story.09 神楽坂美奈

あおい

「わかった。では、美奈みなについて話すにあたって、血の契約書けいやくしょを作成するが良いか?」


血の契約書

血の契約書とは自身じしんの血で指印しいんすることである。

契約書の内容は契約主が決めることができる。

今回のような、会話の内容を他言たごんしないという内容の場合は契約主が紙に手を置いたまま「契約開始」と発言し話をし、話が終わったさいに「契約終了」と発言をすれば契約完了ということになる。

契約をやぶると契約主に何らかの形で知らされることとなり、破ったものには死がおとずれるというとても危険な契約書である。これを、破棄はきするには契約主に破棄をしてもらわなければならない。一方的な破棄は一般的には不可能である。


縢匁かなめ

「血の契約書か…それが、最善策さいぜんさくであろうな。この件は太陰たいいん、全ての決定権をゆだねよう。」

あおい

「わかったのじゃ。では、皆、自身の血で指印しいんを頼むの。」


縢匁は部屋から退出していった。

十二天将の全員が指印をした。

東雲葵太陰は契約書に手を置いて


あおい

『契約開始』

「まずは、美奈についてじゃの。4歳で陰陽局に引き取られたんじゃ。16歳で特別養成学校を卒業。まぁ、異例いれいじゃの。」


特別養成学校は18歳まではかよわなくてはならない。例外に、早めに任務につくものもいる。


あおい

「美奈は語学が堪能たんのうじゃった。外国におもむく任務が多かったのじゃ。スパイ任務じゃな。そこで恋仲になったものもおったのじゃ。美奈も、任務先で恋仲になっておった。」

朔羅さくら

「それのどこが問題なんだ?」

あおい

「恋仲になった男が問題なのじゃ。悪魔の王ルシファーじゃ…別名サタンじゃな。問題であろう。18でみおを生んでいるのはサタンとの間に子をもうけてしまったからじゃ。その後も、まぁ、色々あったのじゃ。美奈の霊力は大物の妖怪、悪魔、天使、妖精などにとってはとても心地ここちよいのじゃ。じゃから、問題も多いのじゃ。」

自由みゆ

「でも、みおさんは霊力値は低いですよね?サタンの子供なんですよねぇ?」

あおい

「そうじゃな。霊力はそこまで保有ほゆうしておらなんだ。霊力ではなく魔力が異常いじょうだったのじゃ。」


魔力とは、悪魔や天使、妖精が使う力のこと。


あおい

「美奈が24の時、精霊六大王せいれいろくだいおう水王すいおうウンディーネとの間に子をもうけておる。確か、りょうだったかの?今は、19歳の青年になっているだろう。ゼロより6歳上になるかの。」


説明しよう!

精霊六大王とは、

火の精霊 サラマンドラ(女)

水の精霊 ウンディーネ(男)

風の精霊 シルフィード(男)

地の精霊 グノメ(女)

光の精霊 フォテス・イグニ(男)

闇の精霊 サザマ・ルナサ(女)

強大な力を持つが、異界の奥に居るとされ、六大王は呼び出すことができない。

ごくまれに人界に降り立つこともある。

召還しょうかんされるのは主に彼らの眷属けんぞくである中級・上級精霊まで。

属性を持つ者は、いずれかの精霊の血をはるか昔にいだのだとされている。


深雪みゆき

「水王か…水の精霊はほぼ女性ではなかったか?」

あおい

「美奈から聞いた話じゃが、水の精霊は女性が多いため男性が代々水王を務めているらしいのじゃ。りょうはウンディーネが引き取り育てておる。りょうの存在はみおも知らせされておらん。28の時、他国の異能組織との交流のために美奈が選ばれたのじゃ。1年半ほどかの、そのぐらいでこちらに戻ってきたんじゃ。その時、ゼロの妊娠が発覚したのじゃ。相手は、当時向こうで付き合っていた男じゃった。これも、人外じんがいじゃった。天使の王、ミカエルじゃった。ほんに、美奈の相手は悪いのじゃ。そして、35の時任務につき死亡したんじゃ。」

