クライマックス1-5『最終幕:福音と歌声』

▼行動値

21:マリー

16:アルギウス

6:稀生




GM:第3ラウンド、セットアッププロセス。全員なしだと思うので飛ばすね。

 イニシアチブプロセス。行動値21でマリーの手番。


マリー:マイナーアクションは宣言なし。

 メジャーアクションでコンボ【エンジェル・キッス】を宣言。

 攻撃対象はアルギウス。命中判定は(ダイスころころ)達成値40なの。

アルギウス:ガードを宣言。《自動触手》は……いや、これは稀生に取っておこう。ダメージ下さい。

マリー:ダメージロールは(ダイスころころ)60点ダメージなの。

アルギウス:ガード値で4点軽減して、56点受ける。


マリー:「そのダメージなら……!」


 銃口を敵の腕に向けるマリー。甲高い発砲音が響き、血の弾丸は"操演者"の腕に吸い込まれるように着弾した。

 直後、着弾点からアルギウスの血液が逆流を始める。それは、人体であれば構造的に耐えようのない致命の一手となる!


アルギウス:「ぐッ!? おぉおおお――!」

 血流の暴走を認識した瞬間、撃たれた腕を剣の破片で斬り落とす。

「ッ……ゥ……!」

 だが、時既に遅く。その弾丸は、アルギウスの身体に無視出来ないダメージを与えた後であった。


 全身から流血し、片腕を失い、それでも男は立っている。その尋常ならざる生命力は、ジャームと呼ぶに相応しいものだ。




GM:イニシアチブプロセス。行動値16でアルギウスが動くぞ。


アルギウス:マイナーアクション、宣言なし。

 メジャーアクションでコンボ【無尽剣舞】 / コンボ【6連剣舞】+《異形の祭典》《戦神の祝福》を宣言。

 攻撃対象はPC全員だ。命中判定! (ダイスころころ)達成値27……くっ、低い!

マリー:ドッジを宣言。(ダイスころころ)流石に無理か。失敗なの。

稀生:こちらもドッジ。コンボ【磁則回飛】を宣言して(ダイスころころ)達成値71でドッジ成功。

 次に、マリーの失敗したドッジに《運命の切り替え》を宣言。更に《反転する運命》を重ねて宣言する。これにより、代理ドッジが成功すれば……アルギウスの攻撃は敵自身に命中する。

 運命の代理ドッジ! (ダイスころころ)達成値63だ!

アルギウス:ぐっ……仕方ない。攻撃はアルギウスにのみ命中。ダメージ出すね。

 (ダイスころころ)90点……これはデカい!

 ガードもしていないので、90点ダメージを素通しで適用する。これにより最大HPを割り込むダメージを受けて、戦闘不能になるが……。

 《蘇生復活》を宣言して、HP1で復活する。


アルギウス:「こんなところで……まだだ。人類はまだ先へと歩き出せる。進化する事が出来る! そのための福音を……!」

 声を荒げ、切断した腕の断面から肉体を無数の糸として伸ばす。それは周囲に散らばる剣の破片に接続され、無尽の刃へと姿を変えた。

「ぐ、お、ぉおおお……ッ!」

 自らの処理能力を超えたレネゲイドの行使に苦しみ、それでもなお、敵対する者たちへと刃の嵐を解き放つ――!


 眼前に迫る致命の斬撃に、しかし稀生は挑発的な笑みで応じる。


稀生:「……悪いな"操演者"。その刃、奪わせてもらうぜ」

 摩天楼の屋上に刀を突き立てると同時、ブラックドッグとオルクスの能力で建物全体を電磁石へと変える。摩天楼に流れる電気の全てが、自動的に磁力を生み出し、稀生の力となっていく。


 ビル1棟を丸ごと使用した巨大な電磁石は、刃の嵐を反発によって天高く舞い上げ、そして――。


稀生:「――反転しろ」

 逆転した磁力が"操演者"の足元へと集中し、刃の嵐を誘導する。吸い寄せられ、加速する剣の破片が、"操演者"に降り注いだ。


 刃の雨が、FHの王を貫き斬り刻む。甲高い雨音が過ぎ去った後……それでもなお、その怪物は立っていた。


アルギウス:「ゥ……ォ……人の、可能性を……示さねば、ならぬ……!」

 うわ言のように、己の欲望を繰り返している。




GM:……終演の時だ。イニシアチブプロセス。行動値6で稀生の手番。


稀生:了解だ。マイナーアクションは宣言なし。

 メジャーアクションでコンボ【磁則斬道】を宣言。

 攻撃対象はアルギウス。そして命中判定の直前、タイタス化していたエイルのロイスを昇華。C値を-1する。

マリー:そこに虎の子の《ヘヴンアイズ》を宣言。達成値を増やしておくの!

稀生:ありがとう! では命中判定(ダイスころころ)達成値62……エイル!

エイル:最後の《原初の紫:妖精の手》を宣言。万感の想いを込めて、キミたちのために歌い上げる!

稀生:行けー! (ダイスころころ)達成値……122ッ!

マリー:全部乗っけるの。『バディムーブ』を宣言して、達成値を更に+3するの!

稀生:達成値、125で確定だ。

アルギウス:……ガードを宣言。

稀生:ダメージロール! (ダイスどばぁ)73点!

アルギウス:ガード値で4点軽減して69ダメージ。これで戦闘不能だが、最後にエフェクトを使用する。

 《復讐の領域》を宣言。稀生にも69点のダメージを受けてもらうぞ!


稀生:マリーに撃たれ、"操演者"が自ら断ち斬った腕の傷口にオルクスの因子を流し込む。

 血流に乗り、全身へと巡った磁力因子が、僅かな間、アルギウスに磁石の性質を帯びさせる。

「これは、白辺隊長の分だ」

 反発する磁力で浮き上がったアルギウスの手足を、周囲の刃が刺し貫く。

アルギウス:「ガッ……ァアアア!」

 磁力と剣による磔刑たっけいから逃れようとするも……既に、それを成すだけの力は残されていない。

稀生:「そして、これが」


 稀生が前に突き出した刀が、カタカタと音を立ててく。磁力によってアルギウスに引き寄せられているのだ。


稀生:刀を構える稀生もまた、少しずつ引き寄せられる。だが無茶をする度、彼は名前を呼ぶだろう。

「ッ……"ブラッディメアリー"!」

マリー:「人使いが、荒いのっ!」

 引き寄せられ、吹っ飛びそうになっている稀生の身体を支える。いつだって、何度でも。

 何故なら……彼だって、立派なレインズの家族なのだから!


 限界まで高まった磁場の中、歌声を受けて、若者たちは支え合う。


稀生:「これが……心を弄ばれた、エイルの分だ!」

 刀を定めた手を離す。周囲の磁力をカタパルトに加速した白刃が、"操演者"の胸に風穴を空ける!

すくわせてもらうぞ、お前の歌姫を」

アルギウス:「ァ……ガッ……すくわせはしない……我が、大望……人の可能性をォォォ!」


 風穴を空けられ、飛び散る肉片に紛れた、鋭利な骨。最後の力を振り絞って操られたそれが、稀生の脇腹を深々と刺し貫く。しかし――。


アルギウス:「ォ……ァ……」


 それが最後の反抗だった。リエゾンロードは、ここに陥落した。


稀生:「――可能性こころは、示されるものじゃない。信じるものだろ――」

 最後に、決然とそう口にして。稀生もまた崩れ落ちる。

 "明日"にロイスを取得。感情は、「●遺志 / 恐怖」だ。


 若き守護者たちは、明日を阻む支配者を打ち倒した。

 さあ、手を伸ばそう。未来へ、人の可能性を信じ、絆の光を灯すため――。

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