第5話 平和への希望
・???
「、、、、覚ませ。」
声が聞こえる、、、?
・???
「起、ろ、、、、目、、覚ませ」
誰だ?一体どうなってるんだ?
・???
「起きろ!目を覚ませ!」
しっかりと聞こえた。
誰かが俺を起こそうとしている。
・アルド
「ぅぅ、、、ここは?」
目を開けると魔族が数人で俺達を囲んでいた。
手はロープで縛ってある。
拘束されている様だ、、、
・魔族
「貴様は、あの時洞窟で出会った奴だな?
なんで貴様が魔方陣から転送されて来たんだ?
答えろ!一体何があった?」
そうか、、、魔方陣は研究所にあるんだったな。
場所を聞く必要は無かった訳だ、、、
・魔族
「答えろと言っている。
悪いがこちらも余裕がないんだ!」
声が荒々しくなる、、、
向こうも焦っているんだな。
・アルド
「あぁ、すまない今説明するよ。
どうか聞いてほしい。」
俺は今までの事や作戦の事を話した。
最初は半信半疑だったがフルーレティの手紙といつの間にやらポケットに入れられていたフルーレティのハンカチを見て信じてくれたらしい。
ハンカチを見た女性魔族達が男性陣に話を付けてくれた。
・魔族研究室女性の思考
「(あのハンカチは、魔族の女性が異性を射止める時に使うおまじない用具、、、フルーレティ様はこの人間に恋をしたって事なのかしら?)」
なにやら少し離れたところでハンカチを見ながら盛り上がっている女性陣。
一体何が起こっているのやら、、、
・魔族
「状況は理解しました。
わざわざこちらに来るために瀕死になってくださったんですね。
フルーレティ様の手紙も拝見しました。
ホースキンは未だに戻ってきていません。」
・アルド
「どの辺に居るのか分かるかな?」
・魔族
「それが、、、私には、、、」
世界中の猫を探しに行かなきゃなのか?
ちょっと規模がデカすぎて探すのに時間が掛かりすぎるぞ。
・女性研究員
「あ、、、そう言えば、
砂漠の猫が気になると言って出て行ったのを覚えてますよ。
確か1週間ほど前に飛び出していったので『ルチャナ砂漠』辺りを探すと良いかもしれません。」
有力な情報が手に入った。
俺達は次元戦艦で砂漠の町『ザルボー』まで移動する。
たしかこの砂漠の真ん中あたりに猫はいたはずだ。
砂漠の真ん中あたりまで進むと目的の猫を発見。
しかし何やら怪しげな影も一緒に居る。
・???
「怖くないにゃ、怖くないにゃ。
アタシは猫、あなたも猫。
怖くないにゃ、仲良くなりましょ?」
普通に話しかけてる、、、通じるのか?
暫く様子を伺ってみる。
・???
「抱っこしていいかにゃ?
怖くないからね。」
ゆっくりと猫に近づく、、、、、
あ、、、逃げられた。
まぁ、普通はそうだな。
・???
「また、、、、また逃げられた。
何故なんだ?何が悪いんだ?
ネコミミも付けたし、語尾にもちゃんと『にゃ』をつけた。一体何が駄目だったんだ?」
遠目で見ても落ち込んでいるのが分かる。
何度も挑戦しているのだろうか?
・アルド
「あの、落ち込んでるところ悪いんだが。
尋ねても良いか?
ホースキンで間違いないだろうか?」
・ホースキン
「む?なぜ人間が私の名を知っているにゃ?
お前は誰だ?、、、、にゃ?」
あ、、、言い直した。
頑張ってキャラ作りしているのだろうか?
