ミドル1-2『第一幕:任務続行』
GM:先に退却していた仲間と合流したキミたちは、全身にいくつもの傷を負った壮一に出迎えられる。
壮一:「戻ったか。こちらはリエゾンロードと会敵、交戦したが……力及ばず取り逃がした。恐らくはニュクスも持ち逃げされている。
諸君の奮戦に報いることが出来ず、断腸の思いだ。申し開きはしない。謝罪は帰還の後に行なわせてもらう。
それで……彼女が報告にあった保護対象か」
壮一の視線がエイルへと向かう。その目の鋭さに、ビクリと身体を震わせるエイルだが。
壮一:「我々はあなたに危害を加える気はありません。難しいかもしれませんが、今はご安心下さい、お嬢さん。
"ブロークンコンパス"、"ブラッディメアリー"。取り敢えずはお前たちが側に付いていろ。こんな状況だ、1人では不安もあるだろう」
マリー:「了解。隊長が無事なら、問題ないの」
血塗れの身体で、薄っすらと笑みを浮かべる。しかしその表情は不安げなものへと変わり、傷だらけの壮一を心配そうに見つめる。
「けど隊長でも仕留めきれないとなると、リエゾンロードはやはり強敵。次は更に万全を期す必要がありそうなの」
壮一:「その通りだ。想像を絶する強敵であったのは間違いない。だが今は……よく生きて帰った。別働隊の救援も含め、よく働いたな」
無骨な労いの言葉に、マリーの表情が明るく変わる。
マリー:「お褒めに預かり光栄なの」 ふんす。
稀生:「ありがとうございます。隊長も、よくぞご無事で」
こっちは真面目に敬礼しながら答えるよ。
壮一:「こんな場所では、まだまだ死ねんというだけだ。さて……仕上げだ。敵戦艦の爆破轟沈を命じる!」
レインズ隊員:「了解。起爆します」
GM:壮一の号令に従い、別働隊が敵艦の機関部に設置していた爆薬が盛大に爆発する。その炎は各所に誘爆を引き起こし、船体に致命的なダメージを与えた。
轟音と共に炎上する戦艦。その巨体がゆっくりと海中に没していく。その様子を最後まで見届け、壮一は隊員たちを振り返った。
壮一:「リエゾンロードとニュクス。共に撃滅はならず。しかし、これ以上の追撃は部隊への深刻な負担となる。
よって、敵戦艦の轟沈を持って
マリー:「了解。"ブラッディメアリー"、これより休憩に入るの」
きっちり丁寧な敬礼で返す。
稀生:「了解。"ブロークンコンパス"、休憩に入ります」
同じく敬礼で壮一を見送った後、エイルに小声で話しかける。
「艦内は狭いけど、もう少し辛抱してくれな、エイル」
エイル:プルプルと首を横に振り、平気だよ、とキミたちに伝えようとする。
稀生:その様子に、ふっと笑い。
「良かった。じゃあ、案内するよ。転ばないように足元気をつけてな」
安全を期すため、手を差し出す。
エイル:『ありがとう。それじゃ、失礼するね』
筆談で断りを入れて、そっと稀生の手を握るエイル。少しだけ、彼女の震えが伝わってきた気がした。
マリー:「案内の前に、自己紹介をオススメするの。コードネームだけじゃ何かと不便が予想されるの」
呆れたように告げて、エイルに向き直る。
「コードネーム"ブラッディメアリー"。本名をマリー・クリフィス。好きに呼ぶの」
そこで
「マリーはこれからシャワーなの。案内も良いけど、必要なら付いてくるといいの」
それだけ言って、退出しようかな。
稀生:「ははは……作戦中だったから忘れてたよ。俺は志路原稀生。"ブロークンコンパス"は作戦時のコードネームだ。
せっかくだし、マリーに付いて行ってシャワーでも浴びてくるといいよ。温まれば、少しは落ち着けるんじゃないかな」
エイル:『ありがとう、稀生。マリーにも後でお礼を言わなきゃ。それじゃ、行ってくるね』
気丈にも笑顔を見せて、エイルはマリーの後に付いていくのだった。
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