返還方法は恋でした

鈴沢 奈白

第1話 罪の重さとその範囲

  間違えることのない完璧な人などいない。                  間違えることは恥ずかしいことでも、かっこの悪いことでもない。       そこで得た経験をもとに新たな壁に立ち向かうことが大切だー。

   僕の父親は小さいころから僕に言い聞かせた。でも、僕は小さいころから疑問に思っていてのだ。

 ―どこまでが間違いで、どこからが罪なのだろうかとー

 許されることと、許されないことはある。しかし、それがたとえ許されないことだとしても、そうするしかなかった。いや、そうしなければいけなかった。

自分自身が自分の大切な人が傷ついてしまうから。

そんな時に犯してしまった罪は重いのか、軽いのか。罰せられるべきか、戒めとしてその十字架を背負うべきか。僕にはわからない。いや、僕が判断してはいけない。

きっと個人的な感情が混じってしまうから。

 こういう時、誰か相談できる人がいればいいが、話したら僕の人生は終わってしまう。今のところそんな人は僕にはいない。このまま時間がたつのを

 -おびえながら待つだけだ。

誰も共感してくれない。周りは敵。

僕はそう思うことにした。



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返還方法は恋でした 鈴沢 奈白 @dottopico332

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