・アルド
「君を知っているのはフルーレティに教えて貰ったからだよ。ちょっと相談があるんだ、話を聞いてもらえるか?」
・ホースキン
「ちょっと待つにゃ。
お前、猫を連れているではないか、、、
ちょっと触っても良いか?」
俺が人間って事よりも猫の方に関心が行っている。
余程の猫好きなんだな。
快く許可したら嬉しそうに近寄ってきた。
あ、、、ダメだってそんな急に近づいたら。
・ホースキン
「あ、、、隠れてしまった。
何故なんだ、何故いつも離れてしまう。
こんなにも好きなのに。」
キャラ作りも忘れて落ち込むホースキン。
このままだと話も出来ないだろう。
仕方ない、コツでも教えてあげようかな。
・アルド
「猫って動物は警戒心が高いんだ。
だからこっちから近づいちゃダメだ。
警戒心の高い相手に近づくと逃げてしまうのは当たり前の事だからさ。
猫と言う動物をしっかり理解してやれば良い。」
・ホースキン
「なるほど、興味深い見解だ。
いいぞ、続けてくれ」
興味津々だ。
仕方ない、しっかりとレクチャーしてあげよう
・アルド
「猫の性質として、尖ったものを見ると匂いを嗅いで確認したくなるんだ。
だから最初は少し離れたところで指をさして興味を持たせる。
そして、おやつや餌でおびき寄せるんだ。
警戒心が強いままだと寄ってこないが、対象への興味が勝つとゆっくりと近づいてくる。
根気強く待つことが大切だよ。」
どこからともなく取り出したメモに書き留めている。必死になっている姿が何とも言えないな。
・ホースキン
「なにやら餌になるようなものは持っているか?」
・アルド
「これでいいと思う。」
持っていた餌を手渡す。
俺達について来ている猫に早速試している。
・アルド
「この子は人慣れしているから、多分すぐに来ると思うぞ。」
そう言うと間もなく、餌の誘惑に負けて出てきた。
ゆっくりと近づいて匂いを嗅ぐ。
そして餌を食べ始めた。
・ホースキン
「こ、、、こんなに近くまで来た。
しかも私の手から餌を食べている、、、」
・アルド
「今がチャンスだ。
餌に夢中になった時にゆっくりと撫でるんだ。」
俺を見た後、しっかりと頷き行動に移る。
撫でようとしている手は震えている。
・アルド
「落ち着くんだ。
緊張や恐怖は猫にとって避けたいもの。
敏感に察知してくるぞ。
落ち着いてゆっくり撫でてあげればいい。」
深呼吸をした後、ゆっくりと猫の頭をなでる。
餌に夢中な猫は撫でる手に委ねながら、餌を食べ続けている。
・ホースキン
「ぉぉぉぉぉ!
初めて触る事が出来たぞ!
約5年間、、、触る事のかなわなかった猫に、、、
すごい、、、、可愛い、、、猫最高!」
出来るだけ小声で感動するホースキン。
撫で方が優しかったからだろう、餌を食べ終わった後ホースキンにスリスリしてきた。
・ホースキン
「!!!す、スリスリしてきた。
伝説のスリスリが今、目の前で私に行われている!
この様な日が来るとは、、、夢のようだ。」
・アルド
「猫によって好みは変わるけど、基本的には頭、喉、尻尾のつけ根辺りを撫でてやると喜ぶぞ。」
・ホースキン
「そうなのか?
よ、、、よしやってみよう。」
順番に撫でていく、、、
どうやらこの子はしっぽの付け根が好きらしい。
おしりを上げてウニウニとしている。
ホースキンの至福の時間はしばらく続く。
猫の気が済んだら離れていった。
・アルド
「猫は気まぐれだからね。
じゃあ基本情報を教えるよ。
離れていったら無理に追いかけない事。
しばらくしたらまた寄ってくるからその時に相手してあげると喜ぶぞ。
しっぽの形にも注意だ。
しっぽを股下に入れている時は怖いって思っている時だ。その時はそっとしてあげておくと良い。
無理に追いかけると怖い人なんだと思い込むからな。逆にしっぽを立てて寄ってくるときは構ってほしい時だ。
しっぽを小刻みに揺らしている時は最上級の喜びを感じている時。
鳴き声にも注視しておくと良い。
鳴き声は、、、、、、」
・ホースキン
「ちょ、、、ちょっと待て。
メモするから。」
砂漠での猫講座が始まってしまった。
ついつい話し込んでしまったが、ホースキンは幸せそうだ。
・ホースキン
「すごいぞ、、、勉強になった。
いえ、、勉強になりました、猫師匠。
別に語尾に『にゃ』と付ける必要はなかったんですね。結構忘れるから大変だったんです。」
いや、、、俺アルドだから、、、
猫師匠って言われてもさ。
とりあえずこれで話が出来そうかな?
俺は別世界での話をした。
作戦の事、フルーレティの手紙の事も。
・ホースキン
「ほほぅ、とても興味深い事が起きてますね。
わかりました、すぐに魔方陣を書き換えましょう。
それでは一旦研究所に戻ります。
猫師匠も後から来てください。
ちゃちゃっと終わらせて猫の元に行きたいので。
新しい情報を基に検証がしたいのです。
では!!!」
後半の早口が何とも言えない。
余程猫の検証がしたいんだな。
しかし凄まじい勢いで走っていったぞ、、、
なんて早いんだ、もう見えなくなった?
