第20話 土曜日にお花見と共に僕の歓迎会をしてくれることになりました
「んうっ、は、あああ……」
「ふふっ、文人さんとても気持ち良さそうな顔をしていますよ♪」
敏感な部分を責められ、情けない声を出して悶える僕を巫子がニコニコしながら眺める。
「だって巫子、凄く上手なんだもん……」
「本当ですか? 嬉しいです♪ じゃあもーっと気持ち良くしてあげますね♪」
「あうう……」
そして僕の耳元に口を近づけて甘い声で囁き、僕は背筋がゾクッとするのを感じた。
「ここですかー、ここがいいんですか♪」
「んはあっ!?」
さらに巫子は絶妙な力加減で僕の穴の中を刺激し、押し寄せてくる快楽に僕は為す術なく大きな声を出してしまう。
日曜日の午後、僕は巫子の超絶テクニックにより骨抜きにされていた。
「はい。これでおしまいです♪」
「あ、ありがとう……」
しばらくして終わりを迎えても快楽による興奮が醒めない僕は、はあはあと呼吸を整えながら体を起こす。
「文人さん、どうでしたか?」
「す、凄く良かった。何だかクセになりそう……」
「そうですよね。いっぱい出てスッキリしましたからね♪ また溜まったらいつでもするので遠慮なく言ってください♪」
「う、うん……」
僕が正直な感想を言うと、巫子は喜びながら僕の穴の中から出てきたものを包んだティッシュをゴミ箱に捨てた。
「しかし、耳掃除がこんなに気持ちいいものだとは思わなかったなあ……」
僕は余韻に浸りながらポツリと呟く。
膝枕をしてもらい巫子の柔らかくてスベスベした太ももを堪能できるのはもちろんだが、耳とはいえ好きな人に綺麗ではない穴の中を見せるというのは何とも言えない恥ずかしさがある。
それに加えて耳の中のすぐ傍には性的快感を司る神経があるらしく、掃除により優しく刺激されていた僕はずっと妙な興奮を感じ続けていたのだ。
「んんーっ! ……あ、もうこんな時間か?」
僕が伸びをして体を解しながら時計を見ると、今の時刻は15時。
巫子とイチャイチャしているだけで、あっという間に土日のほとんどが終わってしまった……。
まあ舞子にフラれてから今まで、ずっと休みみたいなものだったけど。
「文人さん、今から夕飯の買い物に行こうと思うんですけど一緒に行きませんか?」
「あ、うん。行く行く」
巫子に誘われ頷いた僕は、上着を羽織り出掛ける準備を始める。
「巫子、ごめんね。今週は疲れててどこにも連れて行ってあげられなくて」
「いえいえ。文人さんと一緒なら、私は家でのんびりするだけでも十分楽しいですよ♪」
「あはは、ありがとう。来週はどこかに出掛けようか? 巫子はどこか行きたいところとかある?」
「そうですねえ……」
『続いては桜の開花情報です』
「ん?」
出掛ける準備が終わり点けていたテレビを消そうとすると、気になる情報が聞こえ僕の手が止まった。
『今年の桜は1週間後に満開となり見頃を迎える見込みで、天気も良くお花見をするなら次の週末が良いでしょう』
「お花見かあ……」
「いいですね! せっかくなので真白さんを誘って、文人さんの歓迎会を兼ねたお花見をしませんか?」
「うん。じゃあそうしようか?」
「やった! ありがとうございます。真白さんには私から連絡しておきますね♪」
僕が了承すると、巫子が嬉しそうにスマートフォンを取り出して真白にメッセージを送る。
その後真白からオッケーの連絡がきて、次の土曜日の夜に市内にある国立公園でお花見をすることになった。
◆◆◆
「じゃあ、帰ろっか?」
「はい♪」
土曜日の朝、巫子が腕によりをかけてお花見弁当を作ると言うので、僕と巫子は近くの大型スーパーに買い出しにきていた。
「あ、お客様。ちょっと待ってください!」
会計を済ませた僕と巫子が買い物袋を手に持ち、帰ろうとすると店員の人が慌てて駆け寄ってきた。
「はい? 何ですか?」
「すみません。これを渡し忘れてまして……」
そう言って店員の人が僕に渡してきたのは1枚の紙切れ。
それには「20周年記念大抽選会!」と書かれている。
「今、入口の所で福引きをやってるので、ぜひ回してから帰ってください」
「そうなんですか。わざわざありがとうございます」
僕は福引き券を受け取ると、巫子と一緒に福引き会場に向かう。
「景品は何かな? ……おおっ! 1等はGW3泊4日の沖縄旅行だ!」
「2等も3万円分の商品券! 凄いです!」
3等も1万円分の和牛セットと、豪華な景品が並ぶ一覧表を見て僕と巫子のテンションが上がった。
GWの予定はまだ決まってないし、時期的におそらく研修が終わった直後。
ここで1等を当てて、研修を頑張ったご褒美として巫子と一緒にパーッと遊びたいところだ。
でも僕クジ運良くないし、ここは巫子に回してもらうか。
「いらっしゃいませ! 福引き券はお持ちですか?」
すると一覧表の前に立っている僕たちを見た係員の人が声をかけてきた。
「あ、はい。1枚だけですけど」
「1枚ですね。じゃあ1回だけ回してください」
僕はさっき貰った福引き券を係員の人に渡す。
「巫子、荷物持っといてあげるから回してくれる?」
「分かりました」
巫子が僕に荷物を渡して抽選器の前に立つ。
「1等が出ますように……えいっ!」
ガラガラガラ……ポトッ
巫子が気合いを入れて抽選器を回すと、中から青色の玉が出てきた。
カランカランカランカラン!
「おめでとうございまーす! 青は6等のジュースか缶ビールの6本セットでーす!」
「やった! じゃあジュースの方をお願いします♪」
色を見た係員の人が鐘を大きく鳴らし、巫子が嬉しそうに両手をグッと握る。
「ジュースですねー……ってあら? 在庫がもうない。すみません缶ビールになっちゃいますけどいいですか?」
「え? そうなんですか? じゃあ仕方ないですね」
「申し訳ございません。それでは気をつけてお帰りください。では次の方ー」
係員の人が謝りながら巫子に缶ビールを渡すと、すぐに次の客の対応に移る。
「ビールですか。私未成年なんで飲めないんですけど……」
「僕も飲めないわけじゃないけど普段飲まないからなあ。せめてノンアルコールも用意してくれればよかったのに」
僕たち2人は邪魔にならない場所に移動し、どうしようかと微妙な顔をして佇む。
「そういえば真白ってお酒飲めるの?」
「どうでしょう? 飲んでいるところを見たことがないので何とも言えないですね」
「そっか……まあいいや。すぐに腐るものじゃないし捨てるのも勿体ないから、お花見で残ったら僕が家で少しずつ飲むよ。じゃあ帰ろうか?」
「はい♪」
僕はビールをバラして2つある買い物袋に3本ずつ入れると、僕と巫子で1つずつ袋を持ち空いている手を繋ぎながら仲良く歩いて家に帰った。
そしてこの缶ビールが花見で思わぬ波乱を呼ぶのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。