おばけのたまごの話

OZさん

第1話

 そう、これはどこにでもいるごくふつうの男の子の話です。きっと、みんなのまわりにも、こんな子がいるはずです。

 その男の子は、ヨシオ君といいました。背も小さくって、別にこれといった特徴もないし、おまけにすごくおとなしかったので、クラスでもほとんど目立ちませんでした。そうそう、言い忘れていましたが、ヨシオ君は小学校の三年生だったんです。

 ちょうどヨシオ君の学校では、野球が流行っていました。男の子たちは、休み時間や学校の帰りに、よく野球をやりました。ヨシオ君も、とっても野球が好きだったので、いつも仲間に入れてほしいなって思っていました。でも校庭に集まっているみんなの前で、

「僕も入れてよ。」

と言う勇気がありませんでした。ヨシオ君はいつもこんな風に思って、あきらめてしまうのです。

「僕なんか、ちびだし、下手だから、どうせみんなは入れてくれやしないさ。」

 でも、ヨシオ君はみんなと一緒に野球がしたかったので、原っぱへ行って、一人で練習することにしました。

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