第3話「傘の恋人」

後日、私の携帯にメールが来てね。彼女とは全部縁を切ったって。


これでいいんだろ?


いいんじゃない?


少し恥ずかしそうに笑ってあの折り畳み傘をさした彼の写真が一緒に送られて来た。

肩には満足そうに笑う小さな傘の小人の姿がはっきりと写っていた。


あーあ。小人(こびと)が恋人(こいびと)になっちゃったよ。


ははっ、と笑って私は彼に返事を送るのだ。


おめでと。君の肩にこびとが見えるよ。せいぜい相合い傘を楽しみな。リア充どもよ。


マジか?!


置き傘だったあの傘に住んでいる小人は、4年以上の片想いを経て、なんと。持ち主である彼の恋人へと昇進したのである。


なんと素敵なお話なのでしょう!

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