第2話
その原っぱは町はずれにあって、近所の子もたくさん遊んでいました。野球をやっている子も大勢います。ここなら一人で練習していても、別におかしくはないでしょう。
ヨシオ君は原っぱのはしっこの方に行きました。そして、そこに立っている屏に向かってボールを投げ始めました。ビューンと投げては、はねかえったボールを受け止めます。パッと受け止めては、素早く投げます。でも、まだなれていないので、うまくいきません。ボールがとんでもないところへ、飛んでいってしまいます。そして、とうとうボールはヨシオ君の頭の上を越えて飛んでいき、草むらの中へ入ってしまいました。
ヨシオ君はあわててボールを追いかけましたが、草の中に転がり込んだボールは、なかなか見つかりません。ヨシオ君は一生懸命になって、ボールを探しました。
「うーん、確かこのへんに落ちたと思ったんだけどなあ。」
そうつぶやきながら、ボールの落ちたあたりを草をかき分けかき分けして探しました。でも、ボールはありません。そして、とうとうヨシオ君があきらめかけた時です。ふと、草の茂みの中に、何か丸っこいものが転がっているのが、目に入りました。
「あっ、あんなところにボールがあった。バンザイ。」
そう思いながら、ヨシオ君はそこに駆けつけました。そして、それを拾い上げました。でも、それはボールではありませんでした。
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