story.14

青帝せいてい

白虎びゃっこ様も失明しつめいする可能性があるそうです。遺言ゆいごんを話します。」


全員が静かになった。


遺言

『3人へ残す。れいちゃんについてお前たちには知っておいて欲しいのじゃ。美奈みなのことは知っておるな?美奈の娘がれいちゃんじゃ。神楽坂かぐらざか零蘭れいらという名前じゃ。お前たちが、れいちゃんの本名を口にしたときお前たちの頭の中にれいちゃんに関する記録が流れ込むように術を仕込んでおる。れいちゃんにあったのはれいちゃんが入学した当初だが、わしは昔から知っておる。美奈が僧正坊そうじょうぼう世話せわになっている時からじゃな。そして、お前たちにながむ記憶じゃがれいちゃんには話してはならぬ。これは、決定事項じゃ。あの子が自分で気づくまでは他言無用じゃ。お前たちに残す遺言ゆいごん本格的ほんかくてきに話す。

1、死骸しがいはれいちゃんに譲渡じょうとする。

2、れいちゃんの過去について他言無用

3、れいちゃんが困っていたら協力をしまない

4、とらわれている水龍の面倒を見ること

5、時期じき青竜の座は青帝せいていに渡す。

6、蒼帝そうていには新たに「蒼竜そうりゅう」の名を与える。

7、東帝とうていにも新たに「あずま」の名を与える。

8、蒼竜は後継こうけい第一位の位を授与じゅよする。

9、東は自由に生きること。

以上である。家族は仲良くいるのじゃ。それだけじゃ。しっかり、挨拶あいさつにゆくことじゃ。継承けいしょうも忘れるでないぞ。れいちゃんを頼むの。長くなってしまったな、遺言は以上じゃ。楽しく、元気に生きなさい。父より』


ここから

青帝せいてい青竜せいりゅう

蒼帝そうてい蒼竜そうりゅう

東帝とうていあずま

と表記します。


あずま

「お父様の遺言ゆいごんは受け取りました。」(泣いていた。)

蒼竜そうりゅう

「父上!」(悔しそうに、涙をこらえていた。)

青竜せいりゅう

「蒼竜、伝達でんたつを頼みます。東、れいちゃんの服装を直してあげてください。れいちゃんの面倒めんどうを頼みます。私と月華げっかさんは陰陽局に行きます。月華さん、事情説明をしに行きます。そして、あなたの使える術をお借りしたいので一緒に来ていただけますか?」

月華げっか

「あぁ、ええで。東はん、お嬢はんを頼みます。」

あずま

「わかっていますわ。お預かりいたします。」(零蘭を受け取った)


月華と青竜、蒼竜が消えた。


あずま

「お父様が命をかけてお守りしたお方。私もお守りしますわ。お父様の遺志いしを引きぎますわ。」

零蘭れいら(寝言)

「おじい、ちゃん……」(涙を流した)


蒼竜は…


蒼竜そうりゅう

「ご無沙汰ぶさたしております、玄武げんぶの叔母様。」

玄武げんぶ

「よう来たな。白虎びゃっこから連絡は来ておる。何ようだ?」

蒼竜そうりゅう

「父上が亡くなり、青帝せいてい青竜せいりゅうの地位を受け継ぎました。継承けいしょうの儀をとり行うむねをお伝えに参りました。」

朱雀すざく

「わかった。十二天将には俺から伝えておこう。」

蒼竜そうりゅう

「よろしくお願いいたします。白虎様はどうでしょうか?」

白帝びゃくてい(白虎の息子。長男)

「親父か?右目は失明しつめいだ。処置後、青竜の叔父上の死体で何やらやってたな。」

蒼竜そうりゅう

「そうでしたか。それは、父上の遺言ゆいごんのことでしょうから白虎様にお任せいたします。あの娘については青竜家にて改善かいぜんするまで面倒を見る予定です。陰陽局にも介入かいにゅうさせるつもりはありません。以上です。失礼いたします。」


青竜と月華は…


縢匁かなめ

「青竜様のようじゃな。お若い。」

青竜せいりゅう

「父上の地位を受け継ぎ青竜となった。水龍を引き取りにきた。」

月華げっか

【なんや?別人みたいなしゃべり方やな。】

縢匁かなめ

「こちらです。」


最深部に来ていた。


水龍すいりゅう

青帝せいてい様ですね?」

青竜せいりゅう

「今は青竜だよ。水龍、よくえたね。今、開放かいほうしてあげよう。」


青竜が指を鳴らした途端とたんに、水龍につけられていたくさりが全て消えた。


水龍すいりゅう

「ありがとう存じます。」

月華げっか

「青竜はん、術かけてええんやね?」

青竜せいりゅう

「えぇ、お願いします。」

月華げっか

『いろは術・変化へんげ春月しゅんげつ


いろは術:月華の使う術

変化へんげ春月しゅんげつ:変化のうちの一つの術。春月とは春の月という意味がある。この術は、対象人物を春のような容姿に変えてしまう。髪の毛はロングの茶色、瞳は桜色、肌は色白となる。


月華げっか

「これで、水龍はんってばれへんと思うで。」

水龍すいりゅう

「月華様、ありがとうございます。」(自力でたった。)

青竜せいりゅう

「呪いは解呪かいじゅした。父上が命をかけ消滅しょうめつさせた。君は自由です。元の力戻るまでは、青竜の保護地ほごちで休むことをめいじる。」

水龍すいりゅう

「了解いたしました。」

青竜せいりゅう

「では、月華さんはお戻りください。水龍は一緒に事情説明を十二天将の方に話に行きます。では、失礼しますね。」

月華げっか

「じゃぁ、先に戻っとるから。」


月華が消えた。

十二天将が使っている会議室


あおい

「なんじゃ、水龍ではないか。」

すばる

「青竜様!?」

青竜せいりゅう

「私は、青竜の息子の青帝せいていという。今回、解呪かいじゅ戦闘せんとう後青竜死亡、白虎様は右目失明の被害ひがいをうけた。青竜が死亡したことにより、私が青竜の地位をたまわった。近々、継承けいしょうの儀をり行う。それと、戦場にいた神楽坂かぐらざか零蘭れいらについてだが、父上の死により相当ショックが大きい。父上の遺言にしたがい、しばらく零蘭はこちらで預かる。異論いろんは認めない。これは、青竜家の決定である。水龍も返してもらう。」

縢匁かなめ

「あぁ、異論いろんはない。」

青竜せいりゅう

「では、零蘭が全快ぜんかい次第お返しする。それと、父上の遺言により私と弟、妹は神楽坂親子の事情について知っている。これは、他言無用にねがう。では、失礼する。」


青竜がいなくなり



すばる

「青竜様の庇護ひごを受けたか…」

輝夜かぐや

「白虎様から直々じきじきに連絡が来るからな。ゼロについて、今、青竜様の遺言ゆいごんまっとうするべく行動なさっているようだからな。」

美徳みのり

玄武げんぶ様からも連絡がきた。」

朔羅さくら

「あ?俺には連絡何も来てねーぞ?」

縢匁かなめ

「そうであろうな。朱雀すざく様は気まぐれじゃからな。」


青竜の家

少し、時間をさかのぼる…


あずま

「よく寝ていらっしゃいますわね。あら?誰か帰ってきたみたいですわね。れいちゃん、少し待っててくださいね。」


玄関


あずま

「あら、お兄様でしたか。お帰りなさいませ。」

蒼竜そうりゅう

「あぁ。零蘭れいら殿は?」

あずま

「客室でお眠りになっていますわ。寝言で、お父様のことを呼ばれておりました。悪夢あくむを見ているのではないでしょうか。」

蒼竜そうりゅう

「起きたときに誰もいないのはまずいな。東、頼む。」

あずま

「わかっておりますわ。お兄様もお休みください。気持ちを整える時間が必要ですわ。私は自分の身のり方を決めましたので。」

蒼竜そうりゅう

「あぁ。兄上が帰ってきたら伝えてくれ。父上の書斎しょさいにいると。」

あずま

「わかりました。では、失礼いたします。」


それからしばらくして


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お読みいただきありがとうございました!

キャラクターの詳細な設定につきましては、学業が落ち着いてから一気に全て出したいと思っておりますのでそれまでお待ちください。


story.15に続く

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陰陽師 神楽坂零蘭の復讐 曇珠櫻 妃麗 @yuri202011152236

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