第262話 森林のクマ
森の中を駆け回ってたら、立ち塞がってきた強烈なクマ! Lv15で私よりも格下だけど、甘く見ていい攻撃の威力じゃないのははっきりした!
「これは距離を取って戦った方が良いですね! 『放電』『放電』『放電』!」
爪を振りかぶって襲い掛かってくるけど、跳び退きながら回避! ふっふっふ、湿原エリアや渓流エリアに比べると、なんて戦いやすいの、ここ! 回避方向には注意が必要だけど、それでもかなり動きやすいよ!
「今度は体当たりですか! だったら、これでカウンターです! 『爪撃』!」
クマの体当たりに合わせる感じで、回避しつつ爪でカウンター気味に切り裂く! うん、上手く当たった! それに出血にもなってくれたね!
咲夜 : ん? なんか随分と動きが良い?
ミツルギ : まぁ2エリア連続で足場の悪いとこで戦ってたらなぁ。
富岳 : 体感的な戦いやすさは相当違うだろうな。
いなり寿司 : シンプルに動きやすくなるし、足場に行ってた集中力が戦闘に回る。
水無月 : あ、そういう影響ってあるんだ!?
チャガ : エリアが切り替わった直後は特に顕著に出やすいぞ。
「動きやすいとは思いましたけど、そういう利点ってあったんですね!」
足場に注意しなきゃまともに戦えない事が多かったんだから、その杞憂が無くなった分だけ戦いやすくなるんだね! うふふ、なんだか重りを外してパワーアップしてるキャラみたいな気分!
「クマ如きが、私の行く手を阻むんじゃないですよ! 『放電』『放電』『放電』!」
むぅ、でも耐久性が高くてダメージの通りが悪いなぁ……。強烈なのに、防御的な行動が多い気がする? また身構えを使って……って、これって本当に身構え!? 溜め攻撃の可能性もあるよね!?
ミツルギ : ただ、それが持続するかは本人次第。
真実とは何か : 気が抜けて元に戻る事も多い。それが真実。
サツキ : サクラちゃん、維持できるように頑張ろー!
「あ、はい、そうですね! なんだか嫌な予感がするので、ここは『咆哮』!」
よし、萎縮になった! 溜め攻撃だったのか実際どうなのかわからないけど、その危険性は排除! HPは半分くらいまでは減ってるし、ここから一気に畳みかけて倒し切る!
富岳 : 今のは、溜め攻撃だったな。
ミナト : そだねー。その前に使った放電よりダメージが減ってたし、Lv2以上のダメージ軽減の状態になってたよー!
ヤツメウナギ : 咆哮で潰して正解だな。
神奈月 : 噛みつき系等か、爪撃系統か、体当たり系統か、どれかは分からないけど、強烈で進化してるとどれでもダメージが凄まじいし。
こんにゃく : 可能な限り、受けるのは避けた方が良い攻撃。
「あ、やっぱり溜め攻撃だったんですね! 『体当たり』!」
とりあえず体当たりで吹っ飛ばす! 放電でのダメージ量の変化を見ればよかったんだね、今の場合。というか、溜め攻撃はLv2になったらダメージ軽減の効果があるのを忘れてたー! 身構えは半減で、溜め攻撃は1割軽減! その差で見極めればいいのさー!
「それにしても、身構え無しでも結構硬いですね!? 『連爪』!」
うりゃりゃりゃりゃー! 萎縮したまま吹っ飛んで倒れてるクマに向かって爪研ぎだー! これで結構ダメージは入ったけど、まだHPが1割くらい残ってる。むぅ、シンプルに防御力があると攻撃の効きが悪い!
ミツルギ : まぁクマは種族的に屈強も堅牢も元々高めだしな。
G : 俊敏も伸びやすいけど、まぁその辺は個体差があるとこだよな。
ヤツメウナギ : 耐久性はあるがそれほど速くはないクマか、素早いが耐久性はそれほどないクマか、まぁこの辺が分かれてくるところ。
「そんな傾向があるんですね!? 今戦ってるクマは、耐久性がある方って事ですか! 『振り回し』!」
グルっと回って勢いをつけながら、尻尾を叩きつける! うーん、まだもうちょっとダメージが必要っぽい。でも、あと1撃あれば終わる!
