ミドル3-4『第二幕:束の間の日常』

GM:キミたちが再び街中を歩いていると、エイルが向こうに見える大きめの建物に興味を示す。

 それが最近出来たばかりのゲームセンターであると、キミたちは知っているだろう。


エイル:ちょんちょん、とキミたちの肩をつついて問いかける。

『あの大きな建物は何だろう?』

マリー:「あれは……確かゲームセンターなの。電子上の遊戯で勝敗を競う場所、の筈なの」

エイル:『なるほど。そういう場所もあるんだね』

 納得したように頷いた後、話題の建物にちらちらと視線を送っている。

稀生:では、そんな様子にニヤリと笑いかけ。

「せっかくだ、行ってみようぜ。マリーも詳しくは知らないみたいだし」

エイル:『わ、やった!』

 喜びを示し、その場でぴょんと飛び跳ねて見せる。声変わりのジェスチャーといったところだ。

マリー:「わかったの。行ってみるの」


GM:ではキミたちは、3人連れ立ってゲームセンターへと向かう。

 中に入ると、遊びに来ていた他の客や店内BGMといった喧騒に出迎えられるね。


エイル:『凄い。ここが全部、遊ぶための場所だなんて』

 目を輝かせ、興奮気味にペンを走らせる。

マリー:「目がチカチカするの……でも、ここではどうやって遊ぶの?」

稀生:「ゲームにもよるけど……基本的にはコレだな」

 財布から100円玉を取り出し。

「1枚毎に1回遊べるって形式がほとんどだ。2人とも、どれか気になるのはあるかい」


GM:では、ゲームで遊ぶなら、まずはこちらの判定を頼んだ。

 財産ポイントで達成値の後付けも可能だからね。俗に言う連コインという奴だ。




▼判定『レースゲーム』

〈運転:〉 5

※全員挑戦。1人でも成功すれば判定クリア。

※全員失敗時、配布経験点『エイルと日常を楽しんだ』の項目が1点減少する。

※エイルも判定に挑戦する。それぞれの達成値を比較し、レースの順位を決定。




GM:では、遊び慣れていそうな稀生に先陣を切って貰いつつ、続いてマリー、最後にエイルの順番で判定してみようか。


稀生:オッケー。と言っても〈運転:〉技能は持ってないから、完全にダイス目勝負になるな。

 (ダイスころころ)お、クリティカルして達成値15だ。

マリー:私もダイス目だけで挑戦になるの。

 (ダイスころころ)達成値8なの……負けたの。

エイル:こっちも〈運転:〉の技能値はないんだよね……。

 (ダイスころころ)達成値9だったよ。


GM:レースゲームの結果は……稀生、エイル、マリーの順番にゴールだね。


マリー:「……? 軍用車と違う。馬力が足りない上にタイヤが滑りすぎてるの? こんな挙動、現実では起こり得ないの」

 最下位でゴールという事実に若干むくれながら、言い訳を並べる。

エイル:『稀生、大人げない』

 少々のジト目で稀生を見つめる。

稀生:「あはは……ごめん」

 謝罪しつつも、微笑ましさに頬が緩んでしまいそうになるね。

エイル:『次でリベンジしよう、マリー!』

 ガッツポーズでマリーを元気付けようとするぞ。

マリー:「そ、そうなの! まだ勝負は始まったばかり。勝った気になるにはまだ早いの!

 次の勝負に移るの。案内すると良いの」

 稀生に指を突き付け、別のゲームを所望する。


GM:では次、こちらの判定だ。判定順はさっきと同じで良いかな。よろしく。




▼判定『クイズゲーム』

【精神】 5

※全員挑戦。1人でも成功すれば判定クリア。

※全員失敗時、配布経験点『エイルと日常を楽しんだ』の項目が1点減少する。

※エイルも判定に挑戦する。それぞれの達成値を比較し、スコアの順位を決定。




稀生:ノイマンだからな、【精神】ならそこそこ行けると思うけど。

 (ダイスころころ)……クリティカル。達成値19だ。

マリー:こ、こちらも振ってみるの。

 (ダイスころころ)……達成値8なの(震え声)

エイル:ではこちらも。例によって技能値はないけど。

 (ダイスころころ)達成値8だね。普通はこんなもんだよ……。


GM:ではスコアは、稀生がダブルスコアでトップ。女子組が同値で2位という結果だ。


マリー:「また負けたの……『アニメーション作品の登場人物を3人選べ』とか、マリーが知る筈もないの!?

 稀生ばっかり贔屓ひいきされてるみたいで面白くないの……」

 ゲーム台に突っ伏して、恨み言を繰り返すマリー。

エイル:『稀生、人でなし』

 大差が付いたスコアを見つめるエイルのジト目の度合いも、さっきより強くなっている気がするぞ。

稀生:「う……ごめんって」


GM:初心者狩りする中級者様ムーブかな……最後はこちらの判定をお願いするよ。




▼判定『コインゲーム』

〈調達〉 6

※全員挑戦。1人でも成功すれば判定クリア。

※全員失敗時、配布経験点『エイルと日常を楽しんだ』の項目が1点減少する。

※エイルも判定に挑戦する。それぞれの達成値を比較し、獲得コインの数を決定。




稀生:「さ、最後にあれとかどう……?」

 救いを求めて行き着いたのはコインゲーム! あれなら順位とか付かない!

エイル:『マリー、こうなったら何としても稀生を倒さなきゃ! 頑張ろう!』

マリー:「協力して稀生より多くメダルを集めるの! こうなったら恥も外聞も捨てて、予備の軍資金に手を出す事もいとわないのっ!」


 せっかく順位の付かないゲームを選んだのに、と内心で頭を抱える稀生。しかし、熱く燃え上がる女性陣の対抗心は、止められそうにない。


稀生:こうなりゃヤケだ! 『ミーミルの覚書』を『コネ:手配師』として使用。判定するぞ!

 (ダイスころころ)達成値11……今度こそ平和だね。ダイス目が空気読んだんだ、頼むぞマリー!

マリー:行くのッ! 唸れ、私の10面ダイス×2個……!

 (ダイスころころ)…………うん???

稀生:…………。

エイル:…………。

マリー:……全部1の出目……ファンブル、なの……ッ!

エイル:エイル、振るね。

 (ダイスころころ)達成値8だ。わーい。


GM:稀生、エイルがそこそこの枚数のメダルを集めていく中、マリーは……。


マリー:「…………グス」

 そこには今回の所持金を全額スッた挙げ句、メダルを1枚残らず使い切ったマリーの哀れな姿が。

エイル:『稀生がマリーを泣かせた。女泣かせ』

稀生:「俺なのか……俺だよな……ごめん。後でパフェ奢るからさ……」

マリー:「パフェが何かは知らないけど、大盛りにしたら赦すの……」

 膝を抱えて、残金0の財布という名の虚無を、無感動な視線で見つめている。

稀生:「取り敢えず、女泣かせ云々を隊長に報告するのは勘弁してくれ……後でエイルにも奢るから……」


GM:マリーの財布とプライドという尊い犠牲を払い、キミたちはゲームを楽しんだ(?)のであった……。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る