第4話 火の属性、ヤッツー。風の属性、メルト。

(ヤッツー、メルト、聞こえる!?)「ヒュリ、仲間を見つけたよ。」(メルト、ヤッツーに色々と教えてあげてね!)「任せてちょーだい!!」「ヒュリ、次の指令は何!?」(次は…)


まただ。

また地鳴りが聞こえる。そして、ヒュリとの通信が途絶え、俺とメルトは酒場の外に出た。


すると、今度は空から大きな雪の塊が落ちてきた。


「今度は何だっ!?」「ヤッツー、戦闘態勢に入って!!」「お、おうっ!」


『ビビビビュュッ!!』


またしても、敵は何とも例えようのデキナイ不気味に感じながらも声をあげている。

そして…なんと今回は敵からの攻撃から始まった。


「きゃぁっ!!」「か、身体が凍るっ!?」


凄まじいブリザードと共に、身体に雪の粉がへばりつき、それがピキピキと音をあげながら凍っていく。


『ビビビビュュッビュッ!!』


次の攻撃が来る前にっ…!!

「あたしが行くわ!!」メルトが先陣を切り、扇子を広げ踊りを舞うように扇子を振りかざした。

しかし、氷の魔物に風は通用しない。若干後ろに下がっただけで、ダメージを受けているとは思えない。


「俺がいってみるっ!!」背中から抜き出した剣を前に突き出し、俺は魔物目掛けて燃え盛っている剣を大きく振り落した。


『ピギギッ…ビギッッ……』


魔物は徐々に溶け初め、やがてただの水と化し、蒸発して消えて行った。

「ヤッツー!!やるじゃない!!」「こ、こわかった…」


(ヤッツー!!メルト!やったね!!!)


ヒュリの声が復活。俺とメルトの脳にヒュリの嬉しそうな声が響き渡る。


「ヒュリ、残り時間はどれくらいなんだ?」(あと約2時間かな!?さて、次の指令はぁー…)


またあるのか!?今日だけでも2体の化け物を倒していると言うのに。さすがの俺も、そろそろ疲れて来た…。


(次の指令は、髪が黒くて背中かまでの長さがある和服の女の子をさがして!!)


「女の子っ!?」「なぁんだ、男じゃないの!?」(メルトっ!!)「わ、わかってるわよっ!女の子ねっ!?」


(きっと、この街の何処かにいるはずだから!!頑張ってねー!)


ヒュリは楽しそうに次の指令を俺達に言い渡すと、プツリと通信が途絶えた。


「メルト、この街に来てから長いのか?」「ううん。一昨日来たばっかりよ。」「そうか…、じゃぁまた探し歩くしかないんだな。」


目指すは黒髪の和服姿の女の子。

…可愛いといいなぁ…。


「ヤッツー、少し顔色が悪いわよ?大丈夫?」「あぁ、少し疲れただけだ。大丈夫。」


酒は飲んだものの、朝からろくに飯を食っていない。

しかも、この世界には『時計』がない。…時間が把握出来ない。


「メルト、あっちに小さな村がある。行ってみよう。」「了解っ!!」


ショーシャンクの街。人工はどれくらいいるのだろう?

俺とメルトは次の指令を達成すべく、小さな村へと向かった。







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