第9章 次の進化が近付いてます!

第291話 変な誤解が発生して


「むぅ……やらかした……」


 学校でも、通学中の電車の中でも、家に帰っている今も、昨日の実況外でのプレイに関してSNSへのコメントが結構来てる……。録画を開始して挨拶をしたとこが問題だったみたい。


「……今日で終了だと思われるとか、全然考えてなかったー!」


 はっ!? 周囲には……うん、誰もいない! 今のはちょっと声が大きかったから、その辺は要注意! 変な人として白い目で見られるのは嫌だもん!


 それにしても、みんな誤解し過ぎだよ! 誤解のコメントを見た時に慌てて自分で見返してみたら、確かにホームサーバーの買い替えに関して何も言及してなくて、中途半端にややこしい雰囲気になってたけど! 


「なんか妙に疲れたよ……」


 SNSへの誤解を解くコメント返しに追われる1日だったもん! 明日から3連休だから、気分的にはゆったりできるはずだったのに、なんだか疲れたのですよ!

 実況外のプレイ動画は見てる人の時間帯は本当にバラバラなのがよく分かった! 思った以上にコメントをしてないだけで楽しみに見てくれている人がいるのも分かった! だけど、配信が今日で終わりかどうかの確認をしてくる人の誤解を解いていくが面倒だったー!


「……自業自得なんだろうけどねー」


 うん、本当に自業自得。私だって、自分で言ったら駄目な気はするけど、あれは本当に勘違いする! ただ楽しんでみてる側の時なら、慌てて確認したくなる気持ちも分かる!

 うーん、なんとか今日で終わりじゃないとは説明したけど、ホームサーバーの買い替えってSNSで言っちゃって大丈夫なのかな? どこの家にも大体ある物だし、特に問題はない?

 でも、兄さんのネットを使う上での要注意な点で、あんまり大きな買い物については大々的に発信しないようにって書かれてたもんねー。世の中、どこで誰が見てるか分からないとも書いてたし……。


「わっ、また通知!? あ、今度は姉さんからのメッセージ?」


 流石に通知が次々と来るからSNSの通知はオフにしてたのに、通知が来たからびっくりしたー! SNSじゃなくて、ただ単に姉さんからの普通のメッセージだったよ。

 それにしても、配信のコメントに姉さんが乱入してきてから、姉さんとのメッセージのやり取りは増えたよね。まぁ他の人が見てるSNSじゃ話せない内容もあるからだけど。


「えーと、内容は……って、姉さんもなの!?」


 ちょっと待って! 『今、仕事の区切りがついたから実況外のプレイを見始めたとこなんだけど……ホームサーバーの買い替えになったのに、なんで配信を止めるのー!?』って送ってこられても、それ勘違いだからー!

 うぅ、これは姉さんにはちゃんと説明しておかないと……。駅から家まで歩いて帰ってる間なのに、なんでこんなに暑い中で対応してるんだろ。あーつーいー! いつものコンビニが見えてきたし、あそこで涼みながら姉さんに返信しよう! ついでにアイスを買って帰ろう、そうしよう!



 ◇ ◇ ◇



 コンビニの中に入ると、冷房が効いてて涼しい! はぁ、生き返る! 外の暑さは、もう地獄だよね。暑い夏は嫌いですよ!


「やっぱり暑い日にはアイスだよねー!」


 という事で、まずはアイスの物色から! ……昨日、溶かしちゃったアイスを食べ直しておく? 姉さんに試食データを貰ったアイスも美味しかったけど、こっちのアイスは馴染んだ味で別物って感じもするよね。うーん、どうしよう?


「……先に返信しようっと」


 なんか長々と悩みそうな予感がしたから、姉さんへのメッセージを返そう! 姉さん相手なら全部事情は説明出来るんだし、その辺はしっかりとね! 『姉さんのおかげでホームサーバーの買い替えが確定して、設置の日程が明日の土曜に決まったから、今のホームサーバーで配信するのが今日までで少し寂しくなっただけだよ!』と書いて、姉さんに送信!

 うん、状況としてはこれで間違ってないはず! って、もうメッセージが返ってきた!?


「……姉さんの返信は早いね」


 えーと、内容は『あ、そっか。あのホームサーバーとはお別れなんだ……。そうだよね、買い替えるんだし……』って、何か姉さんまで寂しそうにしてない!?

 でも、姉さんが家にまだいた頃にもずっとあったんだし、それが無くなると思えば寂しくもなるのかも。今まで知ってて、使ってきたものが無くなるって事だもんね……。


 あ、追加で姉さんからメッセージが来た。えーと、どうしたんだろ? とりあえず内容を確認して……『古いホームサーバー、記念に頂戴! 今の我が家に置いておく!』ってなってるね。姉さんが実際にお金を出してくれる事になったんだし、これくらいは良いのかな?

 でも、これは私じゃ答えにくい内容だから、これは兄さん案件! という事で『そこは兄さんに確認してー!』と送っておこう! 私が変に間に入るよりは、その方が確実なはず! あれ? 今度はすぐに返事が来ないね?


「今のうちにアイスを決めちゃおうっと!」


 すぐに兄さんの方に確認を取ってる可能性はありそうだし、そこは姉さんと兄さんで話し合ってください! 多分、よっぽど問題がない限りは兄さんも駄目とは言わないはず!


 えーと、アイスは……特に変わり種のやつは無さそうだね。まぁそんなに高頻度である訳もないよ! うん、少し思考が他に行ってる間に悩むのもどっか行ったから、ここは昨日買ったアイスと同じものを買おう! 今日こそ、溶かさずに食べるのさー!


