オープニング1-2『第一幕:邂逅』

少女:《…………》


 床に座り込み、不安げな表情でキミたちを見上げる、1人の少女。


マリー:「アナタは何者? デュナミスの構成員なの?」

 視線に敵意がない事を察するも、銃を下ろさず問いかける。


GM:艦内で繰り広げられる騒乱に気付いていたのだろう。少女は乱入してきたキミたちを見つめた後、稀生に向けて意を決したように口を開く。


少女:《……たす、けて》


GM:その一言だけを発し、少女は口を閉ざす。恐怖に苛まれているからか、それ以上、彼女は喋ろうとはしない。

 少なくとも、敵ではなさそうだと判断出来るだろう。


稀生:「"ブラッディメアリー"、銃を下ろしてくれ」

 そっとしゃがみ、少女と視線の高さを合わせる。

「大丈夫だ、キミを安全な場所まで退避させる。だから心配するな」

 ここは戦場だと言うのに、そう笑いかけた。


GM:少女はコクリと頷くと、手近にあった紙とペンを手に取り、文字でキミたちに伝えてくる。


少女(以下、エイル):『ありがとう。私は、エイル』

マリー:油断せずに様子を見て、筆談で自己紹介を始めたところでやっと銃を下ろす。

「……相変わらず甘ちゃんなの。ここは敵陣で、作戦目標もまだ発見出来ていない。

 正直な話をすれば、彼女を保護する余裕はあまりない。それは理解してるはずなの」


 それでも連れて行く気か、視線が問いかける。その目は、味方である稀生に対しても氷のように冷たい。


稀生:「そうだな、余裕はない。逆に言えば、ここで見捨てればエイルは助からない。だから連れて行くんだ」

 見つめ返した視線は、鋼のような意志を感じさせるだろう。

エイル:何も言わず、ただ不安そうにキミたちの会話を見つめている。


 交錯する視線。しかし数秒もしないうちに、マリーの氷の如き冷たさはなくなっていた。


マリー:「……はぁ、わかったの。でもマリーたちは、この後も作戦行動を続けなきゃいけない。それは変わりないし、怪我や命の危険だってある。

 それでも、一緒に来るの?」


エイル:不安げな表情は変わらないが、それでも。

『うん、お願い。私、もうこんな場所にいたくない』

 細く丸みのある文字で、そう答えた。

マリー:「わかった、付いてくるの。"ブロークンコンパス"、彼女の護衛は任せるの」

稀生:「決まりだな。任せとけ」

 立ち上がり、未だ座り込んだままの少女に手を差し出した。

「立てるか、エイル?」

エイル:小さく頷き、稀生の手を取って、立ち上がる。

稀生:「俺から離れないようにな。それじゃあ行こう。作戦続行だ」

マリー:「了解。引き続き作戦展開に向かうの」

 部屋の外に出ようとするが、そこでエイルを振り返る。

「……気をつけて付いてくるの」


 思いがけない気遣いにポカンとした表情を浮かべるエイル。それを見届け、稀生は苦笑する。


稀生:「はは……ああいう奴なんだよ。だから大丈夫さ」

 エイルを促し、一緒に部屋を出ていこう。


GM:FHの戦艦で発見された少女、エイル。キミたちは彼女を保護しつつ、作戦を続行するのだった。

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