第27話
そして、ある日、恐ろしいことがおこりました。なおちゃんが車にはねられたのです。なおちゃんの家まで、あと100メートルくらいのところでした。大騒ぎになりました。救急車がサイレンを鳴らしながらとんできます。あたりの人たちも、みんな集まってきます。その中に、ヨシオ君もいました。
ものすごい急ブレーキの音と、ドスンという音が聞こえた時、ヨシオ君はなんだか急に胸騒ぎがして、外にとび出したのでした。
ヨシオ君は、あっと息をのみました。電柱にぶつかってぺちゃんこになった車の陰に、なおちゃんが倒れていたのです。顔色は真っ青でピクリとも動きません。
ヨシオ君は
「なおちゃん!」
と叫ぶと、駆け寄ろうとしました。でも、そこへ救急車が到着して、白衣を着た人が何人も降りてくると、なおちゃんを担架にのせて救急車に運び込んでしまいました。ヨシオ君は、夢中で白衣をつかみました。
「おじさん、なおちゃん大丈夫?大丈夫だよね。」
白衣を着た男の人は、ヨシオ君を見るとニッコリして言いました。
「うん、大丈夫だよ。でも一刻も早く病院に連れて行かないとね。いい子だから、お家で待ってなさい。」
そして、救急車はヨシオ君を残して走り去って行きました。
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