輝夜かぐや

「天使なら、魔力が多いのではないのか?」

あおい

「魔力の方は測定しておらんのじゃ。美奈の血を濃く受け継ぎミカエルの血もあるのじゃ魔力か霊力のどちらかにかたよるであろうな。」

姫咲きさ

「ですから、ゼロちゃんは霊力に偏ったということですの?」

あおい

「あぁ、そうゆうことじゃ。」

姫咲きさ

「今のお話で納得できますわ。規格外の霊力保持者の理由が知れてよかったですわ。」

ゆずりは

「そうですね。」

あおい

「そうゆうことじゃ。この話は共有しておらんとまずいからの。美奈についても、もう少し話しておくかの。美奈…陰陽師時代は美波みなみはるという名前じゃな。」

深雪みゆき

「あぁ、陰陽師は亡くなった後は本名で呼ぶことが決まりだからな。美波はる…聞き覚えがあるな。大物の大妖怪を眷属けんぞくにしていた陰陽師だったと。」

あおい

「そうじゃな。美奈は9割の任務が外国であったからのぉ。日本でもあまり知られておらん。年に数回程度しか任務につかなかったからのぉ。任務の危険性から給料は良かったようじゃし…。」

輝夜かぐや

「そうだな。そのレベルの任務だと一回で数百万だろう。」

美徳みのり

「あぁ、それは、年に数回で足りるな。母親としても色々したかったのだろ。」

あおい

「美奈の眷属はまず、鞍馬山くらまやま僧正坊そうじょうぼう、妖狐一族の現族長などの大物しかおらん。美奈の娘のゼロは僧正坊に気に入られていると推測すいそくできるかの。九尾の若造わかぞうが関わってきたのも想像できるかの。」

亞夏羽あげは

「そうですね。」

あおい

「これで、話すことはないかの。ここで話したことはゼロは全く知らないと頭に入れておいて欲しいのじゃ。では、これで終了とするの。」

『契約終了』

あおい

「これで、大丈夫じゃろ。では、血の契約書を作成したことを忘れないようにな。」

深雪みゆき

「では、他の報告を始める。」


各々が自分の行った調査の報告書を話し始めた。


亞夏羽あげは

「陰陽師についての知識ですが、4ヶ月ほどですがある程度はそなわっています。要領はある方でしょう。教えたら教えた分だけ覚えられるでしょう。」

朔羅さくら

「運動能力のほうだが、相当体力あるぞ。長時間対戦も行けるだろうな。スポーツテストはほぼ全ての項目こうもくで満点近く出してたぞ。」

糸雀りあ

「術の適性てきせいについて報告いたしますわね。適性ですが、捕縛ほばく術、結界術、眷属けんぞくに強い適性が見られましたわ。以上ですわ。」

すばる

「眷属召喚の報告だ。上限値じょうげんち不明と出た。眷属にする妖のランク、霊力値、数の規制はない。本人の好きなようにできる。」

姫咲きさ

「ゼロちゃんの霊力の質についての報告ですわ。あの子の霊力は少しれ出ただけで周りにいる妖をきつけてしまうものですわね。もしゼロちゃんの霊力が10万単位で漏れ出てしまった場合、集まってきた悪妖あくようや妖気を持った妖を凶暴化きょうぼうかさせる作用がありますわ。以上ですわ。」


妖気:妖怪がだす霊力(または妖力)。妖気は漏れ出している霊力(妖力)であり周りに害を与あたえる霊力(妖力)のことである

悪妖:妖気を出す妖の最終形態さいしゅうけいたい自我じががなく人間をおそうことしか考えていない妖のことである。悪妖に成り果てた妖は消滅しょうめつさせるしかない。


美徳みのり

「身体的特徴について報告する。特別な目を持っているだろう。相手の霊力値または妖力値をある程度測れる目を持っているみたいだな。」

たかむら

やつがれからは、カウンセリングの結果を報告する。眷属にすすめることができる種族は、やはり、妖狐一族である。しかし、適性てきせいがあるかどうかは不明だ。ゼロのことを理解できそうな一族は妖狐一族であると考えた。」

輝夜かぐや

「霊力制御方法について報告するな!白虎びゃっこ様に相談したのだが、やはり眷属を作るのことが手っ取り早いそうだ!」

ゆずりは

「全ての調査を観察したことを報告します。ゼロちゃんが笑うことは一度もありませんでした。心を閉ざしてしまったと思われます。ですが、妖の話をしている時は霊力がとても安定していました。眷属を作ることをすすめます。」

深雪みゆき

「そうか。では、今後のゼロの対応について…」


次の日

森羅しんら自由みゆ六合りくごうの屋敷で…


零蘭れいら

「おはよう。」

深雪みゆき

「ゼロ、これからの特別カリキュラムについて連絡する。」

すばる

「まず、青竜せいりゅう様に会ってもらう。そこで、ゼロに合う妖怪一族を紹介してもらう。そして、その紹介された一族から眷属を作る。」

零蘭れいら

「なんで?」

すばる

「十二天将様本人たちがそう提案した。」

零蘭れいら

「青竜のじいちゃんたちが?」

そこにいた十二天将たち

「じいちゃん!?」


説明しよう!

