02話 ソフィアによる簡単ステータス解説講座
(それじゃ、早速だがステータスの解説を頼むよ。ソフィア)
《承知しました。説明方法の希望はありますか?》
(いや、ない。とりあえず一通り全部説明してくれ)
《……では基礎的なものは全て一覧化して表示します。その後、叡智者のような複数のスキルが統合された上位スキルなどを説明します》
(おう。それで頼むわ)
《詳細を開示します。
名前:上位存在から与えられる個体を象徴する言葉。
性別:男女、また雄雌の区別。
レベル:魂に蓄積される経験値によって上昇する強度、また熟練度を示す位階。
GP:グロウポイントの略。相手との戦闘が終了した際やスキルを一定回数使用した際に獲得出来る。
主にパラメータやスキルレベルの上昇、また新スキルの獲得に使用する。
種族:共通の特徴を持った生物の集団を示す。
ランク:個体の客観的な強度区分。種族ごとの格であるため、あくまで参考。
加護:上位存在から与えられる力。効果は常に発揮される。
パラメータ:レベルアップや鍛錬により上昇する。
最大HP:生命力の最大値。ダメージを受けると減少し、全損すれば死ぬ。
最大MP:魔力量の最大値。魔力消費行動で減少し、全損すれば気絶する。
STR:筋力。物理行動全般に影響。
AGI:素早さや瞬発力。速度全般に影響。
VIT:体の頑丈さや持久力。被ダメージ量や状態異常を受ける確率に影響。
INT:魔力の質。魔法威力全般に影響。
MND:精神力。洗脳や幻術など精神攻撃に対するレジスト成功率、また痛みや疲労感に影響。レベルアップでは上昇しない。
DEX:手先の器用さ。武器や魔法の命中率、生産行動の成功率、また攻撃の威力調整精度に影響。レベルアップでは上昇しない。
LUK:幸運度。あらゆるラッキーへの遭遇率に影響。魔法道具を使用しない限り生まれ持った数値からは一切変動しない。
技能:訓練などによって獲得した能力。
種族スキル:種族全体が生まれながらに持つ能力。
竜鱗Lv1:身を守る鎧。成熟しきっておらず鉄製武器の一撃を弾く程度の硬度。
リミットスキル:非常に強力だが、使用回数制限のある能力。使い切れば失う。
ユニークスキル:世界中で一人だけにしか宿らない唯一無二の強力な能力。
エクストラスキル:進化した能力。
超直感:あらゆる前兆を予知する天性の才能。ランダム発動ではあるが、予知した事象は確実に当たる。
以上になります》
(ふむふむ、やっぱリミットスキルはそういうことだったか。超直感は前世からのもんだけど俺が思ってた通りだな)
それにしても、上位存在か。
これって要するに親のことを言ってるんだと思うけど、ステータス曰く俺にはまだ名前がないらしい。ってことは、親がいないってことなのか?
