第45話 のじゃロリの提案
~翌日~
リリーはラニャに昨日の出来事を報告した。
そこにはとドワーフのナタリアも同席した。
そして、一番の被害者のテトラはいない。
「なるほどのぅ。いや、力になれず、すまんかった」
「仕方ないさ。俺も連絡しなかったのも良くなかったし」
「ま、起きれなかったじゃろうが……」
「ほい、コーヒーお待ちどー」
スライム兼メイドのミルカがコーヒーを、持ってきた。
「昨日の様子だと多分ラニャさんは起きれなかっただろうね~」
「いや、スラ子は起きれたじゃろ」
「起きれても戦力には数えてほしくないっすが……」
「数えてないわよ。」
「ほっ、よかった。」
「話の腰をおるでない、スラ子」
「へーい」
「で、テトラはどうじゃ?」
「今日は寝させてる。弟妹たちに見させてるけどなるべく早く戻りたい。」
「そうじゃろうな。相手はやはり」
「ええ。ナタの記録からみるに何らかの魔道具で神秘側か人間かを区別してた。」
「つまり、ゾンビどもを襲っていたやつらか。」
「でも、鎧に王宮騎士の証はなかったわ。多分独立した部隊でしょうね。」
「だとすると、わしの予測は一つじゃ。」
「なんなんだ?」
「妖精王を攫った連中じゃろ。それが何かがわかれば一気に話が進むんじゃが。」
「くそっ」
「ま、テトラも心配じゃから今後について手短に話し合うぞ。」
「ラニャ」
「ん?」
リリーは話を遮るようにラニャを呼ぶ
「俺は今回の事で改めてわかった。俺は人間が好きじゃないし、人間の世界で暮らすのはもう正直きつい。あの騎士たちに仕返しをしてやりたいという気持ちはある……でももう関わりたくないって、気持ちのほうが大きい……どうにか、ならないか?」
「……テトラのことかぇ?」
「ああ。正直、ある。あいつは帰ってから怯えてて、一緒に隣で寝てやらないと寝付けない状態だ。ふとしたことでパニックになりかねないんだよ……」
リリーはかなり参っている。
それだけテトラへの愛が深いのだ。
「ずいぶんとラブラブじゃな」
「茶化さないでくれ!」
「まーまー落ち着いて!リリーの姉さん!マスターラニャ、なんとかなんないんすか?」
「茶化してはおらんし、なんじゃその呼び方は……。愛は誰かに許可をもらうものでも、隠すようなものでもない。誰かを愛することは恥ずかしいことではないんじゃ。」
「ラニャ……わるい。ちょっと余裕なくてな……」
「いや、わしも悪い癖がでた。おぬしのお願いは聞き届けたが、ナタリア、あれの進捗はどんなもんじゃ?」
「さすがに、あたしとナタじゃあんまりよ。でも基礎は出来てるから後は建ててくだけよ。」
「???何の話だ?」
「みた方が早いのぅ。着いてくるんじゃ。」
ラニャはハート型の鍵で家の玄関の内側から鍵をかけ、またあける。すると玄関の外は全く違う森になっていた。
ラニャの持つ魔術でラニャの家は世界の裏側につながることができる。
「久々にきたが、ここは魔力濃いのぅ」
「それだけ表側が薄くなってるってことよ。」
「なんなんだここ……」
「うわーすげーまるで原初の森みたいっすね~」
リリーとミルカは初めてくる場所。
聖域の森
世界の裏側。
普通なら人が足を踏み入れられない世界
妖精の森と同じような場所
「そろそろ説明してくれよ?」
「そろそろ見えるぞー」
「んー?なんすか?あれ」
少し開けた場所にでて、それはあった。
家の基礎部分だけが出来ている。
「わしがナタリアに頼んでのぅ。ここに家を作る予定なんじゃよ。」
「へぇー!」
「それは誰か住むのか?」
「元々はわしが隠居するために作っておったが、娘を蘇らせると決めたから今特に入居者は決まっておらんぞ~」
「じゃあ、リリー姉さんとテトラちゃんたちがここに住めばいいんじゃないっすか?」
「スラ子、それはわしが言おうとじゃな……」
「あ、やべ」
「……いいのか?」
「条件として、家を造るのを手伝うこと。依頼をこなしながらのぅ。きついぞ?」
「やるさ。やってやる!」
「ま、1人でやるんじゃないから無理はさせないわよ。危ないし。ナタもいるから」
「おう」
「ありがとう、みんな。……ミルカ意外」
「ナンデっすか!?」
「あれだったらできあがるまで、こっち側で弟妹たちも野宿してもよいぞ。」
「あーそれは相談するよ。」
「ん。」
新築の基礎工事を内見した一行は家に戻る。
すると、ゾンビ博士とゾンビのグレイが店に来ていた。
「やっほー君たち元気してた?」
「こんにちは~」
「おお、博士か。ついに、ゾンビアイランドができたかえ?」
「ゾンビアイランド?」
「まだまだかかりそうだよ。」
「友達は~増えたよ~」
「そうかぇ。良かったの~ぅ」
「うん~」
「今日は色々調査結果を報告ね。知りたいでしょ?魔力が減ってる原因!」
「わかったのかぇ!?」
「うん。それと、私のゾンビ達を殺した黒幕の正体も、ね。」
「!!」
話は急展開につぐ急展開をみせている
つづくのじゃ
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