第2話 四季巡り また人出会い 散りゆく運命

あれから、時が2日過ぎ、土曜日となった。

朝7時

『うぅーん』

と、いつもの様に、気だるそうに起きる僕は、時計を確認し、7時であることを確認した。

『今日は、朝10時から、僕の家に、待ち合わせで、夢幸駅に、行くんだっけ?』

なんて言いながら、部屋を出て、洗面所に向かい、顔を洗ってから、台所を経由して、リビングに向かった。

『今日は、ままはまだ、寝てるから、自分でご飯を用意しないと』

と言って、台所に戻り、食器棚から茶碗を取って、炊飯器の上に置いてあるしゃもじを取り、炊飯器を開けて、ご飯を持った。そして、それをリビングにあるテーブルに置いて、座り。

『頂きます』

と言って、ごはんを食べた。

そして、食べ終わると、シンクに茶碗を置いておいて、2階の自分の部屋に戻った。

それから、時間まで、ゲームをしていた。

『今日も、格ゲーの、まだ時間あるし、オンラインで、マッチングでもしようかな』

何て言いながら、ゲームを起動し、オンライン対戦のマークをクリックした。

『よし、それじゃあやるか、何か、強そうなやつが来たな。まず、5コンボ入れたいから、とりあえず、カウンター狙う為に、ガードするか。』

そして、相手が、攻撃の反動で、動けないチャンスが来た。

『よし、チャンスだ!』

と、言ってガードを解除すると、相手は、即座にコマンド入力しを決めて、一発大ダメージが入ってしまった。

『クソ、反動で動けないんじゃないのかよ。いや、でもあの敵は、反動タイム、1秒だから、僕の入力が遅かったのか!もっと練習しないと!』

と、朝からこんな感じで格ゲーで時間を潰していた。

そして、そんな事をやっている内に、外に出る時間がやって来た。

『もう、9時55分か。そろそろ準備をして出ないとな。』

なんて言って、ドアの横にあるタンスから、今日着ていく黒いスウェットと、半そでのTシャツを取り出し、急いで着替え、床に置いてあるリュックの中身を確認した。

『えっと、財布に、水筒、これがあれば大丈夫でしょう』

と、言いながらリュックを背負い、部屋を出て、階段を降り、

『行って来ます!』

と言って、ドアを開けて、外に出た。

そして、影太も、同じタイミングで出てきた。

『おはよう。それじゃあ行こうか』

なんて言って、夢幸駅に向かった。

そして、30分くらい歩き、着いた。

『よし、まずは、電気屋だっけ?』

と、僕は、聞くと、

『うん』

と、返してきたので、まずは、改札口の目の前にある、自動ドアからお店に入り、電気屋さんを探して行った。

『5階にあるらしいね』

『うん。楽しみだなぁ』

みたいな感じで、エレベーターに乗りながら、話していると、

『5階です』

なんて、音声が流れ、ドアが開いた。

『着いたみたいだよ』

『うん』

そして、エレベーターを降り、電気屋さんに入った。

そして、

『多分、ゲーム売り場は……。あそこの右側の端っこの方に、ゲーム売り場って書いてあるよ。行こう』

なんて言いながら、僕は、その場所まで、スタスタと歩いていった。それに影太も、

『うん』

と言って、着いてきた。

そして、ゲーム売り場に着くと、

『えっと、SOGは、どれだ?』

なんて二人で探していると、店員さんが、話しかけてくれたので、

『あの、SOGってゲーム機どこですか?』

