第292話 配信前の雑談
さぁ、今日の配信はこれより開始! 今のホームサーバーで配信をするのはこれで最後なのですよ! あれ? でも、この和室のデータってどうなるの……? 私、何かしなくてもいいの?
サツキ : 一番乗りだー! まだまだ続くよ、この配信!
ミナト : サクラちゃん、こんばんはー! いきなり配信終了って事は無いと思ってたけど、ホームサーバーの買い替えなんだね。
咲夜 : あれは焦った! SNSで聞いても、配信終了じゃないですとしか返ってこないしさ。
G : いや、マジで何事かと思った。
ヤツメウナギ : 今のホームサーバーでの配信が最後ってだけなんだな。
水無月 : こんばんはー! びっくりしたよ、もう!
「……あはは、なんか心配かけたみたいですみませんでしたー!」
こういう時は、机に当たらないように少し座る位置をずらしてから、姿勢を正して土下座で謝る! 今回のはどう考えても私が悪いし、自分でも駄目だと思う誤解を生む内容だったもんね。本当にごめんなさい! 自分が悪い事をしたと思ったら謝る、それは大事!
G : そこまでしなくてもいいんだぞ!?
イガイガ : おーっす……って、何事!?
金金金 : いつものように見に来たら、綺麗な土下座をしている狐っ娘アバターがいた。あれか、昨日の実況外のやつ。
水無月 : そうだけど……土下座とかしなくていいよ!?
ミツルギ : 頭を上げてくれ、サクラちゃん。
ミナト : 私達の方が悪い事をしてる気分になってきちゃうから!
咲夜 : 確かにそうだ!?
「はっ!? それは駄目ですね!」
そういう言われ方をしたら、土下座をし続ける訳にもいかないよ! うん、謝罪すべきところは謝罪したし、過度な謝罪は逆効果になりそうだからここまで!
ミツルギ : てか、ホームサーバーの買い替えか。サクラちゃん、買い替えたホームサーバーを写真に撮ってSNSとかには載せるなよ? あれの設置には資格が必須だけど、それが理由で身バレした配信者もいない訳じゃないからな。
ヤツメウナギ : そういや、そんな事件もあったっけ。
ミナト : そんなのもあったねー。
咲夜 : 元々ファンの人が、偶然買い替えで設置の担当になって、そのままストーカー化だっけか?
水無月 : あー、あったねー!
「あ、そういえばそんなニュースも見た気がしますね? 世の中、どこでどう繋がるかわかんないもんですし、その辺は気を付けます!」
まぁ今回の我が家のホームサーバーの買い替えでは、兄さんが設置をする……って、ちょっと待って!? あれの設置って資格が必要なの!?
という事は、兄さんはその資格を持ってるって事だよね!? おぉ、ありがたや、ありがたや! あ、守秘義務がどうとか言ってたのって今の話が絡んできてる? そっか、それは確かにそうだよね!
金金金 : 何か納得している狐っ娘アバター。内容は分からんが。
咲夜 : サツキさん、内容が分かったりはしない?
サツキ : 分かるけど、これは言ったらダメなやつなので聞かないでー!
金金金 : なるほど、それは失礼した。
チャガ : ホームサーバーの買い替えか。そうそう買い替えるようなもんでもないけど、故障でもしたのか?
「あ、いえ、ここの和室の庭を作りたいって相談したら、今あるのじゃ無理って言われまして。まぁそこから色々あって、古くなってるし買い替える事になりました」
具体的な買い替え計画の内容は知らないから、言えるのはこの程度だよね。というか、これ以上詳しく説明しろと言われてもよく分かりません!
ミツルギ : ん? 今あるので無理って、どういう使い方をしてるんだ?
ミナト : 家庭用で無理って、配信用のVR空間と別にもう3個くらいならVR空間を作れるくらいの余裕はあるはずだけど……?
咲夜 : そうなのか? その辺、よく知らないけど。
水無月 : 同じく!
「私もその辺の知識は疎いので、よく分かんないです……?」
富岳 : おっす。ん? ホームサーバーの話か。あんまり詮索するような内容でもないだろ……。
サツキ : 我が家にあるのは、最初期モデル! あ、私的には今は我が家というよりは実家かな。がっつり私が使ってたからねー!
ミツルギ : あー、最初期モデルか。それなら他の家族が、趣味用にVR空間を常駐でもさせてたりすれば足りない場合も出てくる?
チャガ : 確かにそうだ……というか、サツキさんの置き土産があるんじゃないか?
えっと、姉さんの置き土産があるのはまさしくその通りなんだけど、これは言っちゃってもいいやつ!? 我が家の癒し空間になるあの綺麗な桜がある和室は、姉さんの仕事名義の立花サナとしての作品じゃないし、別にあそこに誰かを招く訳でもないけど……。
サツキ : 私が使ってたものが色々とねー! 消すのもあれだからって、残しててくれてるの! 明日、その辺を回収しに行く事になったけど!
