第2話 『段落、使いませんか?』

 皆さま、こんばんは、浅葱 ひな です。


 『あさぎ文章研究所』の、最初のテーマは『段落、使いませんか?』です。


 皆さま、ここ、カクヨムに投稿されている作品、文頭の1文字下げができてないモノが多いと思われませんか? それどころか、空行からぎょうさえない!

 別に、ダメじゃないんですよ。自称作家さまが声高々に叫ばれる、個性というものですから……。

 ただ、紙媒体の『本』で育ったわたしにとって、その自称作家さまの主張される個性とかは、割とどうでもよくて……。その作品は、非常に読みにくい! という事実だけが残るのです。


 1話が終わるまで、延々と文字が続く作品が読みやすいはずもなく……。こういう作品を入力なさる、自称作家さまは、紙の本、読んだことがないのでしょうか? という疑問すら浮かんできます。読者のことを考える余裕は、ご自身が考える個性よりないのでしょうね?

 自称研究者さまでしたら、これでいいのです。レポートってこんな感じでしょ? 論文は違った気もしますが。



 さて、読者であるわたし、浅葱 ひな の勝手な解釈による、『段落』の利点からいきましょう。



 まずは。

 段落とは、の最も小さな塊であると、わたしは考えてます。

 これに対して、句読点は、の小さな塊ではないでしょうか。『、』は、言葉を切るところを、『。』は、言葉の終わりを表しているはずです。

 この次の単位が文章ではないか……と。

 そして、文頭の1文字を下げることによって、ひとつの情景を、行動を、視線を、気持ちを、等々を。簡単に、読み手の意識を変えさせることができるのです。


 本を読まない方からしたら、信じられないことかもしれませんが、読書をする際、本好きのわたしは、ひとつの段落ごとに、その文章を自然に区切りながら、頭に入れながら、解釈をしながら読み進めていけるのです。

 わたし以外の本好きの皆さまも、そうだと思います。


 戦闘描写を例えてみましょう。

 何故? って、ここカクヨムでは、ファンタジー作品での無双ものや異能力バトルものが溢れてるじゃありませんか? だから、このサイトで、最も段落を使ってない作品群が、ファンタジーのラノベなんだと感じてます。

 若い作家さまが多いのも、理由のひとつかもしれません。


 で、作家さま? 皆さまの物語での戦闘シーンで、ず〜っと、同じアングルからの描写だけで、それを書き進めることができますか?

 そんなことできませんよね?


 主人公が魔法を使う手元だったり、武器を振るうさまだったり、相手へのダメージだったり……。少しずつでも、場面は変わるのではないですか?

 その、場面の変化ごとに、1文字を下げていただけると、読む側は、物語の進行加減が勝手に頭の中に入ってくるのです。



 また、横書きだと、普通なら左から右へ読み進めていきますね。右まで読んだら、左に戻って1行下にいきます。

 この際に、段落が用いられていないと、同じ行に戻ってしまうことが頻発するのです。俗に言う、『目が滑る……』という現象です。

 縦書きでも起こる現象ですが、横書きの文章は、その発生度合いが格段に違うのです。信じられないですよね。


 この『目が滑る……』現象で、同じ行を読み直すことは、少し前まで戻って読み直す事になります。

 読書中、それがあると興醒めなんです。

 場面ごとに、たったの1文字を下げてくださるだけで、本好きはそれを勝手に減らせるんです。そうすると、読んでいる時の楽しさは減らないのです。




 今回のお話は、技術的に云々……ということではありません。

 ただ、読む側からしたら、その物語をリズム良く読み進められる。というだけのこと。

 たったそれだけのことですが、でも、おもしろさは格段に違ってくるんです。

 抽象的な言い方ですみません。生意気言ってごめんなさい。なんの参考にもならない持論で申し訳ございません。



 でも、皆さま、試しにご自身の作品で、段落、使ってみませんか?



 第3話は、皆さまにとって、違和感ありまくりの『……。』です。

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