第7話 のじゃロリ×淫魔①

サロとの出会いです!






 ある日の午後


「ん?酒がない……」

 棚の酒を切らしていたことを失念していたラニャは昼寝しているルーをおいて街へ買い出しへ向かう。


 ルーが来たあとも酒は止めなかった。

最近は飲む他に料理に使うことも増えてきたので消費が早いのだ。好みはワイン。



 ルーは昼でも夜でもよく寝ている。

「ちょっと行ってくるぞぇ」

 ルーの頭を撫で机に書き置きをする。


 ラニャは様々な鍵から一つを選び、家の中からドアの鍵をかけ、また開けた。家の内側にも鍵穴があるドアノブなど普通はおかしい。


 そのまま外にでるラニャ。外は森ではなく、街中のどこかの扉につながっていた。鍵を使ったそういう魔術らしい。


 酒場へむかうラニャ

「いらっしゃいませ。おや、ラニャさん珍しいですね。わざわざ来ていただけるとは」

「ご無沙汰じゃマスター。いつもの酒を一箱頼むぞい。」


 カウンターに座る。

「赤ですか?白ですか?」

「赤多めで頼む。料理につかうでな」

 ジャラジャラとポケットから硬貨をカウンターにだした。

「では、少々おまちください。」

 マスターは店の奥へ消えていく。


 ラニャはカウンターから2人席に移った。


 その時誰かが話しかけてきた

「何かお飲みになりますかぁ?お客様?」


 それはやけにムチムチした美女で肌の露出は少ない給仕服だったが、色気が服からはみ出していた。

「うおお!おぬしウェイターかの?!」

 ラニャは美しいムチムチした女が特に好みだった。

「はい♪この前からこちらでお世話になっております、サロと申します♪」

「おおー!ええのぅ、ええのぅ!マスターでかしたのぅ!隣に座って一緒に飲まんか?」

「いえ、まだお仕事中ですので……またあとで……ね♪」

「ラニャさん。困りますよ、うちの店員さん占領されては……」

「ううう仕方ないのぅ。じゃあマティーニを一つくれの。」

「かしこまりました。うふっ♪」

 手を振ってくれたウェイター。

「ぬふ……ぬふふ……マスターどこで見つけて来たんじゃあの娘」

「最近ここで、働かせてくれって来たんですよ。見ての通り昼でも大人気で、売上も伸びてるんです。」

「そうじゃろうのぅ……あれだけの美女……」

 ラニャは美女ウェイターを目で追った。歩くだけでフェロモンが出ている。気がする。


「お待たせいたしましたぁ♪」


 美女ウェイターがわざわざマティーニを盆に乗せて持ってきてくれた。


「おお、すまんのわざわざ。」

「いえいえ。是非お話ししたくて……」

 更に小声で

「(殿方は目つきがいやらしくて……)」

「あーそりゃのう。酒場じゃし。むしろ、わしもいやらしい目でみとるんじゃが?」

「あら、うふふ!でも、(むしろわたくし、女性が好みなので……)」


 ほうほぅ…

 小声で色々暴露してくる美女に女ながらドキドキするラニャ。


「お客様はどちらから?」

「近くの森で占い師やっとるんじゃ。」

「まあ!今度是非占ってほしいです!恋愛運とか!」

「もちろんよいぞ。あ、いかん、買い物の途中だったんじゃ……」


 ラニャはマティーニを飲みきるとお代を起き


「すまんな!またくるでの。おぬしも占って欲しければ家にくると良いぞ。ではな。マスターも。」


「はい!ありがとうございましたぁ♪」


 カランカラン


 ラニャはワインの木箱を抱えてでていく。

 木箱に軽量化の補助魔術をかけているのでほぼ重さもなく持つことができている。端から見ると怪力少女だ。


 外はもうすぐ夕暮れ。


 行きで来た使われていない路地裏のドアの前までいき、さっきと同じくあの鍵でロックして、またあける。そうすると家に繋がるのだ。


「帰ったぞー」

 ガランと酒瓶の箱をおく。


「ししょー」

 気づいたルーが走ってくる。

 ギュッっと抱きつく。

「おー、ルー。起きとったか」

「おなか」

「すぐ作るでな、干し肉かじっておれ」

「うん」


 カジカジカジ


 帰る家で誰かが待つ。

 ルーは彼女の孤独を和らげ、いやしていた。



続く





ーメモー


転移魔法:ラニャの家のドアとカギにかかる高等魔法。カギの種類によって行き着く場所が異なり、出る場所はあらかじめポイントを設定しておく必要がある。


補助魔法・軽量化:物質を軽量化することで持てないものを持てるようにする。重いものほど持続に魔力を多く使う。端から見るとめちゃくちゃ力持ちに見える

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