第4話 『長文タイトルって?』

 皆さま、こんにちは、浅葱 ひな です。


 第3話までも読んでいただき、ありがとうございます。

 皆さまからの予想以上の反応に、嬉しいのと同じくらいに驚いております。

 カギカッコを用いる会話文の最後に、句読点を使う……。わたしたちの年代に、教え方が変わったのかと思ったのですが、もう少し前の世代からのようですね。

 アラフォーの父(まだ、30代)は、知らない……と言ってましたので、20年くらい前からでしょうか?

 その割には、未だに間違いだと指摘なさる方、多いですね。学問は、日々進歩してるのです。ご自身の教わったことが絶対ではなくなってますよ。


 さて、『あさぎ文章研究所』の、本日、第4話のテーマは『長文タイトルって?』です。

 最近、多いですよね。長い、長〜いタイトルの作品。まぁ、昨今の流行りですから、仕方ないとは思いますけど……。

 取り敢えず、長〜いタイトルつけとけば、誰かしら読んでくれるでしょ? とか、実際に使われてる作家さまは思われてませんか?


 ほかの読者さまのことはわかりませんが、わたしは、この、長〜いタイトル、好みじゃないんです。

 だって、長いタイトルを読めば、その作品の内容が、本文を読まなくても解るのでしょ? だったら、本文なんて、いらないですよね? それこそ、改めて本文を読むって、時間の無駄じゃないですか?

 なんだか、目の前に並べられた料理を見ただけで、お腹いっぱいになっちゃった感じがするんです。


 それに、わたしには、長〜いタイトルの作品群、そのどれもが同じように見えてしまうんです。

 長すぎて、タイトルさえも覚えられないし……。検索しても困るだけなんです。どれがどれだか区別がつかない。

 元々、手を出す気もありませんので、どうでもいいお話ですが。


 個性の感じられない、長いタイトルをつけたがる作家さまは、どう思われてるのでしょうか?

 長いタイトルをつけても読まれる作品は、ほんの一握りの人気作家さまのだけではないかと思います。それ以外は、どれもこれもみんな一緒の作品群。その中の1作として埋もれていくのかな……と、わたしは思います。

 読者は、そんな埋もれた作品群から、1作を見つけだそうとか思わないでしょう。少なくとも、わたしは探しません。


 わたしは、そんな埋もれた作品群の中の、脱個性、没個性、無個性の作品がおもしろいとは思えないのです。

 それなのに、わざわざ長いタイトルをつけた作家さまご自身が、『略して〜』とか短くしたら、意味ないですよね?

 こうなったら、先人の作品とコンセプトすらまる被り。


 ここまで、長いタイトル、全否定でしたけど、わたしが考える短いタイトルの利点を、ちょっとだけ述べておきます。


 わたしは、タイトルって、物語の最初の伏線だと思ってます。読者(わたし)は、そのタイトルに与えられた意味を考えながら、物語を読みます。

 読み進めていくうちに、『だから、このタイトルか!』が理解できた時は、素敵な気分になります。

 そうして、タイトルまでも覚えた名作のひとつに昇格します。


 皆さまは、『君の膵臓をたべたい』とか、タイトルに繋がった瞬間、ドキドキしませんでしたか?

 わたしの好きなミステリーに『天使の耳』というのがあります。東野圭吾さんの短編です。秒単位で事件を検証する物語です。この鍵が、『耳』。

 タイトルに繋がった瞬間は、ヒロインに対してほっこりもしましたが、さすがミステリーの大家、もう一捻り待ってました。『天使』にもいろいろ……。



 ということで、作品に長〜いタイトルをつけている皆さま。

 読書って、考えながら読むから楽しいんです。あらすじみたいなタイトルを冠した作品って、わたしにとってはおもしろみがありません。そう思うのは、わたしだけかもしれませんが……?


 覚えられもせず、名作になれもせず。ただ、今、流行ってるからと長いタイトルをつけて、更に略称を用意する。そして、『読んでもらえない』とお嘆きになる。

 そりゃ、当然。だって、その作品、タイトルだけで用が足りちゃうんですもの。

 え? あなたの作品は、タイトルから一捻りしてる? それは、タイトル詐欺って言うんですよ。



 第5話は、皆さま、すでにご存知かとは思いますが……、カクヨムコン、盛り上がってますからね。『閑話休題?』です。

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