第14話 月曜日の勉強
「もう大丈夫?」
「うん…」
私が泣き止むと、未羽君は私に優しく声をかけてくれた。
「今日は勉強、どうする?」
「やる」
「うん。偉いよ。みなちゃんがやる気あるうちは僕も諦めないよ。みなちゃんのために精一杯頑張る。だから、頑張ってね」
「うん。ありがとう…」
また、泣いてしまった。早く泣き止まないと…私は、他の人よりも頑張らないといけないのに……泣いている時間なんてないのに……
「後でまた話し合いがあるけど、きつかったら無理に居なくていいよ。僕が絶対説得するからさ」
私が泣いてる理由が話し合いが嫌だからだと思っているのだろうか。相変わらず乙女心がわかっていない。好きな人にすごく優しくしてもらえたのが、嬉しくて泣いているんだよ。未羽君が私に味方してくれたから泣いたんたよ。未羽君が私を泣かせたんだからね。
「大丈夫。逃げない」
「うん。強い子だ」
「未羽君のばか」
「もう大丈夫そうだね」
「うん。大丈夫」
その後、私は1時間半未羽君に勉強を教えてもらう。いつもは2時間だが、話し合いや私が泣き止むのに時間がかかり30分持ってかれた。未羽君は30分延長するよ。と言ってくれたが、この後また話し合いがあるのに時間を延長してもらうのは申し訳なかったので未羽君からの宿題を代わりに出してもらう形になった。
未羽君に勉強を教えてもらう時間は本当に楽しくて幸せで、話し合いのことなんか忘れて集中できていた。だが、勉強が終わり未羽君が片付けを始めると話し合いの時間が近づいていることを感じて憂鬱な気持ちになる。
「みなちゃん、きついなら本当に無理しないでね」
「大丈夫だよ。だけどさ…」
「ん?」
「その、辛くなったら未羽君の手…握っていい?」
「それでみなちゃんが落ち着くならいいよ」
何でそんなこと言うのだろう。と言うような表情で未羽君は私を見たが、あっさりと快諾してくれた。私の部屋を出てリビングに向かう途中、私は震えてしまい咄嗟に未羽君の手を握った。
「無理そう?」
「大丈夫…未羽君のばか…」
「大丈夫そうだね」
私が未羽君のばか。って言ったら私が平常と言うように認識されている気がする。未羽君が乙女心わかってないからばか。って言ってるんだからね。なんか、私が口悪い女の子みたいになってるけど違うからね。未羽君が悪いんだからね。
でも、未羽君のばか。って言うとなんとなく落ち着いてしまう私がいるのも事実だった。
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