Second check
=Now Loading=
目の前にはやはり王様がいる。
というかこのゲームオートセーブなのか?
いやいや、そんなこと考える前に……。
「ヘルプ!」
まずは情報収集だ。スキルについて何か知らなくては。
「君は、異世界転生者なのだろう? スキルを見せてくれ」
「しばしお待ちを、王様」
そう言って、スキルについて書かれている項目を探し始める。
ええと、これかな?
「スキルはステータスの名前の下のスキル欄に表示されます。また、スキルは選択することで使用できます」
そういう仕様なのか。
しかし、僕にはスキルがないんだが!?
だからといって、このままもたもたしているとまた殺されてしまう。
「ステータス、オープン!」
そして、スキル欄を見ると……。
<スキル:なし>
やっぱりない、どうしよう。
しかし、スキルを王様に見せないことにはゲームが進みそうにない。
目の前のナイトはいらだっているようで、もうすでに剣を手に持っている。
早くどうにかしなくては……。
待てよ。
確かスキルは選択することで、使用できるとヘルプに書かれていた。
もしかすると、この『なし』が実はスキルだったりして……。
焦った僕は冷静なときには考えないであろうありえないことを思いついた。
やってみる価値はある。なにより何もせずに死ぬよりはましだ。
僕はスキル欄の『なし』を選択した。
すると……何も起きなかった。
まあ、『なし』がスキルなわけないか。
「おお、それがそなたのスキルか」
え?
王様はどうやって僕のスキルがわかったんだ?
スキルを使用したら勝手にゲームが進むようになってるのか?
いや、何も起きてないからスキルは使えていなかったはずだ。
それとも、『なし』だから使用しても何も起きなかったのか?
スキルにはわからないことが多くあったが……。
「そなたには、悠久の眠りより復活せんとす魔王を倒してもらいたい」
王様が話し始めた。ここで聞き逃すと後でろくなことにならない気がするので、話に集中する。
「まずは魔王の幹部のうち、何体かを討伐せよ」
これが最初の目標か。にしても、ずいぶんざっくりしているな。
「幸運を祈っているぞ、勇者よ」
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チュートリアルが終了したときと同じく再び世界が暗くなる。
次はどこで目覚めるのやら……。
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