第10話:偵察の旅【前編】
宴の翌日。
俺は借りた部屋でよい朝を迎えたのだ。
目を覚ますと部屋の隙間から光が差し込んでいる。
体を起こし部屋に綺麗な水が入った桶が有ったのでそれで顔を洗う。
そして俺のベットになぜロビンも寝ているのか考えていた。
だが、答えが出る前にロビンが目を覚ました。
「おはよう。タクミ」
ロビンは俺の頭上を飛び、顔を洗ってニヒと笑って誤魔化して部屋を出て行った。
俺も部屋を出る。
良い匂いがしている。朝ご飯だろうか。
俺はロビンの後を追う様に匂いを辿る。たどり着いた場所はすでに精霊たちが腹ごしらえをしていた。
俺はロビンの隣のカウンター席に座る。
「お待ちどう様、タクミさん」
あの女の子のエルフが俺の料理とロビンの料理を運んでくれた。
「タクミさんからいただいた塩で朝から大繁盛です。ありがとうございます」
女の子のエルフがぺこりとする。
まあ、俺からしたらこれがないと困るだけの話なのだが、お店が盛り上がるならいくらでも提供するつもりだ。
「いえ、またいい調味料が見つかったら教えます」
滞在費としてそれくらいはもちろんするつもりだ。
「そういえば今晩は満月祭だな。タクミも魔法石を獲得したらどうだ?」
ロビンの話では魔法石を貰うことが出来る日、月の中で満月の日だけだそうだ。それはどこの町や国も同じらしい。
ただ魔法石を貰うには6歳以上で祭壇石に行かないといけないそうだ。
年齢制限がある事には驚いたが、体にかかる負担の事を考慮したうえでの年齢制限だそうだ。
腹ごしらえを終えた俺は店を出る。
外には複数人で団になってどこかへ向かって行くエルフや他の精霊たち。
「精霊はこの森を管理しているんだ。だからみんな偵察に行ってるんだ」
中には一人で言っている者もいた。
「管理にはそれぞれ担当の場所があるのだがその範囲はそれぞれで広範囲は複数人で、局所は一人のところもあるんだ。ちなみにおいらも一人なんだ」
そういう事で俺もロビンが管理する場所に向かう。ロビンが管理する場所は比較的に安全な場所だそうだ。
危険なところは魔物が出るみたいで怪我をして帰ってくるものがいるみたいだ。
その魔物が理性を失ったとき、力が倍増するのだが、その代わり時間が経てば死に至る。
そのことを狂鬼化というそうだ。狂鬼化はまだ謎が多く解明されていないみたいだそうだが、魔族が関係してると多くの者が考えているそうだ。
俺の旅に支障が出なければいいのだが・・・・・・。
「グガ・・・・・・」
どこからかそんな声?鳴き声みたいなのが聞こえた。俺は辺りを警戒して見回す。ロビンは無警戒で先に進む。
俺は辺りを捜索する。すると散々草で生い茂ったいた場所からだ脱出した。
目の前には緑色の裸体に顔に白の線が二本がある。耳は精霊たちのように長くとがっている。
ゴブリンだった。分からないけど・・・・・・。
ゴブリンは俺に気が付いたのか、木の武器と縦を持って俺を警戒する。
そして俺は丸腰で逃げる準備をした。
「待った待った!」
するとロビンが俺とゴブリンの間に入った。
「こいつは味方だ」
ゴブリンにそう説得した。
どうやらこのゴブリンたちは精霊たちの保護を受けているそうだ。その象徴に二本の白い線が顔にあるそうだ。
普通のゴブリンは全身緑だけだそうだ。
この世界、社会的に複雑すぎる・・・・・・。
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