と、聞くと、

『あー。あれはそこですよ』

と、案内をして、指を指して教えてくれた。

『ありがとうございます』

『いえ』

『で、影太。どうする?』

『うーん。3万円かー。どうしようかな?よし、欲しいし、今、お金あるから買うか』

なんて言って、さっきの店員を呼んで、会計をしに行った。

そして、会計が終わり、電気屋から出ると、

『あんなに即決で決めて良かったの?』

『うん。だって、欲しかったし』

と、影太に聞くと、こう返ってきたので、

こんな高い物を即決で決めちゃうなんて、凄いなー。

なんて、内心思っていた。

それから、色々なお店を巡り、時刻は5時

『もう5時か、時間が過ぎるのが早いね。それじゃあそろそろ帰るか』

なんて言いながら、また30分くらい掛けて、家に帰った。

そして、次の日の朝、

ピンポーン

と言う音と共に僕は目を覚めた

『こんな朝早くに、誰だよ』

と、思いながら、部屋を出て、階段を降り、玄関のドアを開けると、そこには影太がいた。

『昨日買ったゲーム、何にも出来ないんだけど、どうすれば良い?』

と、聞いてきたので、

『初期設定はした?』

と、聞くと、

『一番最初に、あれしてこれして言われるやつ?』

と、聞き返されたので、

『うん』

と、言うと、

『それはやったよ』

と、言われたので、

『それじゃあ、ゲームをインストールしてないんじゃないの?』

と、聞くと、

『何それ?』

と、言われたので、

やっぱりか。

と、思って説明した。

『ゲームで遊ぶには、ソフトってやつをお金を払って買わなきゃ行けないんだ。それは、昨日行った、電気屋にも売ってるし、それ以外に、Pカードと呼ばれるカードが、色んなお店に売ってるから、それを買って、ゲーム機を起動して、Pショッピングに入ると、色んなゲームがダウンロード版で買えるから、まずは、それをして見るといいよ。因みに、Pショッピングには、無料なゲームがある時もあるから確認してみてね』

と、言った。すると、影太は、

『分かった。ありがとう』

と言って、自分の家に戻って行った。

そして、僕は、玄関の鍵を締め、

『ふぁーぁ』

と、大きなあくびをしながら、2階の自分の部屋に戻り、もう一眠りした。

それから、さらに時が過ぎ、8月中旬の夏休み、蝉の鳴き声が鳴り響く中、僕は、虫取りに来ていた。

『おい、陽太!こっちにアブラゼミ見つけたぞ!』

なんて、なんの虫がいたか、報告し合いながらやっていた。

僕達の住んでいる町は、公園が多いので、虫取りや、色んな遊びが沢山できる環境なのだ。

それで、なぜ虫取りをしに来たのかと言うと、影太が、昨日突然、家に来て、

『ねぇ、明日、虫取り行かない?陽太との思い出、沢山作っときたいし、せっかくの夏休みだからさぁ!』

と言って来て、突然だったが、何も用事が無かったので、

『良いよ』

と、答えた。

そして、今に至る。

『ねぇ、今から、誰が1番虫を取れるか勝負しない』

と、言ってきたので、

『良いよ』

と、答えた。

それから、この公園には、木や、草が生い茂っている場所が多いので、その、茂みに入っては、居そうな所を確認してを、何回も繰り返し、カブトムシや、クワガタなどの、人気の高い昆虫は、取れなかったが、バッタや、カマキリ、蝉などは、とにかく大量に取れた。そして、影太のいる場所に行くと、

『もう取れたのか?早いな。それじゃあ、そろそろお互いのとった虫を見るか。』

という感じで、近くに、木の椅子があったので、そこに虫かごを置き、二人で採った昆虫を、眺めていた。そして、

『見た目的に、陽太の方が、多そうだな』

と、言われ、この勝負は、僕の勝ちとなった。

それから、

『可哀想だから、逃がすか』

と、影太が言ったので、僕は、

『うん』

と、答え、二人で虫かごを開けて、逃がして上げると、次は、どこに行くか?という話になったので僕は、お腹が空いたので、

『まず、ここでご飯を食べようよ』

と、言うと、

『うん。そうだな』

という話になり、虫かごを乗せた、木の椅子に座って、ご飯を食べる事になった。

僕達は、椅子に座り、リュックの中から弁当と水筒を取り出すと、蓋を開け、ゆったりと食べ始めた。

『お!陽太の弁当、たこさんウィンナーとか、唐揚げとか、卵焼き入ってるじゃん。全部俺の大好物なんだよな。いいなー』

『影太のは?』

『俺はな、魚の煮物と、芋の煮っころがしにご飯』

『何か、和って感じの料理だね』

『うん。一つ、食って見るか?美味いぞ』

『うん。じゃあ僕のも、卵焼きを一つあげるよ』

みたいな感じで、話しながら食べた。

そして、食べ終わると。

『よし、それじゃあ、午後は、この街を散歩するか』

と、影太が言い始め、僕は、

『うん。良いよ。それじゃあ、最初は、この近くに駄菓子屋があるから行こう?』

『うん。良いよ!』

みたいな感じで、町を、散策する事になり、まず始めに、駄菓子屋に行く事になった。

そして、駄菓子屋につき、店に入ると、

『おぉ!初めて来た。なんだここ?子供用のおもちゃとか、お菓子がいっぱい』

『駄菓子屋さんも初めて来たの?』

『うん!』

『そうなんだ。じゃあ、色々見てまわろうか』

2人で話しながら歩いていると、影太は、

『あれも食べたい!これも食べてみたい!』

みたいな感じで、どんどん商品を、カゴに入れて、レジに運んで行った。

『会計は、二千円です』

と、僕は、駄菓子屋で聞いた事の無い値段を聞き、びっくりした。

そして、会計が終わると、

『よっしゃ。満足。次はどこに行く?』

と、言う話になった。

それから、僕達は、ゲームセンターや、河原など、色んな所に行った。

そして、夕焼けチャイムが鳴り始め、

『もうそろそろ、帰る時間か。それじゃあ、帰るか』

と、僕達は、帰路に着いた。

そして、家に帰ると、僕は、

『いやぁ、今日は、沢山歩いて疲れたし、飯食って、風呂入ったら、寝ようかな』

なんて言いながら、僕の一日は幕を閉じた。

そして、また時が過ぎて、季節は秋。

僕達は、学校の文化祭で、何をやるかを決めていた。

『それじゃあ、このクラスは何をやる?』

と、学級委員が。そして、

『お化け屋敷とか出来る?』

『オセロとか、アナログゲームが出来る、ゲームコーナーとかは?』

『教壇の上で、演劇とかもいいんじゃない?』

と、たくさんの案が出てきた。

そして、この3つの案に、絞られた。

『じゃあ、ゲームコーナーと、演劇と、お化け屋敷の3つの案から選んで、僕が言ったら手をあげてね』

と、言うと、学級委員は、5分程待つと、

『それじゃあ、行きます。まず、お化け屋敷がいい人』

『はい』

と、5人くらいが手を挙げた。

『じゃあ次、ゲームコーナーがいい人』

『はい』

15人位が手を挙げた。

『じゃあ、ラスト、演劇がいい人』

『はい』

と、10人の人が、手を挙げた。

なので、

『それじゃあ、このクラスは、ゲームコーナーをやるから、1週間後の、月曜日から、準備をするからね。それじゃあ、まだ早いけど、終わりにして、自由時間にしようか』

と、学級委員の一声で、

『やった〜!15分も早い、休み時間だー!』

なんて言う声が、周りから聞こえて来たのを聴いて、学級委員は、

『外には出ない様にね』

と、一言注意喚起をしてから、席に戻った。

それから、時がまた過ぎ、1週間後の月曜日

『良し、これから、文化祭までの3日間、準備を頑張ろう!』

と言う、学級委員の一言で、クラス全員、準備を始めた。

『それじゃあまず、看板を作る担当を決めよう。それじゃあ、クラスの3分の1の、10人は、看板のデザイン、それをクラスの外の、この教室の、壁に、貼り付ける作業、黒板のデザインをお願い。それから、看板と、黒板の真ん中に、大きくゲームコーナーの、文字を入れてね。後、必要な、画用紙、折り紙とか、和紙とか、色鉛筆とか、マジックペンは、全て、教壇の上に置いておくから』

と言うと、

『うん!』

と、元気よく返事をして、行動に移した。

『じゃあ次、今度は、この中の半分の、10人は、この教室全体の掃除と、机、椅子などの備品の移動、DVDプレイヤーを使った、音楽を流す担当で、備品の位置は、僕が指示をするので、まずは、掃除をよろしく』

『はい』

と、返事をして、取り掛かった。そして、僕と、影太は、

『それじゃあ、ラスト、ここに残った全員は、当日の教室、お客さんの整備、輪投げや、オセロ、チェス、トランプ、花札などを、先生に、交渉して、借りてくるから、それの設置をお願い』

と、頼まれた。

そして、僕達は今は、やることが無く、ぼーっと、している中、他の仕事をしている皆は、上手く連携を取りつつ頑張っていた。看板を作る前に、掃除をしてから、材料の、紙などを、床に置き、作業をしていた。

そして、こんな感じの分担で、準備は早く終わり、当日がやって来た。

僕と、影太は、教室、お客さんの整備が仕事なので、午前中は、自由行動の時間が無く、この担当の半分、5人で頑張っていた。

そして、午後1時、交代の時間がやって来た。

『それじゃあ、そろそろ交代の時間だよ』

と、午後担当の、5人に言われ、僕達は、接客の時に付けられたエプロンを脱ぎ、教室から出た。

『やっと、自由時間だな!いやぁ、腹減った。まずは、屋上行って、飯食うか』

『うん』

なんて、影太と話しながら屋上へと行き、お弁当を食べると、

『それじゃあ、どこ行く?』

と、影太は、校門に入った時にもらったパンフレットを開いた。

『よし、それじゃあまず、この、3の1の教室の、怪談話に行って見るか?』

と、言われ僕は、

『良いよ。怪談好きだし』

と、言って、行く事となった。

そして、怪談を聞き終わると、

『いやぁ、怖くて体が震えたは、特にあの、人を呪わば穴二つの話なんか、やばかったよな』

『うん』

『それじゃあ、次、どこ行くか?じゃあ、次は、2年のフロアを責めていくか』

みたいな感じで、僕達は、

あれやりたい!これやりたい!ここ行きたい!

と、2人で言い合い、2人の行きたい場所を、順々に周って行った。

そして、4時、文化祭が終わり、次々と、店を閉めて行った。

そして、僕達も教室を片付ける為に、戻った。

『いやぁ、終わったな。いろんなところ周れて楽しかったな。これで、明日からは、また、通常の授業か……』

と、影太は、嘆いていた。

そして、片付けが終わると、

『それじゃあ、帰るか』

『うん』

と、言うと、僕と、影太は、学校を出て、帰路に着いた。

『この、文化祭が終わった後の静けさって何だろうな?』

と、影太は、少し寂しそうな、顔をして言っていたのを見て、

相当楽しかったんだろうな。

なんて、思っていた。

そして、家に帰り、1日が終わった。

そこから更に時が過ぎ、元旦がやって来て、僕は、影太と一緒に、初詣に来ていた。

『あけましておめでとう!』

『うん。おめでとう!』

と、新年を挨拶をしてから、僕達は、夢幸神社に向かった。そして、手水舎で清めてから、お参りを済ませると、

『ねぇ、おみくじ買わない?』

と、言って来たので僕は、

『良いよ。二人でどっちの方が、いいのが引けるか勝負だ!』

なんて言って、おみくじを持っている、巫女さんの所へ向かった。

そして2人で、

『おみくじを1つずつ下さい』

と、言うと、

『はい、600円です』

と、言われ、2人で300円ずつ払い、2枚受け取った。

それで、2人で、同時に開くと、

『うわぁ、末吉か。まずまずってところだね。影太は、』

『俺は、大吉だった!』

『そうかー。負けたわ。凄いね大吉引くなんて。僕なんて一回も引いた事ないよ』

と、2人で話しながら、木に結んだ。

そして、

『そろそろ行くか』

なんて言って、鳥居を潜り、長い階段を降り、その神社を後にした。

『それじゃあ、これからどうする?』

『うーん。すること無いし、ままに交渉して、家くる?』

と、僕が言うと、

『うん』

と、返して来たので、僕達は、僕の家に向かい、家に入って、

『まま!』

と、玄関に呼んだ。すると、

『何?』

と、来てくれたので僕は、

『あのさ、今から影太を家に呼んでもいい?』

と言うと、

『良いよ。』

と、言ってくれたので、僕は、ドアを開けて、影太に、

『良いって』

と、言って、影太を家にあげ、僕の部屋で遊んだ。

『良し。また、ゲームをするか』

『うん』

なんて言いながら、ベッドの下にある、引き出しからゲーム機と、ソフトを取り出し、新年早々ゲーム

『今年、初ゲームだね』

なんて、言いながら、ゲームをやり始め、夕方の6時頃位まで、ずっとやっていた。

途中、12時位に昼ごはんを持って来てくれて、それを2人で、食べながら、やっていた。

そして、帰り際、影太は、僕のままに、

『今日は、昼ごはんまで、ありがとうございました。お邪魔しました』

と言って、帰って行った。

そして、僕は部屋に戻り、片付けをしてから、

『夜ご飯の時間まで寝るか』

なんて、言いながら、ベッドに寝転がり、眠りについた。

それから、僕達は、2年に進級しても、3年に進級しても、同じ様に、2人で、沢山遊び、時には、影太の家に、遊びに行ったり、時には、隣町まで行ったり、河原で水遊びをしたりと、とにかく、2人で、色んなことをしたり、6年生の最後に、卒業式をしたりした。

それから、中学に入学してからも、同じ様に、僕達は変わらず、色んなことをやって遊んで思い出を作った。

あっ!でも、中学3年の時は、結構大変だったかも。

僕達は、1年後に控える受験の為に、必死で勉強した。

そして、勉強が主体となり、遊ぶ事が減り、学校でも、ずっと勉強をする様になった。

そして、僕達は、この間は、帰り道以外は、殆ど話す事が無くなり、話の内容も、受験の事ばかりだった。

『いやぁ、凄く緊張するね』

『うん』

なんて、二人で、受験勉強のストレスから良く、勉強について愚痴るようになった。

『勉強って、面倒臭いよな。何でやんなきゃ行けないんだろう』

『ねぇ』

なんて、ため息をつきながら。

そして、そんな事を言いつつも、勉強を頑張っている中、刻一刻と、受験の日にちが迫ってきて、当日、2人は、同じ学校に受験する為、2人で、会場の、夢幸高校へ、向かった。

2人は、

ドクン!ドクン!

と、緊張を、胸に表しながら、2人で少しでも緊張が和らぐように、楽しい話題を話していた。

『ねぇ、今度の新作ゲーム、買いに行く?』

『うん』

とか、明らかに緊張しているような様子で、声を震わせていた。

そして、受験が終わると、

『いやぁ、意外と解けたね!問題』

『うん』

なんて言いながら、無事に受験も終わり、緊張が解けたのか、2人は、饒舌に、受験の話をしながら帰って行った。

2週間後

今日は、受験の結果発表の日。僕は、あんだけ頑張ったし、きっと合格しているだろうと、慢心的な心持ちで、結果発表を行う、夢幸高校へと、影太と、僕のお母さんと、向かった。

そして、僕は、受験票を確認しつつ、張り出された番号を確認した。すると、

『1963、1963っと……やったー!あったー!』

と、僕は、すごく喜んだ。そして、影太も、自分の番号が見つかって、凄く喜んでいた。そして、僕のお母さんも、

『やったね!今日は、お寿司でも頼もうか。影太君もどう?』

『はい。ありがとうございます』

なんて行って、夜は、影太を招いて受験合格お祝いパーティをする事となった。

そして、3人で、僕の家に行き、僕と影太は、僕の部屋で、夜まで遊んだ。

そして、

『夜ご飯の時間だから、下に降りてきて』

と、お母さんに言われ、僕達は、下に降りると、豪勢がものが、食卓に並んでいた。

『今日は、お祝いだから、お寿司と、ターキーレッグ、ピザを、出前で頼んだよ!いっぱい食べてね』

と、言われたので、僕は、

『わぁ、凄い!ありがとう。頂きます』

と、陽太。

『わぁ!こんなに凄い!ありがとうございます!それでは、頂きます』

と、言って、

美味しいね。

なんて、言いながら、食べた。

そして、受験も終わり、中学校生活で、後、残っているのは、卒業式。

次の日から、卒業式の準備が始まった。

『いやぁ、あともうちょっとで、この学校ともお別れか。色んな思い出作ったよね。今まで、日常の中に普通に存在していたこの学校と別れるのは、少し切ないね』

なんて、2人で話しながら、練習に、臨んでいた。

そして、3週間位かな?の、練習期間を経て、卒業式の、当日を迎えた。

朝、僕達は、いつも通りに一緒に登校していた。

そして、学校に着くと、教室の黒板には、

『卒業おめでとう!』

と、大きな文字で、カラフルに書かれていた。

それを見た、僕達は、

『今日、僕達、本当に卒業するんだね』

『うん』

なんて、切なげに言っていた。それから、机の上に置いてあった、卒業アルバムを、2人で見ながら、こんな事あったね!あんな事あったね。何て言いながら、この学校であった事を振り返っていた。

そして、そんな事をしていると、とうとう、学校が始まる時間が来た。

キーンコーカンコーン

と、チャイムの音と、同時に先生が、教室に入ってきて、

『これから、ホームルームを始めます。号令を、陽太、お願いします!』

『はい!起立。気を付け。礼。お願いします』

『はい。それじゃあ、今日は、卒業式です。皆さん、今日でこの学校に来れるのは、最後ですので悔いの残らない様にして下さい。そして、今から、20分後の、8時50分になったら、体育室への移動を始めます。これで話は以上です』

と、言ってホームルームが終わると、教室から出ていった。

そして、僕達は、

『始まる前に、トイレ、済ませておくか』

と、言って、僕達は、教室を出て、トイレに行き、用を済ませた。

そして、教室に戻り、自分の席に着いてから、

『まだ、残り15分位あるね。何する?』

『最後だし、学校を、巡ろうよ』

『そうだね。それじゃあ、まずどこ行くか?』

『うーん……図書室とか、良いんじゃない?』

『そうだね。授業でもよく使ってたし。見ておきたいね』

何て話して、教室を出て、図書室へ、向かった。

そして、図書室に着くと、

『ここで、国語の授業とか、テストの時に、使ったりしてたよね。静かで、凄く快適だったな』

『うん』

『それじゃあ、中、入れるかな?』

『あ!中、入れるっぽいよ』

『じゃあ、入ろうか』

と、言って図書室を、ガチャッと開け、中に入った。

『いやぁ、こことも今日で、お別れかぁ』

なんて2人で言いながら、沢山並んでいる、本や、中央に、数台置いてある、椅子と、広めのテーブルを、一つずつ見て行き、本を、一冊手に取って、それを眺めた。

『この図書室、ライトノベルとかも置いてあるから、こういうの、時々読みに来てたんだよな』

なんて言いながら、椅子に座り、

『最後だし、少し読むか』

なんて言いながら、読み始めた。

そして、10分くらい経って、

『そろそろ行かないとやばいよ』

と、僕が言うと、

『そうだね』

と言って、本を閉じ、元に戻した。

『それじゃあ、行こうか。』

と言って、図書室を後にすると、僕達は、急いで教室へ戻った。

そして、間に合った3分くらい余裕を持って、間に合った僕達は、教室で、最後に自分の椅子に座り、横たわった。

そして、時間が来ると、先生が、教室に入って来て、

『それじゃあ、そろそろ行くので、行くので、廊下に整列して下さい』

と、言われたので、僕達は、

ばいばい。

と、心の中で思い、教室を後にした。

そして、並び終えると、体育室へ移動した。

そして僕達は、体育室の外で待機をし、クラスが呼ばれたら入場をして、花のアーチを潜ると言う感じだった。そして、鉄パイプの椅子に座ると、

卒業式が始まった。

卒業証書を渡されたり、校歌を歌ったり、校長の、長い挨拶、来賓の言葉などを聴き、

卒業式が終わった。

そして、教室に戻ると、先生が、

『それじゃあ、帰りの準備をして下さい。それが終わり次第、最後のホームルームを始めます』

と言って、教壇の上で、言った。

そして、僕達含め、クラスメイトは、急いで帰りの準備を始めた。

そして、それが終わると、

『それでは、最後のホームルームを始めます。まず、皆さんに、通知表を、渡したいと思います』

と言って、先生は、一つずつ、渡して行った。

そして、それが終わると、

『それじゃあ、話を始めます。私は、このクラスの担任で、本当に良かったと思います。修学旅行に行ったり、授業中、たまに雑談したり、時にはクラスの人の相談に乗ったり、このクラスに入れて、いい思い出が、いっぱい作れたと思います。高校に行っても、忘れないで欲しいです』

何て先生は、最後に声を掛け、

『それじゃあ、お別れの時間です。皆さん、立ってください。』

と、先生が言うと、皆、一斉に立った。

『一年間、ありがとうございました!さようなら』

と、先生が言うと、続けて、

『さようなら!』

と、皆、言って、解散した。

そして、僕達は、学校を後にし、一緒に帰った。

その時に影太が、

『ねぇ、この後遊ばない?』

と、言って来たので、

『良いよ』

と、答えると、

『ありがとう。じゃあ、迎えに行くね』

と、言われた。

そして、家に着くと、僕は、自分の部屋に行き、ランドセルを置くと、

ピンポーン!

と、音が鳴り響いたので、

はや!

何て思いながら、僕は、玄関へ行き、扉を開けた。

『それじゃあ、行きたいところが何ヶ所かあるから着いてきてくれ』

と、言われ、僕は、

『うん』

と言って、外に出て、扉を閉めた。

『それで、何処に行くの?』

と聞くと、

『今までの思い出を巡りたい』

と、一言。それを聞いた僕は、

『分かった。それじゃあ行こうか』

と言って、影太について行った。

まず行ったのは、夢幸神社だった。

『ここ、覚えてる?』

『うん。小学1年の、初詣に行ったね』

『うん。おみくじを引いたりしたよね』

『うん』

『それじゃあ、次の場所に行こうか』

『うん』

と、次の場所へ向かった。次の場所は、駄菓子屋だった。

『ここは覚えてる?』

『うん。小学1年の夏休み、昆虫採集をした後に行った場所だね』

『うん。それじゃあ、次行こうか』

『うん』

と、次の場所へ向かった。

『それじゃあ、ここは覚えてる?』

『うん。小学1年の時、昆虫採集をした、公園だよね』

『うん。それじゃあ次行こうか』

『うん』

と、次の場所へ向かった。次は、夢幸駅だった。

『それじゃあ、ここは覚えてる?』

『うん。5月頃に、お前と初めて買い物をした場所だよね』

『うん。それじゃあ、最後の場所に、向かおうか』

『うん。』

そして、最後の場所に向かった。この時僕は、

何がしたいんだろうな?

なんて言う風に、思っていた。

そして、最後の場所に着くと、

『ここは覚えてる?』

『うん。初めて影太と逢ったところだよね』

と言うと、

『うん』

と言って、影太は、後ろを向いて、話を続けた。

『あのさ、陽太。そろそろ目を覚まさないか?』

と言われ、

と言う疑問符が湧いた。そして、

『どういう事?』

と聞くと、

『俺は、陽太が小学1年生の時に、いじめられていたのを見ていた。そして、それを見た俺は、そういう事をされている子を放って置けず、可哀想だと思って新しい、君と俺の世界を作って、友達として、陽太の目の前に現れたんだ。そして、俺は陽太を守り、この9年間、思い出を作った。それで、俺達は、高校生になる。本物の友達も知れたし、精神も、少しは強くなっただろう?前より、笑うのが印象的になって来た。だから、そろそろ元の世界で目を覚ますいい時期だろう?元の世界の陽太を大事に思っている、大切な人も、居るだろう?家族とか』

なんて言って顔を、僕の方へ向けて来た。涙と鼻水で、ぐしょぐしょになっていた。

それを聞いた僕は、戸惑いを隠せなかったが、少し考え、理解することが出来た。

『つまりは、ここは僕が元いた世界じゃないんだね?』

『うん』

『でもさ、いくら家族が待っていると言われても、影太ともう過ごせなくなるなんて嫌だよ……』

と、今までの事を思い出し、僕の目から涙が零れ落ちた。

それを見た影太は、

『人は、出逢いもあれば、別れもある。俺とは会えなくなるかもしれないけど、思い出は、忘れない限り胸に残り続けるし、陽太なら、元の世界でも、きっと、新しい本物と呼べる友達が見つかるさ。だから、悲しいかもしれないけど、俺も悲しいし、最後は、笑って楽しかったな!何て、言い合って、別れたい!』

と言われ僕は、

『うん。そうだね。この世界で立ち止まって、うじうじしていても、仕方ないよね』

と言って、納得した。

そして、

『あと少しでお別れだね』

『うん。』

『最後に。たくさんの思い出が、沢山作れて楽しかったよ』

『うん。僕も楽しかった』

と、最後は二人で涙でぐしょぐしょになった顔で、にっこりと笑いあった。

それから僕は、意識が薄れ、今までの走馬灯のような物が見えた。

そして、目を覚ますと、僕は、病院のベッドで寝ていた。

『んあ……。ここは?そうか。僕はあれから目を覚まして、現実に戻ってきたのか!それじゃあ、病院かな?』

すると、横から、

『陽太!』

と、お母さんが抱き着いてきた。

『陽太。心配したんだよ?9年前、家に居たら、急に、病院から電話が掛かってきて、びっくりしたし、心配もしたし。もう、どうすればいいのか分からなかったんだよ。それで、話を聞いてみれば、原因は分からないって言われるしで。でも、もしかしたら、過去に、いじめが原因で、そうなった事例があるなんて言われて、学校に問い合わせたら、本当にそう言う事実があったなんて言われたから、少し胸が苦しくなったよ。ごめんね。気付いてあげられなくて』

と、顔を、ぐしゃぐしゃにして、泣きながら言われ、僕も、涙が出てきた。

『僕の方こそごめんね。心配かけたのと、何も言わなくて。』

と、二人で泣きながら、抱き合った。そして、二人の、気が落ち着くと、病院の先生を呼び、話を聞いた。

『まず、体のチェックをして、動く様なら、退院で良いでしょう』

と、言われ、リハビリ室に連れて行かれた。

そして、僕は、病院の先生が、定期的に僕の体を動かしてくれていた様で、あまり訛っておらず、全ての課題をクリア出来、退院する事が出来た。

それから、家に帰り、僕は、高校を決めて手続きをしてから、高校に入学し、影太の言った通り、本物と呼べる友達が出来、卒業した。そして、就職も無事に出来、結婚、子宝にも恵まれた。

そして、それから、何十年もの時を経て、

ピッピッピッピッ

と、血圧や、心拍を計れる機械を身体に着け、入院していた。

そして、僕は、

『最後に影太の顔を一目見たかったな……』

と、言葉を残して、

桜散りゆく季節。桜の如し 儚く散った。









































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四季巡り また春超えて 桜散る ナイトメアン @naitomeann

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