ミドル3-2『第二幕:束の間の日常』
GM:植物園。丁寧に世話された緑や、咲き誇る鮮やかな色が、キミたちを出迎える。
エイル:目を輝かせて、遠巻きに花壇を眺めているよ。
マリー:「……不思議な香りなの。甘いような、酸っぱいような、ちょっと鼻につく香り。血の臭いとは全然違う」
興味深そうに花の近くに屈み、香りを嗅いでいる。色彩よりも嗅覚の刺激の方が新鮮なようだ。
稀生:そんな2人の様子に少しばかり頬が緩む。
「標本とかじゃ味わえない香りだよな。生きてる証っていうかさ。
エイルもこっちに来てみると良いよ。そんな遠巻きに見てないでさ」
エイル:コクリと頷き、恐る恐る花壇に近寄っていく。そっと、細い指を差し出して……花弁にチョン、と触れる。
『凄いね。色も香りも、とっても綺麗』
興奮気味にペンを走らせ、キミたちに感動を伝えて来るね。
そんなエイルに、マリーはこっちに来いと手招きをする。そちらに視線を向ければ、マリーは体験コーナーと書かれた看板の下で、とある植物の葉を指で擦っている。
マリー:「これとかオススメ。指で擦ると、スースーする香りがするの」
鉢植えに挿されたプレートには、アップルミントの名前が記されている。
「そしてこれは、アップルミントに少し近い匂いがする花なの」
今度はカモミールの名札が付いた花を指し示す。その様子は、新しい発見を親に伝える子供のようにも見えるだろう。
エイル:なるほど、と興味深げにマリーの話を聴いている。
そんな2人の様子はまるで姉妹にも見えるかもしれない。どちらが姉かと問われると、微妙なところではあるが。
稀生:「アップルミントとカモミールか。それなら園内でハーブティーも楽しめると思うぜ」
マリー:「ハーブティー。お茶? 隊長が飲んでる番茶? とは違うの?」
稀生:「隊長の淹れる番茶も美味いが、ハーブティーは……いや、口で説明するのも無粋だな」
エイル:ぐきゅる~……。
小気味よく響いた音にハッと顔を上げ、何やら手振りでワチャワチャしているが……お腹が空いているのだろう。誤魔化しきれていない。
稀生:「ははは……じゃあ、行こうか。サンドイッチとかも美味しいらしいぞ」
エイル:む~、という表情を浮かべ、稀生を小突いてから後に続く。
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