チャガ : あぁ、やっぱりか。
富岳 : ほう? それはある意味、明日が楽しみだな。
ミナト : あはは、確かにそうかもね?
いなり寿司 : あぁ、なんか用があって帰省するって呟いてたやつの用ってこれか。
サツキ : そう、それが用事! サクラちゃん、明日が楽しみだねー!
「新しいホームサーバーになるのが楽しみですね! でも今のも長年使ってたものなので、少し寂しくなった部分はありますけど……」
まぁそこは姉さんの方が思い入れがあって、わざわざ帰省して持って帰る事にもなったもんね。
サツキ : お姉ちゃんと会うのは楽しみにしてくれないの……?
「そこで拗ねないでもらっていいですかねー!?」
GWぶりだからそんなに長い間、会ってないって訳じゃないんだし! 姉さんと会うのが楽しみかどうかと言われると、まぁ楽しみなんだけどさ。
金金金 : なんだか照れている様子の狐っ娘アバター。ツンデレか!
水無月 : サクラちゃんはツンデレってイメージはないけど、そういう時もあるんだねー!
サツキ : よーし、こうなったらお土産を思いっきり気合を入れて用意するよー! サクラちゃん、楽しみにしててね!
「ちょっと待ってください!? サツキさん、お土産は嬉しいけど、量はちゃんと加減してくださいよ!?」
姉さんが気合を入れると、量がおかしな事になるからー! 旦那さんが一緒に来るはずだから、多分途中で止めてくれるはず! というか、絶対に止めてー! 常識的な量に抑えてくれれば、普通に喜べるから!
サツキ : その辺りは明日をお楽しみに!
イガイガ : なんでサツキさんが宣伝するような感じのセリフになってんの?
G : さぁ?
「私にもさっぱりですね……。あ、大真面目な話なんですけど、ホームサーバーが変わったら、どう変わるんです?」
今まで一度も買い替えた事がないから、その辺って全然分かんないだよねー。兄さんが色々パワーアップはしてたみたいだけど、具体的にそれを体感した事がない?
ミツルギ : あー、ここはハッキリと言っておいた方がいいか?
ミナト : そだねー。サクラちゃん的には拍子抜けする可能性が高そうだし。
水無月 : そうなの?
咲夜 : その辺はさっぱり分からん。
チャガ : まぁその辺の知識は、触れない人は全然触れない部分だからな。
「えーと、拍子抜けしちゃうような内容なんです?」
こう、劇的に使いやすくなる的な反応を期待してたんだけど、そうでもないっぽい? それってちょっとガッカリかもしれないね。
ミツルギ : ぶっちゃけ、初期モデルと最新モデルでは単独での処理性能的には大差ない! マルチタスク性能は上がってるが。
ミナト : まぁこの辺は、色んな処理はVR機器の方で行うから必要ないって理由が大きいね。大きく違ってくるのはメモリやストレージの容量増加による、同時作業の効率向上かな。VR機器の方も新しくなってれば、無線接続での高速化もあるね。
チャガ : より大きなVR空間を用意出来たり、同時に多くのVR空間を作ったり、別々に処理されるそれらを繋げて1つのVR空間として扱えるようになったりな。
ミツルギ : そういう感じだから、体感的な速度の変化は感じないはず。ただ、VR空間の拡張はしやすくなってる感じだな。
「おぉ!? なんだかよく分からないですけど、とにかくなんか凄くなってる感じですね!」
メモリとかストレージとか言われても何なのかさっぱりだし、マルチタスク性能ってなーに? よく分からない部分がパワーアップしてる感じがするね。まぁ今のホームサーバーよりもVR空間を広げられるようになるのだけは分かった!
サツキ : サクラちゃん、ほぼ書き切ったスケッチブックが、ページ数の多い新品になると思えば良いよ!
金金金 : そういう例え方かー。
いなり寿司 : 作業机が広くなるとか、本棚が広くなるとか、そういう感覚でもいいぞ。
「おぉ、そんな感じなんですね! なんとなく理解しました!」
そっか、そっか。絵を描く私の腕が上がるんじゃなくて、私が描ける範囲部分が広がる感じなんだ! もしくは作業スペースや収納スペースが増える感じ!
「あ、話してる間にそろそろ18時ですね! それじゃ今日のモンエボの配信プレイを始めていきましょう!」
体感的な速度の違いは分からなさそうという事は分かったし、ガッカリする事はなさそうだよね! でも、VR空間を今より広げられるようになるのは、良ーく分かった! ここに庭を作りたいんだし、それは必須だもん!
まぁその辺は明日のお話。今は配信開始の時間が来たから、次のエリアに向かって進んでいこー!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます