駄目なとこ! 勝手な決めつけは良くないのです!
「さーて、どんどん急加速して進んでいきましょう!」
段々と曇ってきてはいるけど、まだ雨は降ってないから地面はしっかりしてる! ふっふっふ、これなら走りやすいからどんどんと進んで……って、あれ? むしろ雷雲がこっちに来て雨が降ってくれた方が良いような気もしてきた?
うがー! 考えても仕方ないから、今はともかく雷雲の下を目指して進むのみ! 雨が降ってるとこまで行けば、雷を使った敵の撃破も出来るはず!
「……それにしても、この辺の敵も割とLvは高めですね? やっぱりかなり北の方に飛ばされました?」
看破でざっと通りすがりに見た敵の情報を見た限り、Lv27前後の敵が多いもんね! 入ってきた位置から遠ければ遠いほど敵のLvは高いんだし!
サツキ : そうみたいだねー!
ミナト : うん、Lv帯を合わせて考えたら、そうなるねー! 中央部と北側のエリア端の中間より、ちょっと北寄りくらいかな。
いなり寿司 : ここの高原エリアは北と南は分かりやすいけど、看破の情報が加わればかなり違ってくるな。
「そんな位置関係ですよねー!」
ふふーん、場所としての明確な目印は無いけども、敵のLv帯とか、傾斜の方向とかで色々と推測は出来るんだね! ある意味、森とかで遮蔽物が多いとこでは出来ない推測方法!
うふふ、なんだかんだで私もモンエボのプレイには慣れてきてるのですよ! あ、疾走が切れちゃった。
「流石に急加速を連発してると、効果時間切れが早いですねー」
疾走の再使用時間は短くなってるけど、全くない訳じゃないから少しの間は普通に走るしかないのは仕方ないよね。でも、もっとスキルLvが上がってくれば変わったりするのかな?
ヤツメウナギ : 流石にその辺は仕方ない部分だな。
名無しのカカシ : まぁそんなに疾走の再使用時間は長くないし、そこは大丈夫だろ。
ミツルギ : 確かになー。それにしても、雨の中だと滑ってたけど、今はかなり走りが安定してきたな。
富岳 : 昨日の実況外のプレイで、最後は疾走し続けてたのが大きいのかもな? それで定着し切ってなかった走り方が定着したのかもしれん。
「え、そうなんです!? 全然意識してなかったんですけど……?」
でも、そう言われてみたら前より安定して走れてるような気がしてきた!? 昨日の疾走だけの時間は無駄じゃなかったんだ!
ミナト : 自転車に乗れるようになるのと一緒で、一度身に付いたら出来なくなったりはしないからねー!
サツキ : サクラちゃん、上達したって事だよー!
「えへへ、それは素直に嬉しいですね! でも、自転車に例えられると分かりません!」
乗れないもん、自転車! うーん、夏休みにでも自転車に乗る練習でもしてみようかな? でも、外は暑いし、練習してるとこを人に見られるのもなんか嫌ー!
サツキ : あ、そっか。そういやサクラちゃん、自転車に乗れないままだっけ。
「そうなんですよねー。別に今は不便には感じてないんですけど、乗れる方が良いんですかねー?」
何か欲しい物があれば大体ネット通販で買うし、駅は近いし、スーパーやコンビニも徒歩圏内だもん。小学校、中学校も徒歩通学だったしねー。……中学時代の知り合いには会いたくないから、家の近くで自転車に乗る練習をする気になれないってのもあるんだよね。
「まぁ私が自転車に乗れない事はどっちでもいいですね! さてと、こうやって話してる間に再使用時間が過ぎたくらいですし! それじゃ改めて『疾走』です!」
<『疾走Lv2』が『疾走Lv3』に上がりました>
「あ、疾走のLv が上がりましたよ! これ、どういう変化があるんですかねー?」
ふっふっふ、Lvアップの効果は分からないけど、少し速度が上がった気がする! それ以外に何か他に強化要素があったりするのかな?
ミツルギ : 疾走のLv3での強化は、任意のタイミングでの停止だな。
水無月 : おぉ、そうなんだ!
金金金 : それは便利そうだ。
「おぉ! それはかなり良い強化内容ですね!」
ふっふっふ、それなら今まで出来なかった、疾走からのスキルでの攻撃に移れるという事! これは相当重要な強化内容だね!
ふふーん、嬉しい強化になったし、このままの調子で雷雲の元まで駆けていくのさー! 看破で見えてる邪魔な敵はひたすらスルーでいくのです!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます