Sixth try

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 ここは……懐かしのあの部屋だ。

 チュートリアルが始まる前に情報を整理しよう。

 どうやらここがゲームの世界だということがわかった。

 そして、真相はどうあれ今のところ僕はこの世界から出られない。というか脱出方法がわからない。

 とりあえず当面はゲームクリアを目標にしてみるのもいいかもしれない。

 もしかしたら、それで元の世界に帰れるかもしれない。

 しかし、まずは……。


「チュートリアルを開始します」


 おっと。

 久しぶりだね、ナイト君。


「まずはステータス画面を出してください」


 僕はゲームを進めるために指示に従う。


「ステータス、オープン!」


「次に、アイテムから革の防具を装備してください」


「あ!」


 まずい、アイテム欄がバグ(?)っているんだった。

 しかも解決方法を調べるのを忘れていた。

 ここはヘルプを出して……、いやそんな時間はもうないだろう。

 ここは一か八か、以前と同じアイテムを選択したほうがいいかもしれない。またあの灰色の世界に行くことができれば、システムを再構築するまで時間を稼ぐことができる。

 そう思い、あのアイテムを探そうとしたがここで大変なことに気づく。

 あのアイテムの名前なんだっけ?

 土壇場で適当に選んだ、しかもバグっているアイテムの名前なんか覚えているはずがない。

 仕方なく、一番上のアイテム名が緑色の何かを選んでみた。


 <鉄の防具が装備されました>


 なんと、鉄の防具だったようだ。

 が、探しているのは革の防具だ。

 このゲームのことだから……。


「チュートリアルでの放置行為を確認。処罰します」


 やっぱり?

 アイテムが違うとチュートリアルを進めてくれないみたいだ。

 だが、今回は鉄の防具がある。

 そう簡単には……。


 グサッ。

 

 どうして、剣が防具をすり抜けるんだよ!?

 このナイトはチュートリアルだから特別仕様になってるのか!?

 そんな声にならない叫びを胸中に抱きながら、僕は再び眠りについた。

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