第276話 次の目的へ


 次の進化階位は成熟体という名前だと判明! 雷への適応進化を維持する為に必要なアイテムも揃ったし、後はLvと進化ポイントを稼ぐだけ!


「さーて、それじゃ探索再開ですけど……そういえば、ここって今までの経験則的にLv21までじゃありません? もうエリアボスを探してもいいくらいですかねー?」


 渓流エリアは時間を飛ばしたから違ったけど、未成体は多分Lv7刻みで上がってる! あれ? でもそうなると区切りが良くなるLv35で成熟体への進化が可能になる? うん、その可能性はありそう! というか、そうなるはず!


ミツルギ : あー、これってネタバレ案件だけど、どうなんだ?

こんにゃく : 下手に教えると、未成体の上限Lvを教える事になりそうな……。

金金金 : ん? 今のところ、成熟体までの進化Lvはオフライン版とオンライン版は同じだと聞いたが……。

ミナト : うん、そこは同じなんだよね。同じだから、説明するとちょっとややこしいの。

富岳 : だよなぁ……。

金金金 : それってどういう……あぁ、何となく把握! 具体的は数値は分からんが、ネタバレ厳禁なら確かに説明しにくそうだな。

いなり寿司 : そうなんだよなー。ネタバレ案件でさえなければ、サクッと説明して終わりなんだけど……。


「あれ!? そんなにややこしい内容なんです!?」


 気楽に考えてたけど、なんか皆さんが悩んじゃってるよー!? え、なんで!? 私の予想とは違ってるの!?

 ここはネタバレを解禁すればいい話なんだけど、それはそれでどうしよう!? それは困る……困るかな? 別に困る要素って特にない気がしてきた! というか、普通にエリアボスのLvと未成体の上限Lvが分かるだけなんだし、困らないよね!


サツキ : 困惑してたサクラちゃんが、なんか吹っ切れたねー! これは聞く事に決めたかな?

金金金 : コロコロと表情の変わる狐っ娘アバターである。


「よく分かりますね、サツキさん!? まぁ聞いても特に困るような内容ではない気もしましたけども!」


 既に進化の条件はLv以外の部分では達成しているもんね! 明確に次の進化へと近付いてきている今の状況からなら、聞いても問題はないはず! 流石に進化したての頃に、その手の情報はあんまり聞きたくないけども!


ミツルギ : まぁ後はLv上げと進化ポイント稼ぎだけだし、サクラちゃんさえ良いのなら問題はないか?

咲夜 : 上限Lvを聞いたからって、そのLvに上がる訳じゃないしなー!

ヤツメウナギ : というか、このエリアのエリアボスに遭遇すれば、それで大体の予想は付く範囲だしな。

神奈月 : エリアボスじゃなくても、次のエリアに進むエリア端に行けば大体分かる気もするが……。

ヤツメウナギ : あー、そういやそうか。

ミナト : そういう感じだけど、サクラちゃん、どうするー?


「エリアボスに遭遇したら分かるって事は、何か私の想像と違ってる予感がしますね? 特に困る事もなさそうですけど、進めば分かるなら止めときます!」


 次のエリアに向かう方に行けば分かるって事は、この始まりの森林の上限Lvの敵を見れば分かるという事! エリアボスが最大Lvになるから、遭遇したら分かる内容! だったら、自分の目で確かめよー!


咲夜 : 何故か聞かないって結論になったー!? 聞く流れだった気もするけど!?

ミツルギ : サクラちゃんがそれでいいなら、それでいこう。

水無月 : どんな風になってるのかなー?

サツキ : サクラちゃん、ここからはエリアボスを探していくのー?


「そうですね、そうしましょう! あ、それと川の水源も探しに行きたいですね!」


 今思い出したけど、川の水源の事をすっかり忘れてた! 今まで移動してきたとこでは、全然見てないんだよねー。多分この森のどこかにあるはずだし、それは見ておきたい!


イガイガ : あー、そういや色々あってその辺は放置状態か。

ミナト : それなら、まずは川まで出ないと駄目かな?


「ですねー! えーと、方向的には、多分西の方ですね!」


 渓流エリアで切り拓いた森から南に進んできたんだし、あの森自体は渓流エリアの西側だったから、そうなるはず! そしてランダムリスポーンをしてから北寄りに西へと進んで火事のあった場所まで来たんだから、更に西に行けば川があるはずなのさー!


「それじゃ出発です! 『看破』『疾走』!」


 とりあえずあの川の上流部分を探すのですよ! そこから、川沿いに進んで源泉を見つけるのさー!


