弔い

 ねぇ、そこのきみ。悪いことは言わない。そこに屍体を埋めるのはやめておきな。なぜって?そりゃあきみ!櫻の木の下は先客がいるって相場が決まっているからさ!


……だからさ、きみのその愛しいひとが地獄でそいつと懇ろになっても困るだろ?


……おまえならどうするかだって?


……そうだね、僕には愛しいひとがいたことがないけれど、敢えていうなら。


……愛したひとのその身体を切り裂いて、そのひとが愛した猫を詰める。そして、そのひととその内に入った猫を僕が食べようかな。骨も残さず全てね。


 我が身が愛したひとの墓標になるのなら、それ以上のことはない。きみも、そう思うだろう?

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