第22話

一階では、お父さんとお母さんが話しています。

「お父さん、大丈夫なんですか。あんなこと言って。ヨシオったら、ニコニコしながら出てきましたよ。」

お母さんは、お父さんにお灸をすえてもらうつもりだったのにあてがはずれて、まだぷりぷりしています。お父さんは笑いながら言いました。

「まあ、そう言うなよ。僕もヨシオくらいの頃に、同じような思いをしたことがあったんだ。さっきは、『僕は野球もやったけど、勉強もちゃんとやったんだぞ。』なんて大見えを切ったけど、やっぱり僕も親父にこっぴどく叱られたものさ。」

今度はお母さんが笑い出しました。

「いやだ、お父さんったら自分のことを棚に上げて、そんなことを言ったんですか。でも本当に大丈夫なの。」

お父さんも笑いながらうなずきました。

「大丈夫だよ。何といっても男と男の約束をしたんだからね。

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