第8話  後日談

 翌日、それはニュースとなる。

 深夜に建物が崩れる大きな騒音に気づいた通行人の通報から、事件は明るみに。

 瓦礫にまみれたそこには近くの高校生の制服の『切れ端』が多数落ちており

 事件に巻き込まれた可能性も視野に入れると報道。



 だが、この事件は数日の内に捜査が打ち切りになる。

 最終的には建物の老朽化による崩壊という事で結論付けられそのまま終了。



 そして、その事件以降杉山、早紀の両名が行方不明になった事は

 学校では大騒ぎになった。

 両名は行方不明。つまり、神隠しになったとされる。

 だが不思議な事に、それ以降S県で神隠しが起きることは無くなった。



 ♦♦   ♦♦




 深淵のごとき深い闇夜。

 それらに紛れたビル群の路地で行われる惨劇。

 地面に仰向けに倒れた女性を、スーツ姿の若い男がそのはらわたを食らう。

 男性の手は既に赤黒く染まり、口は化粧をしたようにべっとりと血糊が張り付いていた。

 夢中になる男性の耳に、僅かな物音が飛び込んでくる。


 振り返る。


 そこに、一つの若い少女の姿と、犬の姿があった。

 地元の高校生が着る制服。それに男性は狂喜する。

 その肉を食らおうと、ゆっくりと立ち上がる。


 愚か。


 少女は両の手を合わせて印を結ぶ。

 この鬼畜外道に鉄槌を下す、あの言葉を紡ぐ。



 ”――――――人とあらば、人を斬り。”


 ”――――――鬼とあらば、鬼を斬る。


 ”――――――悪鬼羅刹の如く”

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