零蘭が体内たいない封印ふういん制御せいぎょ術をかけられた時、零蘭はどこにいたのかと少弐しょうにたずねられた際、「秘密の場所?」と答えています!その秘密の場所が…


零蘭れいら

「うん。」

あおい

「どうゆうことかの?」

零蘭れいら

「学校入って、2日目で場所知らなくて色々歩き回ってて、知らない場所行ってそうしたら、なんか知らないおじいさんいて…」

輝夜かぐや

「もしかすると、特別養成学校の最深部さいしんぶまで行ったのか?あそこには学校の内部に張りめぐらされている結界の中心部があるからな。近づけば、十二天将様本人たちに届くであろう。」

零蘭れいら

「あぁ、そうそう、そんなこと言ってた。よく知らないけど…。気付いたら、変なたきの近くにいて」

すばる

「青竜様のところだな。」

零蘭れいら

「そこで、まぁ、遊んでたらなんか動物増えてた。で、もふもふしてたらおじいちゃんが呼ばれてるから戻れって」

深雪みゆき

「ゼロ…規格外だな。想像がつかない。」

あおい

「ふふ。美奈に似ておるの。何をするかわからぬあたりが似ておるの。」

すばる

「話を戻す。青竜様に会ってもらう。そして、ゼロと合う妖を紹介してもらう。その後、眷属契約の術を考えてもらう。その後は、他の術の練習だ。」

零蘭れいら

「それ、おじいちゃんからでしょ?それなら、いいよ。」

すばる

「いますぐに、移動する。」


その後、零蘭と翡翠昴ひすいすばる青竜、東雲葵しののめあおい太陰、早乙女深雪さおとめみゆき貴人と移動した。

青竜の滝に来ていた。


青竜せいりゅう

「おぉ、きおったか。久しぶりじゃの。」

零蘭れいら

「ゼロだからよろしくね。1ヶ月ぶりだね。」

青竜せいりゅう

「そうじゃな。ゼロちゃんに合う妖を聞きに来たのかの?」

すばる

「そうです。よろしくお願いします。」

あおい

「青竜様、お願いします。ゼロ、よく聞いておくのじゃ。」

青竜せいりゅう

「ゼロちゃんと合う妖一族は…」




まず、美奈について詳しく書いて行こうと思います!

神楽坂かぐらざか 美奈みな

陰陽師時代の活動名→美波みなみはる

大物の大妖怪を眷属にしていた陰陽師

9割の任務が外国であった。日本でもあまり知られていない。

年に数回程度しか任務につかなかった。

眷属は鞍馬山の僧正坊そうじょうぼう、妖狐一族の現族長などの大物がいた。

美奈には、みおりょう零蘭れいらの3人の子供がいる。

4歳で陰陽局特別養成学校入学

16歳、任務に就く。

18歳、サタン(魔王)との間にみおをもうけた。

24歳、精霊六大王せいれいろくだいおうの1人、水王ウンディーネとの間にりょうが生まれる。

30歳、天使の王ミカエルとの間に零蘭れいらを生む。

35歳、任務時に死亡。


ここからは…

新・登場人物紹介!


りょう

水王 ウンディーネの子供

美奈の息子。現在、19歳。

みおと、零蘭れいらは令の存在を知らない。

令はウンディーネに引き取られそこで、育てられている。


サタン

堕天使ルシファーの悪魔名

ルシファーともサタンとも呼ばれている。

年齢不明、男性。

澪の父親である。


ミカエル

天使の王。

年齢不明、男性。

零蘭の父親である。


ウンディーネ

精霊六大王の1人で、水王である。

年齢不明、男性。令の父親である。

令を引き取り育てている。


精霊六大王について!

霊六大王とは、

火の精霊 サラマンドラ(女)

水の精霊 ウンディーネ(男)

風の精霊 シルフィード(男)

地の精霊 グノメ(女)

光の精霊 フォテス・イグニ(男)

闇の精霊 サザマ・ルナサ(女)

強大な力を持つが、異界の奥に居るとされ、六大王は呼び出すことができない。

ごくまれに人界に降り立つこともある。

召還しょうかんされるのは主に彼らの眷属けんぞくである中級・上級精霊まで。

属性を持つ者は、いずれかの精霊の血をはるか昔にいだのだとされている。


以上で説明は終わりです!


story.10に続く

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