第38話 のじゃロリのひとりごと

さて、わしはラニャ。元賢者の占い師じゃ。


ここ最近の話を少しまとめてみようと思うのじゃ。


まず最近、神秘の者達の身体の不調の依頼が増えておる。

これは空気中の魔力の減少が原因だと推察される。ゾンビのグレイの依頼で魔術都市ガラルド近くの墓地におもむいたとき、そこの空気中には魔力が全くなかったのじゃ。


墓地では、騎士達がグレイの仲間ゾンビを殺している(死んでいるけど)ではないか!


仕方なく止めに入ったが、空気中に魔力がない状況に不慣れなわしらは逆に騎士達に追い詰められた。生まれて初めての経験じゃよ、まったく。


ほいで、ピンチのわしらの前に現れたのはゾンビ博士。名前は知らない。やつは一応魔女じゃ。


博士の助力で窮地を脱したわしらは博士から『新しい賢者』の噂を聞いたのじゃ。これが事件のきっかけ。




しばらくしたある日、妖精のルインがうちに依頼にきたのじゃ。

妖精の森の結界が消失しておるということじゃった。

再び現地調査をした結果、実際に結界は消失しており原因は妖精の剣が失われたからだと推察されたのじゃ。


旅の途中で出会ったぼーっとした美女のネムコと出会い妖精の森を目指したわしら。


妖精の森では妖精王が引きこもっておった。

妖精王は剣の消失を容認しており、『大儀のため』ということを口にしたのじゃ。不振じゃ。


その不審さに、ネムコが正体をあわらした。ネムコは悪を切る夜刀神(やとのかみ)という神様だったことが判明したのじゃ。これにはわしもさすがに焦った……。


その妖精王が偽物だと一刀両断。その通り、妖精王はスライムのミルカが変身していた偽

物。


現在、妖精王と妖精の剣は捜索中じゃ。



ここまでが事件の話。




ここからはわしの話。


わしは賢者じゃから、寝ながら見る夢はほぼ予知夢じゃ。その夢の中でわしは死んだ娘のララにであった。


ララと母として暮らす体験をもう一度味わってしまったわしはもう、思いを押さえられなかった。今のみんなとララと共に暮らしたい。

わしは夢の見た光景を現実にするため、ララを蘇らせる事を決意したのじゃ。



しかしながら、わしの人生も前途多難も極めておるらしく突然、双子の預言者がやってくる。


どうやらわしは近々死ぬらしい。


どうしてこういう決意をした時に試練はやってくるのか。まったく。


サロやルー、他のみんなも悲しむ(例外もあるが)のは、それはそれでありがたいが、わしはまだ死ぬわけにはいかぬ。


ララを蘇らせて、サロやルー、他のみんなと共に暮らして幸せに最期を遂げるのがわしの夢じゃ。


だから、わしは諦めぬ。

そう決意を新たにした。




それが理由かはわからんが、ルーは力を欲しておるようで、弟子を欲しがる依頼主の猫又に弟子入りしたのじゃ。わしを守ってくれるつもりなのか、本当に健気な娘じゃ。


ともあれ目の前の問題もどうにかせねばならぬ。


妖精王と妖精の剣

魔力の減少

わしの死

争い


そして、『現賢者』


元賢者として、このあたりの問題はつながっている感じがしてならぬ。色々と用心して生きていくことにしよう。




以上

ばぁさんの長いひとりごとじゃ。






つづくのじゃ!




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