いなり寿司 : 何気に、サクラちゃんって方向音痴ではないんだよな。

咲夜 : あー、それは確かに。

イガイガ : 方向音痴の人は、マップがあっても迷うからな。

ミツルギ : マップを解放する前は彷徨う事もあるけど……まぁあれは、新エリアに進出したばかりでは無茶な話か。

富岳 : マップ無しで初見の場所を把握しろってのは、いくらなんでも無茶過ぎるしな。

こんにゃく : その辺、正直意外だったわー。


「その辺の方向感覚は、私は大丈夫ですよー! というか、なんでそこを不思議そうな感じで言うんですかねー?」


 本当に初めて行く場所で何の目印もなければそりゃ迷う事もあるけど、ゲームでマップありなら早々迷わないよ! 高低差があって、迂回するとかになると方向は見失いやすいけどね。

 ともかく今は西に進むけど……こっちの方向は火事が燃え広がってた方向だね。燃え尽きた先には木々が見えてるけど、そこまでは川はなさそう? うん、まぁ走りやすいからいっか!


「それにしても火事の跡が酷いですね。これ、自分で火を使う時にはかなりを気を付けないと危ないやつです?」


 下手に火を使った攻撃をした余波でこんな火事になるなら、森の中では迂闊に使えなさそうだよね。毎回、こんな火事になったら大変だよ!


ミツルギ : その辺は頻度次第だな。放電みたいに連発して、それを空振りまくれば危険ではある。でも、条件が揃わなければ早々火事にはならないぞ。

G : 連発して火種を作り過ぎるか、風が強い状況でなければ、ここまで燃え広がらないぞ。

ミナト : 今回の火事は、火を盛大に使うタイプの巧みなキツネが2体同時に出てきたとこが原因だねー。あと、乱戦だったのも影響してるかな。


「乱戦だったのも影響してるんですか!?」


 キツネさんが2体いて、次々と火の球を飛ばしてきてたのが原因なのは何となく分かるけど、乱戦が影響してるとは思わなかったよ! でも、普通に攻撃として使う分には大丈夫そうな感じ? そうじゃないとゲームとして困るから当然といえば当然かも?


富岳 : 割と単純な話だぞ。乱戦だと耐える事よりも回避する事が多くなるし、そこに遠距離攻撃メインの敵が2体もいれば尚更だ。

チャガ : 避けた分だけ火種が増えていく感じだな。あと、乱戦中の場所には火消しに他の敵がやってこないって要素もある。

ミナト : その辺の理由が重なって、結果的に火事になったって感じだね!


「なるほど、そういう理由なんですね!」


 そっか、そっか! 確かに乱戦の真っ最中に、消火しに乱入とかは困るもんね。なんだか色々な条件が重なった結果、火事になっちゃったって感じみたい! 逆に考えたら、そこまでやらないと火事にはならないって事だよね!


「あ、そういえば風が強い状況って言ってましたけど、そういう天候もあるんです?」


 まぁ雷雨があるんだから、その辺はあっても不思議じゃないけどねー。まだそういう天候には遭遇してないから、気になるところでもある!


サツキ : 風が強くなる天候はあるよー! エリア的に風が強い場所もある!

G : あれだ、渓流みたいに川の水の流れが速い場所があるようなもんだ。

水無月 : そういう場所もあるんだねー!

ミナト : まだまだサクラちゃんが行ってない、色んなエリアは存在するからねー!


「おー、そういう場所があるんですか! その辺もそのうち行くのが楽しみです!」


 今は山を登っていってる状態だけど、他にも色んな場所があるんだ! うふふ、海とかも、大きな湖とかがあるのは分かってるもんね!

 風の強いエリアは渓流エリアみたい癖が強いエリアな予感もするけど、そこは実際に行ってみるまで分からない! 気が早いけど、その辺も楽しみにしておこー!


「あ、そうしてる間に獅子咆哮で吹っ飛ばした燃えた木々の残骸が集まってる場所まで来ましたね! 川はまだ先ですかねー?」


 ここまで少しずつ下ってきてたけど、この先は普通の森は上りになってる感じなんだけどなー? 上りになってから、また下りになるのかな?

 まぁとりあえず燃えた木々の残骸を踏み越えて先に進んで……って、あれ? 何か水音が聞こえたけど、前の方からじゃないよ? なんというか、割と近くから聞こえてきてるような……? 


ミナト : あらら、川の上に吹っ飛んじゃってたみたいだねー。

咲夜 : あ、これは大惨事の予感。

神奈月 : 方角的にそうなってたかー。

ヤツメウナギ : 獅子咆哮の効果、恐るべし。


「……え? わわっ!? ここが川ですか!?」


 ぎゃー!? 上流の南の方を見てみたら、燃えた残骸の山が川を堰き止めてるみたいになってるー! そのせいで、私のいるところまで殆ど水が流れてきてないよ!? これ、獅子咆哮で私がやっちゃったって事!?

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