第4話 九十九の力
そんなこんなでダンジョンを進んでいった。
その過程で何回か魔物との戦闘もあったが、連携もさまになってきた。
特に油断もなく、現在、5階層まで来ていた。
途中まで他のクラスメイトとたまにすれ違うことがあって言葉を交わしたりしたが、ここまでくるとさすがにいないようだ。
そんな感じで進んでいると、
「ツクモはこの世界に来たばかりだよな?なら、1人の戦闘もしておいた方がいいぞ」
そう先生に提案された……確かに地球ではいろいろな存在と戦ってきたけど、この世界だと勝手が違うかもしれない。
調子も確かめたいし、「分かりました」と言って今度は俺がパーティの中心になって進むことに…。
するとさっそく敵が現れた。
ただ、今までゴブリンだらけだったが、ここにきて急にコボルトが2体もいる。
コボルトはゴブリンと違い、力は同じくらいだが、とにかくすばやい。そして、鼻が利く。
そんなコボルトが2匹も出てきたのでパーティメンバーもだが、引率の2人も臨戦態勢になっていたが、それに俺は大丈夫と返し、先手を取った。
まずは、足止めとして呪いの力の一つ……レクイエムを使う。
レクイエムとは俺が使う呪いの力の総称で今から使うレクイエムは俺の背後にでる見えない黒い空間から見えない腐った感じの腕がいくつも出てくる。ちなみに俺の宝具は銃も弾もレクイエムだ。
俺は銃を構えた状態で腕を2本出してさっきから突撃してくるコボルトの足をゆったりと見えてその実すばやく動く。
コボルトは何か感じとったみたいだが、すでに遅い。その足を力強くつかんだ。
突撃しながら足をつかんだので周りから見れば勝手に転んだように見えるかもね。
ダァンッ!!と突っ込んできた方のコボルトの脳天に威力最大のマークスマンピストルの弾をお見舞いした。
その足には何かにつかまれたような跡だけが残る。
そしてもう一匹はすでに足をつかんで動けなくした。
動かない片足に対して必死に足を動かそうとしている。
……無駄だ。一度つかまえたら離さない…それがこのレクイエムの最大の特徴だ。
もう一匹にも頭に弾丸を食らわせた。
これで終わりだな。
「終わりました」
「………あ、ああ、よくやったな」
おや?なんかみんな顔が引きつってるな。
ともかく、これで俺もある程度戦えることが分かっただろう。
偶然だと思われるかもしれないが……と考えていると……
先生が近づいてきて、
「……ツクモ、さっきのは一体…」
「…?」
「…今の腕はなんなんだ?」
……驚いた、あのレクイエムが見えていたのか。
他のメンバーは……はっきりとは見えてなかったようだが、少しは見えていたようだ。
……おかしい、本来見えないはずなのに……あ、もしかして、魔力か。
レクイエムは一般人には見えないが、見ようと思えば見れる。
それは、魔力を使うこと…というか目に魔力や霊力、呪力などの力を込めたり、元々目に何らかの力を持つ奴が見える。
この世界では宝具という常時魔力を使っている状態にある。
だから見えたんだ。そしてだっき思い出したけど、先生は精霊魔法が得意なんだった。
精霊魔法は本来見えない存在を見るために最初に精霊視というものを覚えるらしい。
精霊視の使い方は目に魔力を込めて精霊を見えたり、感じたるようにする。
つまり、一番見えていたのは先生ってことになる。
なんせ、精霊視はやろうと思えば普通の霊ですら見えるようになる。
……さて、どう説明しよう?
精神最強のレクイエム 狂歌殺鬼 @kyoukasatuki
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