まぁ、勿論前世の名前はあるが。
(まぁ……別にいいか。おけ! 次行ってくれ)
《YES,では女神の寵愛の詳細を開示します。
言語理解:あらゆる言語を理解し、自在に行使出来る。
即死無効:どれだけ強力な攻撃でもHP1で生き残る。連続で攻撃されれば死ぬ。
以上が主な能力です》
(おー、めちゃくちゃ助かるな。教会とかに行く機会があったらお祈りさせてもらうとするか。名も知らない女神様、ありがとうございます!! んじゃ、次頼む)
《YES,では色欲者の詳細を開示します。
好感度看破Lv1:対象が自身に抱いている好感度を大雑把に看破する。
感情操作Lv1:対象が自身へ抱く感情を大雑把に操作する。
以上が主な能力です》
(うん。……うん? あれ、案外エロくないな。確実にエロス方面だと思ったんだけどな。まぁ、大雑把とはいえ使える能力であることは確かなようだな。いやでも今の俺って竜なんだが……まぁ、別にいっか。雌の竜見て息子勃たせる自信はねぇけど今は関係ない。んじゃ、ソフィア。進化してどう変わったか、見せてくれや)
軽々しく言っているが、内心ドッキドキである。
進化前ですら破格と思わせてきた叡智者が、一体どんな変化を遂げたのか。
正直恐れてすらいる。自我に芽生えた以上ソフィアは一つの命だ。幾ら親であろうとも、幻滅されてしまう可能性がないとは言いきれないのだ。
まぁだからと言って、凄い奴ロールはやらないが。どうせバレるだろうし。
《YES,叡智之女神の詳細を開示します。
世界書:アカシックレコードへのアクセス権。
自動記録:知覚した全てを記録し、保存・貯蓄する。
解析創造:対象を解析する。必要条件が揃っている場合解析に成功したデータを創造する。その範囲はスキル・魔法・肉体にも及ぶ。
並列演算:解析したい事象を思考と切り離して演算を行う。
詠唱破棄:魔法などの詠唱が必要な能力を行使する際、自動的に裏で詠唱を並列処理するため一瞬で発動が可能となる。
隠蔽改竄:対象の情報を隠蔽・改竄する。
以上の6つが主な能力です》
(うひぁ~、すげぇなオイ。流石はソフィア。バランスブレイカーの名は伊達じゃねぇってか? 頼りになるぜ)
《恐縮です。有難う御座いますマスター》
(所でよソフィア。この詠唱破棄ってのは、俺が念じれば発動するってことか?)
《その通りです》
(なるほどな。う~ん……それだと周りから怪しまれそうだし、俺的にもなんというか今から使うぞって感じがしなくて微妙だな。技名とか叫びたい派なんだよ)
《では、攻撃スキル・魔法にキーワードを設定しますか? それならば高速発動が可能な上要望も叶っていると思いますが》
(いいな、それ! 採用だ。まぁ喋れるようになるまでは、キーワードシステムはお預けになっちまうがな)
ん? いや、よくよく考えたら成体になったってドラゴンじゃ喋れなくないか。
もしかして俺この先ずっと人と会話出来ない? 流石に同族であるドラゴンとなら喋れるとは思うけれども。
そんなことを考えていると、
《言語の行使が可能な種族と会うことが出来れば、それを解析しマスターの肉体情報を改竄し擬態することも可能です。ただし肉体が完全に擬態先のものと同一になるためドラゴンとしての能力は使えなくなります》
驚きの情報をソフィアが教えてくれた。
(うぇっ? 隠蔽改竄ってそんな使い方も出来るのか。すげぇな。まぁ今のところはいいや。そういうロマンプレイってのは、強い奴がやってこそ絵になるしな)
思わず変な声が出てしまったことは、まぁこの際スルーしよう。うん。忘れておいた方が都合の良い事もあるさ! きっと。
《承知しました。ではマスター、どう致しますか?》
(そうだな。まぁ、とりあえず腹ごしらえだな)
そうして、俺は動き出した。
向かう先にどんな化け物がいるのかは分からない。
だが俺はこの世界で生きていくと決めたのだ。いつまでも立ち止まってなどいられないし、いたくない。
聞けばいいじゃないかって? 実は動き出してからそれとなく聞いてみたのだ。
しかし流石のソフィアと言えど、俺がまだ知らないことに対しては答えられないらしい。
アカシックレコードはどうしたと思うだろ? 誰だって思う。俺だって思う。
実際、アカシックレコードというのは確かに全ての記録が載っている書物ではあるらしい。だがそれ自体ではなくアクセスする権利である以上、担い手の俺がそれを知覚している必要があるのだとか。
それもそうだと思った。
仮にGoogle先生(アカシックレコードver.)なんてのがスマホに搭載されていたとしても、使用者の俺はごく普通の一般人だ。名前も知らず、姿形も知らないような状態でどうやったら検索出来ると言うのだろうか。
そう。
つまるところ、知りたいことがあるならば検索出来る条件を揃える必要があるのである。
教えてもらったスキル等の効果も、名前が分かっていたから答えられたらしい。
だから不安だけど仕方ない仕方ないと言ったら仕方ないのである!(自己暗示)
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