・アルド
「よ、、よし、俺達も研究所に戻ろう。」
研究所につくと魔方陣に何やら細工をしているホースキンが居た。
見る見るうちに変わっていく魔方陣。
何を書いているかはさっぱりだけど。
しばらく眺めていると、、、
・ホースキン
「さぁ、出来ました!
現在ある材料で出来るだけ作りました!
新しい発動条件は『紋章を砕く』事。
紋章が彫ってある装備品を砕くと発動します。
これで良いですか?
猫の検証に行っても良いですか?」
凄まじい圧が、、、
目的は達成したから問題ないか。
俺がOKを出すと凄まじい勢いで出て行った。
・アルド
「ある意味凄い人だったな、、、
とりあえずこれで良いはずだ。
向こうの世界に戻ろう。」
俺は薬を取り出して紋章にかける、、、
すると紋章が発光して俺達を包む、、、
体が浮くような感覚の後、衝撃が走る。
思わず目をつぶってしまった。
そして、、、
・アルド
「、、、、、凄い光と衝撃だった。
ここは?上手く戻れたのか?」
・女性研究員
「アルドさん、おかえりなさい。
色々聞きたい所ですが、緊急事態です。」
・アルド
「緊急事態?一体何があったんだ?」
・女性研究員
「キロス君の村が魔物に襲われて、、、
フルーレティ様達が助けに向かって、、、」
慌てている様子が凄く伝わってくる。
だが、何が起こったのかは何となくわかる。
・アルド
「わかった、すぐに向かう。
向こうの魔方陣書き換えは上手くいった。
それだけは伝えておくよ。」
紋章発動条件を伝えて俺達は村に急ぐ。
村の方向には煙が上がっているのが見えた。
村についたとき、半壊した村と村人を守りながら戦う魔族とドンクの姿があった。
・ドンク
「アルド、頼むキロスを援護しに行ってくれ。
キロスが言う良い魔族ってのはよく分からんが、
ここは俺と協力してくれる魔族で何とかなる。」
・魔族
「アルドさん、ここは我々にお任せを。
キロス君とフルーレティ様をお願いします。」
その瞬間、少し離れたところで大爆発が起こる。
・アルド
「なんだ?とんでもない爆発だったぞ、、、
向こうで戦闘中って事か?」
爆発のあった方に急いで走る。
爆発後、少しして戦闘音が続いている。
急げ、急ぐんだ、、、
・アルド
「見えた、、、!!」
到着した時、フルーレティは座り込んでいた。
キロスが前に立ち庇っている。
キロスからは無数の炎が放たれる。
しかし煙の向こうからは何かの影が近づいてきていた。でかい、、、なんだ?トカゲ?
いや、龍に近い生き物だ。
キロス達に向かい尻尾を振り下そうとしている。
・アルド
「させるか!」
間一髪、間に入る事が出来た。
俺は剣で魔獣の尻尾を受け止めてはじく。
・キロス
「ア、、アルドさん?
良かった、、、助かった。」
落ち着いてみれば少し離れたところにもう一体、魔獣の姿があった。
その魔獣は既に息絶えているみたいだ。
先程の爆発の成果だろう、二人で1体倒したんだな。
・アルド
「キロス、よくやった。
後は俺達に任せろ。
キロスはフルーレティを頼む。」
そう言い放ち魔獣の前に躍り出る。
でかい、、、
しかしこれくらいの大きさでビビることは無い。
魔獣とアルドの死闘が始まる。
死闘のとどめに、俺はオーガベインを抜いた。
仲間たちと一気に攻める。
魔獣は成す術もなく崩れ落ちた、、、
・キロス
「す、、、すごい。」
・アルド
「いやいや、キロスもフルーレティもすごいぞ。
2人で1体倒したんだろ?」
・???
「あたいもいるんだけど?」
どこからともなく声がした。
どこから??
・???
「ここですぅ~、ここ!」
キロスの持つ杖が光った?
まさか、嘘だろう?
・アルド
「杖がしゃべった、、、、?」
・???
「杖じゃないですぅ~!
『アストレイヤー』ですぅ~。
全く、失礼しちゃうわ。
こんな可憐なレディーを目の前にして無視するなんて。まぁいいわ、あたいの事は『アスト』って呼んで。」
いや、、、杖にしか見えないんだが?
杖とは言え女性なんだよな?
・フルーレティ
「アルド、、、来てくれたんだね。」
嬉しそうに呟くフルーレティ。
目を覚ましたフルーレティが事情を話してくれた。
村に戻りながら話を聞く。
俺達が元の世界に戻ってからすぐにキロスは村に帰った。しかし間もなく、尋常ではない様子でキロスが戻ってくる。
村が魔獣の群れに襲われたらしい。
村に戦えるものは少なく、ドンクとキロスが中心となって戦ったが敗北が濃厚となった。
その時、キロスが村の近くに拠点のあるフルーレティ達に救援を要請することを思い付く。
その流れで魔族達が人間の村を救援しに来たのだ。
最初、村人は魔族を見て死を覚悟した。
しかし人間を守り魔獣と闘ってくれる姿を目の当たりにする。
魔族に対する恐怖感が徐々に無くなっていったと言う。
俺達が村につくと、魔族と共に喜び合う村人の姿があった。
魔族と人間、この世界と異世界。
種族、次元を超える絆が生まれた瞬間だった。
その日、村を上げて宴会が開かれた。
魔族も人間も一緒に飲み食いしてはしゃぐ。
そんな光景を見て様々な感情を抱きつつ、未来への希望を見た気がした。
そして次の日、、、
俺達は元の世界の戻る事となる。
魔族たちと村人は各々にお別れを言っている。
魔族たちは村の復興まで手伝おうと提案した。
しかし、ドンクと話し合いを通してすぐに元の世界に戻ることを決めた。
昼過ぎには王国兵士がやってくる可能性が高いと言う。世界情勢を考えると魔族と見るや攻撃されかねないと言う懸念からその様な決定となった。
無用な争いは避けたい。
ドンクは王国兵士の到着を遅らせるべく既に動いている。今回は一つの村とはいえ、確かに魔族と人間の絆は結ばれた。
ゆっくりと変えていけばいい。
人間と魔族、一緒に笑い合える事が出来ると証明できたのだから。
・キロス
「フルーレティさん、アルドさん本当にありがとうございました。」
・フルーレティ
「いや、礼を言うのは私達の方だ。
人間と魔族、共存の可能性を垣間見れた。
これ以上の成果はないだろう。
ありがとうキロス、そしてアスト。」
そう言えば昨日、キロスの杖をやたらと調べてたな。
・アスト
「レティちゃん、またこの世界に来てね!
その時はもっといっぱいお話ししましょう♪」
仲良くなってるみたいで何よりだ。
・アルド
「キロス、君の様な少年にあえて良かった。」
さぁ、帰ろう、、、、
俺は元の世界に戻るための『転送の腕輪』を配って行ったが、どうやら人数分は無かった様だ。
・フルーレティ
「いや、むしろここまでの数を用意できたのは流石と言えるだろう。
腕輪は15個か、、、どう分ける?」
・アルド
「昼には王国兵士が来るんだろ?だったら魔族たちを先に戻した方が良いんじゃないか?
俺達はタイミングを見計らって迎えに来てくれればいい。」
・フルーレティ
「それは、流石に気が引けるが、、、
無駄な争いを避けるためには仕方がない。
15個で魔族をすべて戻そう。
私は残る、なに上手くやるさ。」
フルーレティを含めば16人いる事になるから必然的に一人残る事になる、、、
・アルド
「俺達が必ず守るよ。」
・アスト
「ねぇねぇ、ちょっと腕輪見せて。」
突然アストライヤーが話しかけてきた。
杖から声が聞こえるって斬新だな。
俺は腕輪を杖に掛けてみた。
・アスト
「ふむふむ、なるほど、なるほど」
なにやら調べているらしい、、、
調べてるんだよな?
・アスト
「しっつもん!レティちゃん達とアルドっち達は皆で帰りたいんだよね?」
・アルド
「ん?そうだよ、でも腕輪が少ないからさ。」
・アスト
「ん~何とかなると思うよ。」
・フルーレティ
「本当か?アスちん!」
アストライヤーの事はアスちんって呼んでたのか。
なんか凄い変な感じ。
・アスト
「んじゃ、ちょっとやってみますか。
シャイな大検君、あなたも話せるでしょ?」
・オーガベイン
「、、、、、っち、何か用か?」
オーガベインの事を知っている?
・アスト
「あらら、なんだがガラが悪いわね。
まぁいいわ、あんたの力を貸してちょうだい。」
・オーガベイン
「ふん、元の世界に戻るためか。
、、、、良いだろう、今回だけは貸してやる。」
意外と聞き分けが良いな。
同じような存在に会えたからか?
しかし、あの杖は何なんだろう?
・アルド
「なぁ、アスト。
オーガベインを知っているのか?」
・アスト
「ん?知らないわよ?
初めて見たし、タイプじゃないし。」
そこまでは聞いていないが、、、
この世界にも意思を持つ武器があるって事なのか。
・アスト
「じゃあ、腕輪を一カ所に集めて。
オーガちゃんと、あたいでぶっ飛ばしてあげる。」
話を聞いてるだけだと恐ろし事をしようとしている気がしてならない。
・アスト
「大丈夫よ、ちゃんと腕輪だけに攻撃するから、あんたたちはその余波で飛んでいくだけ。
ちょこっと痛いけどそこは我慢してよね。」
やっぱり痛いのか、、、
だが他に方法がないし、我慢するか。
場所は村から少し離れた広場にする。
魔族たちと俺達は腕輪を中心に周りを囲む。
位置はアストが指示してくれた。
遠くでは村人が手を振っていてくれる。
・アスト
「じゃあ行くわよ。
まずはアルドっちがオーガちゃんを抜いて力を使って腕輪を破壊して。
すぐにキロスがアタシの力を使うわ。
爆発の衝撃波に乗せて転送の力を浴びせるから、観念して受けなさい。
キロスは魔法を発動後、レティちゃんに開放してもらった私の力『目視テレポート』で範囲外まで逃げて。目標は村人の所よ、あそこにはバリアを張っておいたから。」
やっぱり恐ろしい事しようとしてないか?
しかし、有能だなアストは。
・アスト
「じゃあアルドっち、やっちゃって!
オーガちゃん、あなたに会えてよかったわ。」
・オーガベイン
「ふん、、、」
素直じゃないな。
・アルド
「よし、行くぞ!
はぁぁぁぁぁぁ!!」
俺はオーガベインを抜く、、、
そして腕輪に斬りかかった。
破壊した事を確認してすぐに下がる。
同時にキロスの方から凄まじい気配を感じる。
・キロス
「いくぞアスト!
『アストラル・フレア』」
小さな炎の球がキロスから放たれた。
・キロス
「『目視テレポート』」
瞬時にキロスは消える。
その直後、破壊された腕輪が放つ光にキロスの魔法が衝突する。
刹那、、、、、凄まじい爆発の衝撃が俺達を襲う。
そして一瞬のうちに光に包まれた、、、、
・キロス
「アルドさん、フルーレティさん。
僕はあなた方の事は忘れません、、、、
いつかまた、どこかで。」
皆が消え去った場所を見詰めながら、キロスは一人呟いた。
~研究所~
・研究員
「なんだ?魔方陣が光っ、、、、
ぅわぁぁぁぁぁぁぁ。」
爆風と衝撃、そして多くの同胞と人間が転送してきた。爆風で吹き飛んだ研究員は目を回している。
・アルド
「いててて、少しじゃなくてかなり痛いぞ。」
少しだけ文句を言いたい、、、
だが上手くいったようだ。
目の前にはホースキンが書き換えた魔方陣がある。
・フルーレティ
「上手くいったようね。
アルド、心からお礼を言うわ。
ありがとう。」
何故だか俺にだけ話し方が違う気がするが、気にする事もないか、、、
・アルド
「こちらこそありがとう、お陰で戻る事が出来た。」
お互いに手を出し握手をした。
こうやって人間も魔族も仲良くやっていければ良いな。
・アルド
「これからどうする?」
・フルーレティ
「私は同じ、同胞を死なせない様に紋章術を研究していくわ。」
・アルド
「そうか、何か困ったことがあったら言ってくれ。
君達がキロスを助けてくれた様に、今度は俺達が力になるよ。」
魔族と人間、たしかに争いは絶えない。
しかし、誰も知らない場所で魔族と人間の可能性は無限だという事を知った。
そして、トリナ村とフルーレティたちの絆はこの先も結び続けていく事だろう。
この話を聞いた次の世代、また次の世代へと受け継がれていき、いつか人間と魔族が一緒に暮らせる世界を作っていってほしい。
そう願ってやまない、、、
・フルーレティ
「それで、、、デートの事なんだけど、、、」
妙にソワソワしながら訪ねてくる、、、
デート?、、、何の事だろう、、、、
あ、、、、思い出した。
・フルーレティ
「えっと、アルドはいつ空いてるかな?
アルドに合わせるから教えてほしいな。
どこでもいいけど、出来たら綺麗な景色を見て美味しい料理を一緒に食べたいかな。
あとね、、、」
フルーレティのお願いが早口で続く、
俺はひとつひとつ確認しながらアワアワをするのだった、、、
~完~
アナザーエデン 平和への希望 アナザー @sigunet3939
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