1日目-6

 私と七海は昔からの物心ついた頃からすでに一緒だったわ。私の両親と七海の両親が仲が良くて自然と私と七海も仲良くなっていたわ。

 バスケを始めたのも一緒で小中、そして高校でも二人でバスケに打ち込んだわ。その中で私は七海との差を、一緒にバスケを始めたからこそ関じたわ。

 決定的だったのはこの学校に入ったときだったわ。七海は色々なスカウトを蹴ってこの学校に入ったけどそれは私がいたから。私にはスカウトなんてなくてこの学校の推薦を取るのが関の山だった。

 それで私は決めたの。七海の足を引っ張るくらいならバスケをやめようって。それで七海と別の大学に進むことにしたんだけどそれで七海と揉めちゃって。

 それで仲直りにって七海が持ってきたのがこの絆紡人形だったの。友情を永遠のものにする何て文言は信じられなかったけど仲直りをするにはちょうど良くて私は受け入れたわ。

 仲直りが目的ということもあって私たちはそれぞれ一回ずつやることにしたの。1回目は私が人形を作って隠して七海が探して2回目は役割を入れ替えてやることにしたの。

 2回目はまだやってないわ。わかっていると思うけど七海が見つけることができなくて失敗したから。それであの子責任を感じちゃって。

 安来さんが知りたいのは人形の作り方だよね。必要なのは手足のあるぬいぐるみと隠す側の体の一部、これは髪の毛とか爪とかよ。あとは紙とペンと糸と針、最後に自分が大切にしている物よ。

 まずはぬいぐるみ綿を半分くらい抜いて代わりに髪の毛とか入れて糸で縫い合わせる。そして今度はぬいぐるみの胸を開いてそこに大切なもを私の名前を書いた紙で包み込んで埋め込んでんまた縫い合わせる。これで特別な人形は完成よ。

 後の絆紡人形の手順は探す人が建物の外にいるときにその特別な人形を隠してそれを見つけてもらうだけよ。

 このお呪いをするにあたっていくつか決まりごとがあってまずは「絆紡人形は特定の場所で行うこと。共通の生活空間が望ましい」てので私たちはこの学校を選んだの。

 あとは「人形を隠す場所は見つからないと思う場所を選択すること」、「人形を探探せるのは1時間、それ以降人形を探してはならない」、「絆紡人形を行うものは特別な人形について他言してはならない」という感じかしら。

 今私は決まりを破っていることになるけど私はもういいかなって思ってる。これ以上やっても希望なんかにならない気がするから。

 ああ、私は掲示板の人と話したことはないわ。全部七海から聞いただけだしどういう人かも聞いてないわ。ただこの学校の生徒だってことしか知らないわ。

 七海に聞いてもたぶん話してくれないと思うわ。義理深い子だから秘密は何があっても話さないと思うわ。

 え? 人形の中身? そうね、確かに私にとって大事な物よ。私と七海の友情の証。私は七海にあげたい物を入れたのよ。

 人形の中身を取り出すまでが絆紡人形の流れだから。失敗しちゃったからその目論みも外れちゃったけどね。

 私が話せるのはこれくらいだと思うわ。

 ふふふ、礼を言うのは私のほうよ。何か人に聞いてもらったらスッキリしちゃった。

 これからどうするか私なりにもう少し考えてみるわ。それじゃあ残りの調査頑張ってね。

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