第3話 冒険者ギルドに行きますん!
「エロス様!?」
目の前にエロス像が!?
体が浮いてなんか吸い込まれて気付いたら屋内にいた。
ステンドグラスって言うんだっけ?女性のエロス像が祀られている。教会っていうのかな?長椅子が並べられていて、椅子の間に横たわっていた。ここに落とすなら長椅子に寝そべらせておけば良かったんじゃないか?
どうやら人のいない教会に一人ポツンと倒れていたようだ。サンチョ・パンサを付けてくれるって話だったけど、周りを見回しても誰もいない。
外に人の往来の気配があるが、聴き慣れない音がする。いきなり外に出てみても良いものなのか?
「えーい、ままよ」
一度言ってみたかった。
天気は快晴、明らかにここは元いた世界とは違う。見るからに人間じゃなさそうな毛むくじゃらな人や馬車が走っているし、武器、鎧、盾を持って歩いてる人がいる!!
「なんか建物が中世って感じですっげー、銃刀法違反で捕まらないのすっげー!」
「さっさと魔王倒して帰るわよ」
「うおー!びっくりした!?そんな『コンビニ行こ』みたいに言われても!?」
思わず万歳して叫んでいたら、耳に吐息が掛かるくらい近くから声がした。
振り返るとケタケタと笑った絶世の美少女がいる。
金髪ロングで前髪パッツン、目がぱっちりと大きいけど顔ちっさ!?ちょっと露出の多めなシスター服みたいなのを着ているが……、あれ?ダイナマイトボディはどこいった?いや、なくも無いけどちょっとボリュームが足りない様な?身長も縮んでる。絶世の美少女だがエロス様を少女時代に戻したらこんな感じだろう、全体的に縮んでる。欲情しない様にとか言ってたけどこれなら同い歳くらいだし全然余裕でってかむしろ望むところですたい!!
「流石の超絶美少女ですけど、あなたがサンチョ・パンサですか?」
「サンチョ?何よそれ?私の名前はメティス、あなたは真央斃洲(まおうたおす)くんね?」
「魔王倒す気満々だな!?そんな名前付けられたら一介の村人でも魔王倒しに行かなくっちゃいけない気になっちゃうよ!鈴木秀人!!」
渾身のボケを冷たくかわされた上にボケを被された。
「そ、じゃあズッキーで良いわね。よろしく」
「あと一文字!あと一文字だけなのに!!」
なんとなくエロス様っぽい。
「メティス様は冒険の仲間?って事で良いんですよね?」
「そうね、とりあえず冒険者ギルドに」
「Oh!冒 険 者 ギ ル ド !」
「……登録して路銀を稼ぎながら魔王城を目指しつつ、魔王軍の戦力を狩り尽くして行く感じかしら」
魔王城とか魔王軍とか物騒なワードは怖いからとりあえずスルーだ。
「私に『様』は必要ないわ、普通に喋ってもらって構わないわよ」
「じゃあメティスは俺に何をしてくれちゃうんだ?」
「若干聞き方がキモいわね。あなたを生き返らせる事が出来るわ」
「この世界には魔法があるって話だけど、蘇生魔法なんかはないのかな?」
「リザレクションっていう魔法があるけど損傷が激しかったり時間が経過しすぎると無理ね。死んじゃったらヒール効かないし。それと媒介となる魔石も必要よ」
「ヒール!?リザレクション!!上がるわー、じゃあ蘇生できるって言うほど特別な能力じゃないのかな?」
「ズッキーの場合はどんな状態でも体の一部が残っていれば確実に復活できるわ。面倒臭いから跡形もなく消え去る様な死に方はしないでね」
なんか今さらっと怖い事を言われた様な気がするけど今はとりあえずスルーだ。
「メティスはやっぱ強いの?」
「世界に影響を与えるほどの力が出ない様に調整されてるわ。職業はハイプリーストだし」
「ハイプリ来ましたー!!上がるわー!俺は?俺の職業はやっぱ勇者!?」
「勇者は称号であって職業じゃないの。冒険者ギルドに登録しに行って自分の能力に応じた職業を教えてもらえるわ」
「Oh!冒 険 者 ギ ル ド!!」
「さっきからいちいち鬱陶しいわね」
「男の子ならこの状況にテンション上がらなかったら嘘でしょ!冒険者ギルド行くぞー!ヒャッハー!」
「それは世紀末のテンション」
「井戸があるすっげーヒャッハー、耳!ウサ耳いるぴょんすっげーぴょんヒャッハー!!」
なんかもうテンション爆上がりだ。
「走ったら転ぶわよー」
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