富岳 : 秀でてる部分は、サクラちゃんの今の器用くらいあると思ったらいいぞ。まぁこの辺、敵の分は数値として出てこないからあくまで参考程度なとこだが……。
ミナト : その辺、相手の動きとかを見て判断するしかないもんねー。
「えぇ!? 私の器用くらいあるって、かなり高くないです!? とりあえずこれでトドメ! 『噛みつき』!」
<未成体を撃破しました>
<進化ポイントを1獲得しました>
うん、クマは萎縮で封じている内に倒し切った! それにしても、怖い事を聞いた気がするんだけど!?
いなり寿司 : びっくりしてるけど、びっくりするような事でもないぞ?
G : まぁ基本的にエリアボス以外はプレイヤーと同水準くらいっぽいしな。
富岳 : 秀でている部分は、進化時に強化ボーナスがあるからな。サクラちゃんだって、器用で進化した時、器用のステータスの伸び率は高かっただろ?
「あ、そう言われるとそうですよね。それだと、このクマの堅牢は私のライオンの屈強や俊敏と同じくらいはあるんです?」
進化の系統として選んでないけど、種族として秀でてる部分も上がりやすいんだもんね。多分、それならそういう事になるはず!
ミツルギ : 具体的な数値を見る手段はないんだが、ざっくりそう考えてもいいだろうな。
こんにゃく : そう考えると、サクラちゃんの堅牢は本当に不安になる数値。
神奈月 : 飛び抜けて低いもんな。
「そう言われると、もの凄く気になってきますね!?」
これでも堅牢は低いから結構強化したつもりなんだけどなー。でも160を超えてる器用と同等の敵のステータスなら、100を何とか超えたくらいの堅牢だと不安にもなるよね……。というか、私も不安になってきたー!?
「あのー、乱戦で死にやすいのってこの辺も影響してます?」
いなり寿司 : してるといえばしてるけど、そもそも乱戦は死にやすいものだぞ。
金金金 : まぁ複数体を同時に相手にするんだから、当たり前な話ではあるか。
イガイガ : だなー。
チャガ : むしろ、よく倒せてる方だぞ?
ヤツメウナギ : 雷纏いが相当強いしな。獅子咆哮の範囲攻撃や、放電もかなり凶悪だ。
「スキルのおかげで何とかなってるだけっぽいんですねー!?」
雷への適応進化、恐るべし! それに状態異常って偉大だねー! でも、それも私の力なのですよ! でも、もうちょっと堅牢を上げておきたい気分にもなってきた。死ににくくすれば、それだけ生存率も上がるもんね!
「ちょっと堅牢も上げておきましょうかねー? うーん、でも先に器用のスキルツリーを第9段階まで上げたい気持ちもあります……」
むぅ、ここは順番的に悩ましいところ! そういえば今って、進化ポイントはいくつあるんだろ? ちょっと確認しとこ。
「今の進化ポイントは12ですかー。どっちにしても、まだまだ進化ポイントが足りない感じですよねー」
堅牢のスキルツリーを開いて見てるけど、ステータスの強化があるのは第5段階と第6段階。まずは前提の第4段階の『踏ん張り』か『突撃』を解放しないと無理だよね。ここの解放に7必要だし、第5段階の『堅牢+10』で更に10必要。今すぐには無理!
咲夜 : とりあえず進化ポイント稼ぎからか?
チャガ : 足りてない以上はそうなるな。
ミツルギ : まぁ堅牢を上げるのはありだぞ。途中でスキルも手に入るしな。
サツキ : そこら辺は、サクラちゃんの自由にやっていけばいいのさー!
「それもそうですねー! 今の状態でも敵が倒せない訳でもないですし、進化ポイントが足りないんじゃ根本的にどうしようもないです!」
だったら、今やるべき事は変わらないね! 進化ポイントが足りないのなら、稼ぐしかないのですよ!
「さーて、それじゃ出来るだけ敵を倒しながらマップ解放をやっていきましょう!」
何をどういう順番で解放していくかを考えるのは、それからでも問題なーし! というか、そもそも私は器用が高いんだから遠距離攻撃で戦えばいいよね!
でも、獅哮衝波の再使用時間はまだ過ぎてない……。早く実戦で使っていきたいんだけど、3段階目で発動したら再使用時間が長過ぎない!? 威力は凄いけど、こんなに長いなら気軽に使えないよ!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます