story.13 死亡者1名

その後、皆必死に戦うが

軽傷者 1名

重体  1名

死亡  1名

という結果となる。


白虎びゃっこ

「これは、まずいな。呪いが形をなしている。すぐに取り掛かかろう!」


それぞれが準備を始めた。

元の姿に戻っていった。

呪いが喋り始めた。その声は、とても忌々いまいましい声であった。

現代で言うデスボイスのような声で喋っている感じである。


呪い

「ゴゴガラデデイゲェェェェェ!」


呪いは目を赤く光らせながら青竜たちをおそった。


青竜せいりゅう

「皆、気を引きめるのじゃ!」


青竜の一言で周りには青竜と白虎、僧正坊の術が行使されていた。


月華げっか

『いろは術・月光げっこう

「今、結界けっかいったからもう大丈夫や。安心してええで。ここにいたら安心やから。」


いろは術:月華の使う術のこと。月華の一族、空狐の中でも力の強いもの使うことのできる術である。術は多数存在している。種類も豊富。

月光:月の光のように対象をつつみ対象者を守る結界。守護結界の一種。


零蘭れいら

「綺麗…」

月華げっか

「そうやろ?」(ニコっと笑った)


それから、戦いは激化していった。

青竜は右腕を呪いに侵食しんしょくされ使い物にならなくなってしまっていた。

白虎も右目を切られてしまっていた。失明しつめいになるかどうかあやしい。


呪い

「ハァ…ハァ…オマエラ、ナゼアギラメナイ!!!!」

青竜せいりゅう

「それは、お主がわかっていることじゃ!わしの可愛い子供たちを苦しめおって!お主のかくさえ破壊はかいしてしまえば終わることじゃ!」


核:呪いには核が存在していて、核はモノによって形と場所が変わる。呪い自体が体内に宿し守っていることもある。呪いが消滅しょうめつするギリギリまで追い込むと核が光だし体を修復しゅうふくしようとする。その一瞬いっしゅんで核の居場所を特定し破壊はかいしなくてはならない。このことから、解呪かいじゅは陰陽師の仕事内容の中でも特に危険とされている。死と隣り合わせの任務である。


白虎びゃっこ

「わしが移動を止める!その一瞬をつけ!青竜!」

青竜せいりゅう

「承知じゃ!」

白虎びゃっこ

鎌鼬かまいたち術!雷鳴らいめい術!合体技がったいぎ稲妻いなづま!』


白虎がするどい爪をななめに切りく動きをした。その動作と同時に風のやいばが具現化され放たれ、雷に打たれたように呪いが一瞬だけ動きを止めた。


白虎びゃっこ

「いまだ!!!!!!!!」

青竜せいりゅう

「わかっとる!これで、最後じゃ!!!!」


青竜が自分の手で核を撃ち抜いた、が…

遠くから見ていた月華が


月華げっか

「青竜様っ!!…お嬢はん、覚悟しといたほうがええで。青竜様…多分やけど、相打ちや。」


月華はくやしそうに声を出した。

その言葉を聞き零蘭は…


零蘭れいら

「う…そ……おじいちゃん!!!!!!!」


月華の結界の中から泣きさけんだ。

そんな姿を見て、月華が零蘭を抱きしめた。


月華げっか

「今回の呪いは最終形態さいしゅうけいたいになっとった。相打あいうちになる可能性は十分あったんや。それが、青竜様て…」(涙を必死にこらえていた。)

零蘭れいら

「おじぃちゃん!やだよぉ!!!!」


零蘭は泣きながら、青竜に近づこうとした。


白虎びゃっこ

「まだダメだ!!!!」(泣いていた。)


数十秒後…


白虎びゃっこ

「もう大丈夫だ。」


白虎が青竜のそばにいた。

青竜は呪いにより体の半分以上は使えない。

最後の相討ちで、腹に大きな穴を開けられてしまっていた。

綺麗になった滝の横で、寝かせられていた。

零蘭が駆け寄り。


零蘭れいら

「おじいちゃん!」(泣きじゃくっている。)


青竜を抱きしめながら…

青竜が…


青竜せいりゅう

「れい、ちゃん…泣かないでおくれ…わしは…もう、だめじゃ……わしが死んだ、あと……む、す、こが…青竜…になる…れいちゃんはあっている…はずじゃ…。わしの死骸しがいか、ら…」


だんだんと顔色が悪くなっていき、声も小さくなっていった。


白虎びゃっこ

「わかっておる!作る!」

青竜せいりゅう

「頼む、な。れいちゃん、や、さい、ごに、あえてよかった。」(すごく良い笑顔)


青竜にしがみつきながら


零蘭れいら

「やだ!…やだやだやだやだやだ!!おじいちゃん!!!!!!」


青竜が死亡した。

死亡した瞬間、どこからともなく青い短髪で、吸い込まれるような白い目、そして青い綺麗な着物をきた青年が現れた。


青年

「お亡くなりになられましたか。れいちゃん、お久しぶりですね。大きくなられましたね。」

零蘭れいら

「…あっ」(抜け殻のようになってしまっていた。)

白虎びゃっこ

「あぁ、青竜のところの息子か。零蘭を頼む。月華、頼むぞ。」

月華げっか

「わかっとります。白虎様もはよ治療を受けてください。」


月華が零蘭を抱き上げた。


白虎びゃっこ

「息子呼ぶか。」


数秒後


白虎(息子)

「親父、なんだよ。…って!おい!大丈夫かよ!早く帰るぞ!」

白虎びゃっこ

「その青竜の死骸を持って帰れ。遺言を聞いてやらねばなるまい。零蘭、出来上がり次第持っていくから待っておるのだ。」

白虎(息子)

「わかった。じゃぁな!ちびっこ!元気出せよ!青竜の叔父上もむくわれないぞ!」

(零蘭の頭をでてから、姿を消した。)


白虎家族が帰り…


青竜(息子)

「れいちゃん、陰陽局に向かいます。大丈夫です、父上はれいちゃんに最後を看取ってもらえて嬉しかったと思いますよ。」(悲しそうに笑った。)

零蘭れいら

「私が…病気にならなければ…」(泣いていた)

青竜(息子)

「病気は致し方ありませんから。れいちゃんのせいではないんですよ。それにしても、本当に大きくなられた。」

月華げっか

「いつうたんや?」

青竜(息子)

「私はここの守護者の水龍とはよく話いておりました。守護地によく遊びにいらしていたので…美奈様に代わり面倒を見ていたこともございました。水龍とともに。私が青竜の息子であることは黙っておりましたが…」

月華げっか

「そうなんや。あ、寝てもうた。」


零蘭は泣き疲れて眠ってしまった。


青竜(息子)

「まずは、屋敷に向かいます。兄弟たちに伝えなくてはなりませんので。名乗っていませんでしたね、私は長男ですので青帝せいていの名をもらっております。まぁ、妖に個体名はありませんから。生まれた順で名前が決まっておりますので。」


青竜の息子(長男)は以後「青帝」と表記します。


月華げっか

「そうなんやね。」


青竜の家に来ていた。


青帝せいてい

「全員集まりなさい。」


そこに青帝と瓜二つの男と女がきた。

男の方は後ろで綺麗に1本にたばねられていた。

女性はハーフアップでお団子をしかんざしがさしてあった。


青帝せいてい

「月華さん、こっちが次男の蒼帝そうていでこちらが長女の東帝とうていです。」

月華げっか

「わざわざご紹介ありがとさん。月華って言います。寝ているのはうちの契約者のお嬢はん。青竜様かられいちゃん呼ばれてる子です。」

東帝とうてい

「あら、そうでしたの。よく父から話を聞いておりますわ。ふふ、愛らしいお方ですわね。お洋服に血がついておりますのね、お着替えご用意いたしますわ。」

青帝せいてい

「東帝、待ちなさい。報告があります。父上がお亡くなりになられました。水龍の守護地に蔓延まんえんしていた呪いを解呪なさりました。その際、相討あいうちとなりこちらにいるお嬢様が最後を看取みとられました。父上の遺言書を預かっていますので話ます。良いですね?」

蒼帝そうてい

「父上が亡くなった!?」

東帝とうてい

「そうでしたか。お嬢様にはお辛いことだったでしょう。ついにお父様もお亡くなりになられたのですね。」

蒼帝そうてい

「兄上!しっかり説明を!」

青帝せいてい

「白虎様も失明しつめいする可能性があるそうです。遺言ゆいごんを話します。」




登場人物紹介


青竜せいりゅう

呼び名:青竜

年齢:3000年ぐらい

性別:男

霊力値:測定不能

種族:青竜家

種族階級:四獣しじゅう 青竜家当主

術派:なし

契約者:なし

零蘭と会った日:8月30日(12歳)

その他:

青竜家の当主である。

しばらくのあいだ代替だいがわりしていない。

青竜家の分家である龍の一族から妻をめとり、

後継こうけいを作ってきた。

2人目の妻との間に青帝せいてい(後の青竜)が生まれた。

5人目の妻との間に蒼帝そうてい(後の蒼竜)が生まれる。

最後の妻である6人目の妻との間に、

東帝とうてい(後の東)が生まれた。

名前は代々決まっている。

せいそうとうしゅんもくロクしんという風に

最初の一文字は決まっている。

これは、永遠えいえんと決まっている。

だが、あまり四獣しじゅうの子供は生まれない。

500年に1人生まれるか生まれないかである。



白虎びゃっこ

呼び名:白虎

年齢:3000年ぐらい

性別:男

霊力値:測定不能

種族:白虎家

種族階級:四獣 白虎家当主

術派:なし

契約者:なし

零蘭と会った日:8月30日

その他:

白虎家の当主である。

白虎家の分家である人虎じんこ族から妻を娶り、

後継を作ってきた。

4人目の妻との間に白帝が生まれた。

最後の妻である7人目の妻との間に、

西帝せいていが生まれる。

名前は代々決まっている。

びゃく西せいしゅうきんしょうえいという風に

最初の一文字は決まっている。

これは永遠に決まっている。

だが、あまり四獣の子供は生まれない。

500年に1人生まれるか生まれないかである。


story.14に続く

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