第3話 ダンジョンでの戦闘



現在、ダンジョン内…

洞窟型なので中は暗いはずだが、さすがダンジョンというか壁の一部が光っていた。ただ、先の方もちょっと薄暗いが、まあまあ見えてる。

しかも、ロトムの剣を振り回せるほどには広いにもかかわらず…である。


そんな俺たちはゴブリン2体と遭遇していた。

ロトムを前衛で戦い、その間、ブラウが魔法を使う。マロンが索敵し、死角から一撃かあるいは牽制程度の攻撃をする。オリビアは基本身体強化などの補助魔法を使って待機だ。

ゴブリンは2体ともボロボロな剣を持っていた。オリビアの身体強化をロトムとマロンにかけ、片方はロトムが相手をし、もう片方はマロンが牽制している間に、ブラウが魔法を撃つ。

そして、俺は後ろからマークスマンピストルでチクチクと撃つ感じで援護だ。


マークスマンピストルの本来の威力は単発だが、ハンドガンの中で最強の銃……なんだけど、俺の出しているマークスマンピストルは8発入る回転式弾倉でどちらかというとリボルビングライフルに近い(ライフルじゃないけど)。

しかも、宝具と一緒で呪いで作った武器なので威力も調節できる。

ちなみに、今のマークスマンピストルの威力は9㎜…具体例でいうとベレッタ並みの威力にしぼった。

だから、俺の役目は他の4人が危なくなったら、撃って気を散らせること…

というか、そのぐらいしかできない……


ロトムがゴブリンに剣を振り上げるようにして突っ込んだ。その後ろでブラウが杖を構えて魔法を使う準備をしていた。


「ハアッ!」


そして、1対のゴブリンに剣を振り下ろす。それをゴブリンがボロボロな剣で受ける。

……結構頑丈だな、あの剣…

とか考えていると、もう一匹がロトムの無防備な背中を襲った。

撃とうかと思ったが、その前にマロンがナイフで受け流した。

それを横目にロトムはそのまま剣を押し出して斬ったが、ゴブリンはよろけていたからかかすった程度のようだ。

だがそれを見てロトムは横へ移動した。すると、次の瞬間、水の矢がゴブリンの頭めがけて飛んで行った。

もちろん、ゴブリンは避けられないので水の矢は頭に直撃。

ゴブリンは倒れる。あとは、マロン側のもう一匹だ。

マロンは余裕でゴブリンの攻撃をさばいてたまに攻撃を加えている。

技術はマロンのほうが上っぽいな、そう思っているとブラウがもう一発撃っていた。

すでに弱っていたからか、避けられなかった。

水の矢が頭に直撃。即死だろう。

全員、初ダンジョンで緊張しているからか戦闘直後で気が緩んでいるか…全員、肩で息をしている状態だ。

みんな、笑顔で結構だが、油断はだめだ。


「……グアアァッ!」

「「「「……っ!」」」」


最初に倒したと思っていたゴブリンが襲ってきてみんな驚いている様子だった…騎士と先生、そして俺以外は……


ダァンッ!!


ゴブリンは空中で一瞬動きを止め、地面に落ちた。

その体には心臓部分に穴が開いていた。俺が撃ったのだ。威力を元に戻して…

全員戦闘態勢に入っていた。引率の二人も、メンバーの4人も…

対応が早いな…


「もう大丈夫だ」

「…あ、ああ、ありがとう。助かった」

「いや、俺なにもやってなかったし…」

「……いえ、そんなことないでしょう。周りを警戒したり、ロトムのことを助けようとしてくれましたよね?」


オリビアがそう言ってくれる。

……ていうかあれ分かったのかよ。半端ない洞察力だな…

引率の二人も戦闘態勢を解いた。

若干、怒りそうな雰囲気をまとっている先生を見て、ロトムが焦ったように「そ、それじゃあ、先に進もう!マロン、索敵を頼む」と先頭を進む。

マロンもそれに続いて前を行く。

俺を含めた残りの面々も後を追う。




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