「あ、そうだ! 冷房を……って、あれ?」


 遠隔で電源を入れようと思っても操作が効かない……? あ、もう冷房の電源が入ってるし、そういえば兄さんに設定を変えられたんだった!?

 それならもう兄さんは家にいる? 昨日は悪気は無かったとはいえ迷惑かけちゃったし、そのお詫びとしてもう1個アイスを買って帰ろうかな? うん、そうしよう!



 ◇ ◇ ◇



 コンビニでアイスを2個買って、再び暑い外を歩いて無事帰宅! なんか店員のお姉さんに微笑まれた気がしたんだけど、あれってなんだったんだろ? うーん、謎だけどまぁいいや! 今日は家の中は涼しいはず! 


「たっだいまー! あぁ、生き返る……!」


 汗が気持ち悪いのは変わらずだけど、そこはシャワーを浴びれば済む話! アイスを食べるのはその後だね。今日は溶かさないように、即座に冷蔵庫の冷凍室へと放り込んでおくのです!


「……あぁ、それで調整して……ん? わざわざ取りに来るのか? 別に宅配便ででも……なるほど。まぁ俺としてはどっちでも構わん」


 台所に行こうと思ったら、リビングで兄さんが誰かと通話中? というか、タイミング的に姉さんだよね、これ! なんか今、取りに来るとか聞こえたよね?

 通話の邪魔しちゃ悪いからこっそりと台所まで移動して、買ってきたアイスを冷蔵庫へ投入! 兄さんには通話が終わってからアイスを渡そう! それじゃ着替えを用意してから、汗を流してしまうのですよ! その後、お楽しみのアイスを食べよー!


「あぁ、分かった。父さんと母さんには後で俺の方から言っておく。まぁ駄目だという理由もないだろ。それじゃ明日な」


 あ、通話が終わったみたいだね。って、姉さんからメッセージが来たー!? えっと……『明日、旦那と一緒に実家にホームサーバーを受け取りに行くよ!』って、やっぱり姉さんが明日来るっぽい! 結構遠いはずなのに、決断が早いね!?

 あれ? なんかまだ続きがあるね? えっと……『追伸 あの無駄な技術の張り紙、制作者はお姉ちゃんなのでした! あそこのコンビニの店長、私の友達だよー!』って、えぇ!? まさかの姉さんが製作者だった!?

 あ、でも姉さんならやりそうだし、やれそうだし……って、実際にやってたよ! はっ!? もしかして今日のコンビニで店員のお姉さんに微笑まれたのは、姉さんの妹だと分かってたから!? ぐぬぬ、本当にどこで誰か見てるか分かんないね!


「……もうそっちに連絡が行ってそうだが、明日姉さんが帰ってくるぞ」

「うん、今そういう内容のメッセージが来た! でも、そんな急に大丈夫なの?」

「無駄に行動が早いな……。まぁ姉さんはフリーランスだから、仕事が立て込んでる状況でなければ時間の都合はどうとでもなるだろ。無理ならあの人が止めるし、止めないなら問題ない」

「おぉ、なるほど!」

「ちなみに明日、明後日と泊まって、月曜に古いホームサーバーを持って帰るそうだ」

「そうなんだ!?」


 まさかの泊りがけでの帰省だったー! まぁ距離がある分だけ移動に時間がかかるし、その辺は仕方ないのかもね。宅配便でも良さそうな気はするけど、折角の3連休だから姉さんが帰ってきたい感じなのかも? 直接会うのはGW以来だー!


「あ、兄さん、昨日のお詫びにアイスを買ってきたよー! 冷蔵庫に入れておいたから、食べてください! 私はシャワーを浴びてくるー!」

「ほう? そういう事ならありがたくいただく……おい、待て! 着替えを忘れんな!」

「はっ!? 忘れかけてた!?」

「……ったく」


 危ない、危ない! まずは自分の部屋まで行ってから、着替えを取ってこないとね! シャワーで汗を流したら、今日は溶けてないアイスを堪能だー!



 ◇ ◇ ◇



 今日は溶かす事なく、アイスは堪能出来た! あの後、兄さんにホームサーバーの買い替えの件をSNSで話して良いかも聞いたけど、問題なしだった! 

 ホームサーバーの買い替えは兄さんがバイトをしてる先での購入で、設置するのも兄さんだから問題なしだと言ってた! この辺の内容を大々的に言わない限りはセーフ判定!

 この状態で個人が特定出来るなら、情報の出所の人が守秘義務違反になるみたい? うん、よく分かんないけど、まぁ大丈夫なら問題ないよね!


 その辺は配信開始の通知と同時に書く事にして、配信開始の時間がやってきた! 


「さーて、今日も頑張ってやっていこー!」


 配信用の和室のVR空間の起動終了! フルダイブ、開始なのさー! そして、手慣れてきたこれを開始です!


<配信を開始しますか?>


 今日は【初見プレイ】Monsters Evolve part.9! それじゃ、このホームサーバーでの最後の配信をやっていこー! 


サクラ☆モンエボ実況配信中! #***

 18時から第9回の配信をやっていきます!


 配信会場はこちら!

 【初見プレイ】Monsters Evolve part.9

 URL:*tp://***


 ホームサーバーの買い替えが決まったので、今のホームサーバーでの配信は今日が最後!

 変に誤解を招いたみたいですみませんでした!


 コメント【0】拡散【0】いいね【0】


 変に心配をかけちゃったから、ここは説明しておかないとね。個別に返信してもきりがないから、これで大丈夫なはず! 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る